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【江戸瓦版的落語案内】皿屋敷(さらやしき)

2017.07.15 Vol.694

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

脱こじらせへの道 第50回 性欲と美容の相関関係って?

2017.07.14 Vol.694

 この「脱こじらせへの道」も、今回でなんと第50回!
 記念すべき50回目のテーマは、女性誌でセックスの話題が取り上げられるときに必ず出てくるこんな話題です。

「永遠のテーマ!SEXできれいになると思いますか?」
 
 昨年のananのセックス特集のテーマも「SEXでキレイになる。」でした。
 実は私、ずっとこのテーマがピンとこなかったんです。
 というのも、性欲と美容にどんな相関関係が?というのがずっと疑問だったから。
 SEXでキレイになるんだったら、ヤリマンは全員キレイなの?逆に、キレイな人はみんなヤリマンなの?
 そんなことないですよね。
”キレイ”といわれるような外見でなくてもSEXをたくさんしている人もいるし、SEXをしていないのにキレイな人もいます。

 このことがずっとモヤモヤしてたんですが、このアンケートを通してひとつ気づいたことがあります。

 それは、このテーマの言いたいことが、「キレイになるためにSEXする」ではなく「SEXをすることでキレイになる」であるということ。
 決して性欲が美容にいい、ということを言ってるわけではないんですよね。
 私の早合点というか、職業病なのかもしれませんが(笑)
 でも、意外と性欲と美容には関係があるのではと考えている業界人は少なくなくて、「オナニーをして女子力をあげよう!」なんていうキャッチコピーをたまに見かけます。
 個人的にはちょっと的外れかなと思います。

 要するに、キレイになるためにSEXをする、という論理は成り立たないのですが、じゃあこのテーマが言いたいことってなんでしょう。
 それは、アンケートの答えを見ると皆さん感じているようです。
 SEXをすることでキレイになるということではなく、SEXをするということを念頭において、体の手入れをしたり、女性らしい仕草を研究してみたり。
 その過程を経た人が、たまたまキレイになったというだけ。

 でも、キレイになることに、そもそも理由なんて必要なのでしょうか?
 仕事のため、恋のため、彼のため、そしてSEXのため。
 本当はそんな理由なんてなく、もっと自己満足で、自分のためにキレイになる努力をしてもいいですよね。
 自分以外の何かのための努力って、その何かがなくなったら動機がなくなるもろいものだと思います。

 私が思うのは、「愛されない(愛される予定がない)からキレイである必要がない」なんてことはないということ。
 自分自身が、もっと自分を愛してあげると良いんじゃないかなと。
 素直に自分のため、と言えない自分の弱い部分も、愛してあげたいですね。

【格闘家イケメンファイル Vol.76】スターダスト・レフティ 里見柚己(さとみ ゆずき)

2017.07.10 Vol.694

「街でもやっと最近声をかけてもらえるようになり、うれしいです」と里見。真面目な表情と笑顔のギャップが人気の19歳。しかし、格闘技歴は意外と長く…。

「小学校5年生の時にキックボクシングを習いにいったのが始まりです。地元は神奈川県の三浦市ですが、当時は市内にキックボクシングのジムがなかったので、横須賀まで通っていました。ほぼ毎日。週5〜6回は行っていました。子ども心にすごく楽しかったんですよね」

 そんなに夢中になったきっかけは?

「小さい時からずっと格闘技というか、戦うことが好きだったんです。でもその元の元をたどれば父親が格闘技好きだったから。幼稚園の時からアニメやバラエティーはまったく見せられず、プロレスとか格闘技を父親と一緒に見ていました。幼稚園の卒園アルバムにも将来の夢はプロレスラーって書いている(笑)。それぐらいプロレスが好きで、プロレスの雑誌とかも買って読んでいたぐらい。ある意味、父親の英才教育というか、洗脳のたまものですかね(笑)。もちろん、格闘家になった今も応援に来ては、熱くなっています。母親? 最初は心配していたみたいですが、戦績を重ねていくごとに、母も熱くなっています(笑)」

【鈴木寛の「2020年への篤行録」】第46回 日本の高校が輩出するグローバルリーダー

2017.07.10 Vol.694

 まもなく日本の学校は夏休みに入りますが、4月からのスタートなので「一休み」という感じでしょう。一方、海外の学校は9月スタートで、6月には卒業式というのも珍しくありません。

 実は日本でもつい先月、卒業式を迎えた学校がありました。マスコミでもしばしば取り上げられているので、ご存知かもしれませんが、高校生を対象にした全寮制のインターナショナルスクール「ISAK」(インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢)で、初めての卒業式を行い、52人の一期生を送り出しました。代表理事の小林りんさんが、開講準備している段階から私もアドバイザーとして応援してきましたので、軽井沢のキャンパスに喜んで伺いました。

 ISAKでは、日本の学習指導要領だけでなく、国際バカロレアを採用したプログラムを学び、語学力、国際的視野、リーダーシップとダイバーシティに対する感覚を養います。一期生は、米国のアイビーリーグにも加盟している名門大学や、英国のロンドン・スクール・オブ・エコノミクスなど海外の大学に進む人、日本では、東大や阪大、早稲田、慶応などに合格しているようです。

 進学実績もさることながら、なんといってもISAKでしか得られない「学び」、それも一期生ならではのものがあったようです。小林さんもフェイスブックで「たくましくなった」と振り返っておられましたが、卒業生の代表が「関係者の皆さんと同じように、生徒たちも皆それぞれにリスクをとってこの新設校に飛び込んできました。この学校を、一緒に創り上げて来られたことを誇りに思う」とスピーチしていたのに、目を細めました。まだ10代で、ゼロから学校を作ってきた経験は一生の財産になるでしょう。

 学校は建物や教室などのハードさえ整っていればいいというわけではありません。もちろんICTなど最先端のスペックを備えるに越したことはありませんが、幕末維新の偉人たちを輩出した、かの吉田松陰の松下村塾がわずか三畳半の小さな部屋だったことを考えてみても、やはり、学校はそこに集う教師と学生が、どのような学びの文化を醸成し、コミュニティーを形成していくのかが重要なのです。その意味で、一期生が今後どのような飛躍をし、また、ISAKという学び舎もどのように成長していくのか、非常に楽しみです。

(文部科学大臣補佐官、東大・慶応大教授)

【江戸瓦版的落語案内】あたま山(あたまやま)

2017.06.28 Vol.693

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

EXILE TETSUYA「DANCEの道」第59回 E.G. family

2017.06.26 Vol.693

DANCE EARTH PARTY(DEPの新曲『WAVE』が配信され、海を感じる気持ちのいい曲を引っさげて先日、石垣島で行われた日本最南端の音楽フェスティバル『Tropical Lovers Beach Festa』に出演させていただきました。実は、今年のお正月にメンバーのUSAさんと石垣島に旅をした時に、たまたまこのフェスの主催者の方や石垣島出身の、BEGINの島袋優さんとお会いして、“いつか石垣島のフェスにDEPで参加してみたいです!!”なんて話しながら島のお酒で乾杯してていたのが、こんなにも早く出演が実現するなんて思ってもいなかったので本当にうれしかったです。

 梅雨もあけていない時期だったので、雨が心配でしたがステージに到着してみると、快晴の上に目の前には海しかない最高に開放的なステージで、いつかDEPでこんな場所でライブしてみたいなぁなんて話していた、理想的な景色がありました。

 湿度も気温もとても高くて、2010年に行ったEXILEのスタジアムツアー“FANTASY”を彷彿させるかのような灼熱ライブでしたが、内容はDEPらしく本当にHAPPYで笑顔にあふれるステージになりました。

 いつも一緒に踊っているダンスチーム「DED」のメンバーも駆けつけてくれて、PREMIUM TEQUILAで乾杯したり、初めて披露する『AZONTO』をパフォーマンスしたり、皆さんに喜んでいただけて良かったですし、リハーサルの時に、メンバーと話し合って、どうしたらもっと楽しいダンスが踊れるのかと考えていました。

 そういえばお正月に出会った島の人の中に、ダンスの先生がいて「石垣島にはキッズダンサーがたくさんいるんですよ」と言っていたのを思い出し、『BEAUTIFUL NAME』で一緒に踊れないかと提案してみたところキッズダンスグループ「KURUMBA」のみんながが集まってくれました! 一気にEダンスアカデミーの世界観になり(笑)、素敵な時間でした。

 みんなダンスが上手で、何よりこの石垣島で初めて会ったキッズ達とステージを作れたことに本当に感謝です。島の皆さん、「KURUMBA」、「DED」、そして遠くから飛行機に乗って駆けつけてくれたファンの皆さん、一緒に踊って歌って、盛り上がって、乾杯していただき本当にありがとうございました。また来年もあの景色でライブができることを願いながら頑張っていきたいと思いますし、夏はこれからなので引き続き機会を探して、いろんなところでパフォーマンスしていきたいと思います。

 そして今年も10月に幕張で『DANCE EARTH FESTIVAL 2017』が、2日間開催されますのでそれも楽しみにしていてほしいです。

 さてそんなDEPは、先日のE-girlsの新体制の発表を受けて、正式にE.G. familyになりました。ボーカルのShizukaがE-girlsを卒業してDEPに専念することで、新たな決意と門出を迎えます。昔からShizukaちゃんの歌を聴いてきて、本当に歌うことが好きなんだなぁと感じますし、同じグループのメンバーになってから、歌に対して、なんてストイックな人なんだと驚きとリスペクトばかりです。

 7月15、16日にさいたまスーパーアリーナでE-girlsのライブがありますが、そこにDANCE EARTH PARTYも出演します。

 E.G. familyのDEPとしては初めてのライブなので少しドキドキしますが(笑)、僕らも含めてLDH全体でE.G. familyを盛り上げていけたらと思います。

 8月30日にはニューシングルの発売も決まっています。今度の新曲は、もちろんテーマは“HAPPY”ですが、今までにないDEPを表現できると思いますし、10月のフェスが楽しみになるような1枚にしていきたいと、現在絶賛製作中なのでどうか楽しみにしていてください。

 もちろん大学院の勉強も頑張りまーす(^o^)v

【格闘家イケメンファイル Vol.75】北欧最強の伊達男 Sanny Dahlbeck(サニー・ダルベック)

2017.06.26 Vol.693

 連載初の外国人選手は、モデルのようなルックスと人懐っこい笑顔で、対戦相手だけではなく、日本の女性ファンをもKOしているサニー・ダルベック。“ハンサムで強い”という世の女性(男性も!?)憧れの存在だ。そんな彼は、6月18日に開催された「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN 〜第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント〜」に出場。試合前日の計量後に話を聞いた。

「お腹…空いていますよね…」とご機嫌をうかがうように恐る恐る聞いた記者にサニーは「気にしないで。今日はこれから『焼肉チャンピオン』に行くから、もっと腹ぺこになっても大丈夫(笑)」と攻撃力が半端ないキラースマイル。それにしてもずいぶん具体的な店名が…。もしかして焼き肉好き?

「大好きです。もともと僕は食をとても大事にしていて、自分の人生の中で重要な部分を占めていると思っている。スウェーデンで焼き肉といったら焼いたお肉をお皿に盛ったものをいうんだけど、日本では生の肉をバーベキューのように焼いて食べるのが新鮮でした。初めて父と日本の『ビーフキッチン』に行って食べた時は、口に入れた瞬間から言葉にならず、父親と目を見合わせる事しかできないぐらいの衝撃だった。そのあとは、“ワオ!”としか言えなかったよ(笑)」

 よほど気に入ったのか、店名を連呼して一生懸命感動を伝えようとするサニー。食べることが本当に好きそうだ。ほかに好きなことは?

「一番好きなのがギターを弾くこと。何もすることがない時は家でただ無心にギターを引くと、格闘技のことを一切忘れて没頭できるんだ。また、音楽のことを勉強するのも好き。例えばキーとかメロディを勉強することでピアノも弾くことができる。それらはすべてギターにつながっているからね。音楽はリラックスする方法の一つだけど、それ以外にも友達と出かけたり、ゲームをしたりするのが好きです。プレステ4とかよく友達とやっていますよ。あとファッションも。いい服を着るのはすごく好きですね。今年、スウェーデンのイケメントップ100にノミネートされ、最終的に39位に入りました。アーティストや俳優、ミュージシャンたちの中で、多分格闘家は僕だけだったと思う。その中で39位なら悪くないんじゃない?」

黒谷友香『友香の素』vol.176 最近の「読書」。

2017.06.26 Vol.693

 私は一人暮らしを始めたころ、1人で過ごす時間が増えたからか読書が好きになり、時間があると本屋さんに行っては新刊チェックをし、好きな作家さんの新刊が平積みされていたら迷わず手に取り、タイトルや、本のカバーが気になったらそれも手に取り‥っと、重くて持ち切れないほど、何冊も重ねてレジに向かうと1万円を超えることもよくあった。でも最近はレジで1万円を払わないし、重さで腕が痺れてしまうこともなくなった。

 それを懐かしく思う今でも読書は好きだけど、この何年かは電子書籍で買うことが多い。初めて読んだ時は、慣れるまで戸惑いがあったが、今ではすっかりその恩恵にあずかっている。

 本屋さんに行かずとも夜中だろうが、読みたい! と思ったら何秒後にはある意味「手元」にある。第1に、かさ張らない。しかも「手元」には残るし、何冊も同時に持ち運べる。よく地方に出掛ける私には助かる点だ。本屋さんを探さずとも、いつでも何処でも買えるし、即、読める。ちなみに小説を読む時は本物のページの色に似たセピアを背景にしている。

 一度、同じ小説で、本物の物体としての本と電子書籍で読むのに、何がどう違って感じるのか?と交互に読み進めていったことがある。物体として手に持ち、作家さんが描いた世界観がぎゅっと詰まっているという色んな意味合いでの重みを感じてページを指で捲って読み進むのと、画面に文字が写し出され、次のページもワンタッチでめくるような作業をする電子書籍。ページをめくる事で自分に生まれる間や余韻、ページ構成の違いに、本来そこから感じ取るものに違いを感じた場合もあったが、全体の内容が面白かったらそこは、気にはならないよと思ったのも確か。でも本は手に取って読みたいという思いもやっぱりどこかある。実験自体はどっち付かず、両方の良い点を上手く取り入れるしかないのだった。

【長島昭久のリアリズム】変貌するアジア太平洋地域と日本の安全保障(その弐)

2017.06.26 Vol.693

 70年前に地政戦略家スパイクマンが予言した、中国による南シナ海での勢力拡張と日本ならびに西側諸国への圧迫。それを現代において実現する戦略を立てたのが、劉華清提督(鄧小平時代の中国共産党政治局常務委員であり海軍司令員)でした。そして、その将来展望は次のようなものでした。

 まず、2000年までに中国沿岸の防衛能力を高め、2010年までに第一列島線内側の制海権を確立。続く2020年までに複数の通常型空母艦隊を建造して第二列島線内部の制海権を確立。さらに2040年には複数の原子力空母艦隊を率いて、米海軍の西太平洋およびインド洋における制海権をそぎ落とし、やがて米国と対等な海軍国になる、と。

 これを、太平洋の対岸、すなわち米国から”anti-access, area denial, A2/AD”戦略と評したのが、米国戦略予算評価センターのアンドリュー・クレピノヴィッチ所長です。西太平洋における中国の宇宙から航空、洋上、海底、そしてサイバー空間にいたるクロス・ドメイン戦力の拡大の目的は、同地域への米軍の戦力投射を阻み(A2)、第一列島線の内側、やがては第二列島線の内側全域から米軍を排除する(AD)ことにあるのだと。

 この意味を正確に理解するには、1996年4月に勃発した台湾海峡危機を想起すべきです。当時台湾では二期目に臨む李登輝総統が初の総統民選を実施しようとしていました。台湾の独立志向の高揚を極度に警戒する北京政府は、台湾住民にプレッシャーをかけるために、台湾の北、西、南側海域で大規模なミサイル演習を繰り返しました。これに対し、クリントン米大統領(当時)は、二つの空母打撃群(艦艇約20隻、艦載機約150機)を同海域に派遣、「強制外交」(coercive diplomacy)でもって中国を牽制しました。今日の朝鮮半島のように一触即発の危機に直面しましたが、当時の米中の戦力差は歴然で、中国は撤退を余儀なくされたのです。

 しかし、仮に今日、同じ事案が発生したらどうなるか。トランプ政権は、96年当時のように躊躇なく空母打撃群を台湾海峡、より正確には第一列島線の内側へ投入することは出来ないでしょう。96年の屈辱を晴らすために血道を上げて取り組んだ大軍拡の結果、中国はこの20年間に、クロス・ドメインのA2/AD能力を保有するまでに強大化したのです。

 しかも、中国の究極の目標は、第一列島線と第二列島線の間の広大な海域における中国海空軍の行動の自由、すなわち海上・航空優勢を確保することに他なりません。この海域に、米本土を射程に収める長距離弾道ミサイル(SLBM)を搭載した原子力潜水艦を潜ませることができれば、A2/ADどころか、米国に対する核の報復能力を確立できることになります。

 このような中国の海洋戦略に対する米国の対抗策は未だ確立されたようには見えません。しかも、トランプ政権がどこまで効果的に中国の海洋進出に歯止めをかけられるのか予断を許しません。
(衆議院議員 長島昭久)

脱こじらせへの道 第49回 女性向けAVに求めるられるものは?

2017.06.23 Vol.693

 ここ最近は業務の兼ね合いで、男性向けのAV作品やサイトを見る機会が増えました。
 女性向けの担当が長かったので、久しぶりに男性向け作品に触れて、こうも違うのかとびっくり。
 パッケージの色使いから、タイトルのつけ方、あらすじまで、何から何まで違うのです。

 そんなわけで今回は、こんなアンケート。

「キュンとしたい?あなたが女性向けAVに求めるものは?」

「キュンとするドラマ」を求めるという意見がもっとも多いという結果になりました。
 よく、女性向けAVについて説明されるときに、「イケメン男優が出演していてドラマがあって…」という風にいわれるので、なんとなくイメージがつくという方もいらっしゃるかもしれません。

 実際には、アンケートの回答などにもあるように、「感情移入して見ることができる」ということが重要視されていて、必ずしも物語的に複雑なものが求められている、ということではないんですね。

 というのも男性向けAVの場合、最初から男性は「こんなエロいものが見たい」という具体的なイメージをもって見る人が多い。
 作り手も、「こういうジャンルです」「こんな部分がエロいです」というところが明確な場合が多いので、見る側にとっては作品を選びやすく、感情移入するのが容易です。

 一方で女性の場合、「こんなエロが見たい」というものがある人は少なく、男性向けのジャンルやパッケージを見てもピンと来ないことがあったりします。
 だからこそ、感情移入していって「このエロが良い!」と思うまでの過程が必要ということなのだと思います。

 買い物の仕方なんかも、男女でそんな風な違いがありますよね。

 アンケートの回答の中には、「ハードなセックスシーンを好む」と答えた女性ユーザーもいらっしゃいますし、前回お話したような「オナニーのためにAVを見る」という女性ユーザーもいらっしゃいます。
 女性向けAVを表現する言葉として、「ドラマ作品」ではなく、「過程を大切にする作品」というほうが適切な表現なのかもしれませんね。

 これはおそらく実生活でもそうです。
 男性から女性に向かっていきなり、セックスしよう!なんて言ったらセクハラどころか不審者扱いされてしまいます。
 だから、男性はセックスするまでの過程に重きをおいて口説いてみるといいのではないかと。

 ちなみに、男性向けと女性向けの一番の違いって、内容というよりもパッケージなのではないかなと最近思っています。
 男性向けの作品は、原色、出演者が正面を向いている、感嘆符多め。
 闘争心を刺激して興奮させて、購買意欲につなげているのではないでしょうか。

 女性向けでは、そういう表現はあまり使いません。
 女性向けは興奮よりも、落ち着きや安心できるような表現のほうが、共感を得て購買意欲につながるように思います。

 男性と女性が、本能的に求めているものの違いが、このAVパッケージという第一印象に色濃くでているんです。
 よかったら、AV作品を見てみるときに、そんなことも気にしてみてくださいね。

【江戸瓦版的落語案内】転宅(てんたく)

2017.06.14 Vol.692

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

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