SearchSearch

山崎育三郎ら再びドラァグクイーン! ミュージカル『プリシラ』きょう開幕

2019.03.09 Vol.Web Original



 山崎育三郎らがドラァグクイーンを演じて好評を博したミュージカル『プリシラ』がきょう9日、日生劇場で開幕する。初日に先立ち、8日、同所で公開ゲネプロが行われ、山崎、ユナク、古屋敬多(Lead)、陣内孝則、そして演出の宮本亜門が取材に応じた。

 LGBTQのバイブル的作品である映画『プリシラ』を舞台化したもの。オーストラリアを舞台に、3人のドラァグクイーンの珍道中を描く。舞台は世界15カ国以上で上演され大ヒット。日本では2016年12年に初演されてチケット完売が続出した。今回は初演と同じメンバーが集結した。

 再びドラァグクイーンの衣装に身を包む山崎は「衣装で『プリシラ』が始まるぞという気持ちになってきました」と準備は整ったよう。「衣装を着ると『プリシラ』の世界にすっと入っていけます。衣装はひとつのスイッチになっていて、(劇中で)何度も着替えるんですけど、僕1人で22着衣装があるので着替えごとに自分の気持ちが変わっていくんです」。

AV監督も務めるペヤンヌマキの舞台 第7回ブス会*『エーデルワイス』

2019.02.21 Vol.715

 ブス会*はAV監督も務めるペヤンヌマキが舞台作品を上演するために立ち上げたユニット。劇団員を持たずに作品に合わせ、その都度メンバーを集めるというスタイルを取る。

 今回は「ミューズ募集」とうたったオーディションに鈴木砂羽が現れ、見事主演の座を射止めたという。

 今作は現代を生きる女性のためのおとぎ話。過去の自分を認め、和解するという普遍的なテーマを、過去と現在を交錯させながら描く。

 主人公はスランプに陥っている漫画家、森アキナ、43歳(鈴木砂羽)。 自身の代表作「たたかえ!いばら姫」以降、ヒット作を出せずに苦しんでいる。 長年の付き合いの担当編集者もあきれ顔だ。「たたかえ!いばら姫」は地方から上京した18歳の女性・ミユキがさまざまな価値観に翻弄されていく物語。自分が何者か見出せないままのミユキは男たちに「NO」を言えず、流され続けてしまう。30歳の誕生日にどん底に到達したミユキは、やっと「自分だけにできること」を見つけるが…。

 最近はドラマの脚本を手掛けたり、著作を発表したり、そして一昨年から昨年にかけてはペヤンヌマキと安藤玉恵の生誕40周年を記念した公演「男女逆転版・痴人の愛」を上演したりリーディングで地方も回ったりと活発な活動を見せていたことからついつい忘れがちだったのだが、実は2015年の11月以来の本公演となる。

この作品を再演する意図とは 虚構の劇団『ピルグリム2019』

2019.02.18 Vol.715

 鴻上尚史が1989年(平成元年)に劇団「第三舞台」で上演した『ピルグリム』を2019年版として虚構の劇団で上演する。

 初演後は2003年に新国立劇場でシリーズ「現代へ、日本の劇」のオープニング公演として上演されており、約16年ぶりの再演となる。

 物語は連載を打ち切られた作家が、現代とその作家が描く物語の中という空間軸を交錯させながら展開する。ピルグリムというのは「巡礼者」という意味で、小説の中の登場人物たちは理想の地を求めて巡礼を続ける。そして彼らを通じて「ユートピアは存在しないかもしれない」という現実が、悲劇的な視点で、喜劇的に描き出される。

 鴻上はその時代に起こっている出来事や風潮、進化する道具といったものを敏感に察知し、その一歩二歩先を行くシチュエーションを作り物語を展開する。再演にあたっても物語の骨子はそのままに、その時代の新しい概念を取り込み、物語も進化させてきた。

「平成最後の」というフレーズが跋扈するこの時期に、この作品を再演する意図とは? 2019年という時代を鴻上がどうとらえているのかも興味深い作品。

さまざまな局面での対立構造が描かれる TRASHMASTERS『オルタリティ』

2019.02.17 Vol.715

 差別、エネルギー、被災地といった現代社会で日々起こっている問題を題材とした骨太の作品を発表し続けているTRASHMASTERS。

 その作品は一方的に弱者の声に焦点をあて、問題をあぶりだすわけではなく、為政者側のやんごとなき事情もドラマの中で見せることによって、片方の意見を煽るようなエキセントリックな論調に終わらないようなものになっている。作品を作るにあたり、作・演出の中津留章仁は綿密な取材を重ね、資料を読み込み、自分なりの考え方を確立したうえでその問題にアプローチする。ゆえに物語の随所に中津留の考えと思われるものは顔を出すのだが、それは主義主張を押し付けるのではなく、物語を進めるうえでのスパイスとなり、決して平坦な物語には終わらせないものとなっている。また登場人物もさまざまな主義主張を持つ人物がグラデーションのように用意されており、物語が進む中で自分がこの問題についてどのような立ち位置にいるのか、といったことも映し出されることになる。そんなことも含め作品を見る者は現在の社会で起こっている問題について深く考えさせられる。

 今回は受動喫煙問題を題材とした個人の権利と社会の相反性、地方自治における本音と建て前、教育現場における教師の在り方、再生可能エネルギーという理想と現実といったさまざまな局面での対立構造が描かれる。そして登場人物たちは時に反転する善悪の基準とそれに伴う関係性の変化に翻弄される。

窪田正孝「蜷川さんが見てるんじゃ……」舞台『唐版 風の又三郎』8日幕開け

2019.02.07 Vol.Web Original

 窪田正孝と柚希礼音がダブル主演する舞台、Bunkamura 30周年記念 シアターコクーン・オンレパートリー2019『唐版 風の又三郎』の公開ゲネプロが7日、渋谷のBunkamuraシアターコクーンで行われた。

 公開ゲネプロの前には、窪田と柚希、北村有起哉、風間杜夫、そして演出も担当する劇団・新宿梁山泊主宰の金守珍が参加して、取材会が行われた。

 8日に初日を控え、窪田は「みんなで仲良くやらせてもらっていたのでお客さんの前でやるっていう実感がない」としながらも「ドキドキも大きくなってきている」。柚希は「明日初日かと思うと緊張しますが、エネルギーを持って、丁寧にやってみようと思う」と意気込んだ。

【下北沢で観劇始め!!】タカハ劇団『僕らの力で世界があと何回救えたか』

2019.02.01 Vol.714

 タカハ劇団は劇作家・演出家の高羽彩が主宰を務めるプロデュースユニット。その作品は「失ってしまったもの」「取り返しのつかないこと」といった題材を通して、そこで生きている人たちの小さな絶望やどんな状況であっても変わることのない、または変わることのできない人間の在り方を描いていく。

 今回の舞台は漁獲高の減少により漁業を捨てた港町にある高校の空き教室。この町は世界的研究施設を誘致することで「サイエンスのまち」として生まれ変わろうとしていた。空き教室では町おこしの目玉イベント「サイエンスまつり」を翌日に控え、高校時代にアマチュア無線部だった3人が集まり、その準備をしているのだが、どうにもぎこちない。それは彼らの仲間で無線部のエースだった「リョウタ」が高校時代に行方不明になっており、それが彼らの関係性に微妙な影を落としていたから。そしてリョウタの失踪をめぐってそれぞれの思惑が錯綜する中、不思議な出来事が起こるのだった。

 高羽曰く「タカハ劇団のエッセンスがギュッとつまった作品であると同時に、初顔合わせの俳優さんたちの力を借りて新しい一面もお見せできるのでは」とのこと。

 ラストがハッピーエンドなのかバッドエンドなのかは見る者の過去との距離感や執着といったものによって大きく左右されそうな作品。

【下北沢で観劇始め!!】J-WAVE30周年×ゴジゲン10周年企画公演『みみばしる』

2019.01.28 Vol.714

 本作はFMラジオ局のJ-WAVEが開局30周年プロジェクトとして、松居大悟率いる劇団ゴジゲンとコラボレートしたもの。松居がナビゲーターを務める同局の番組「JUMP OVER」(毎週日曜23:00-23:54OA)を “稽古場ラジオ”と題し、時にリスナーの声を創作に反映させながら舞台制作の過程を公開。出演者もリスナーから公募するなど、ラジオ番組発の舞台作品となっている。

 作・演出を務める松居はかねてから舞台とか映像という発信手段についてはこだわりがなく、「面白いことを好きな人とやりたい。一緒にやる人が大事」というスタンスを公言。今回の作品はいわば演劇と音楽、劇場とラジオの境界線を越えた作品なのだが、そんな松居だからこそできた試みと言えそうだ。

 30歳になった途端会社をクビになったOL妙子は自分は誰にも必要とされていないのではないかと思う日々の中、妹の影響でラジオを聴き始める。音楽と共に、リスナーから送られてくる愚痴や悲しみを全力で励ましてくれるラジオに妙子はのめり込み、メッセージを投稿するようになるのだが——。

 プレビュー公演以外のすべての公演でアフタートークが開催されるとのこと。特殊な成り立ちの作品だけに、こちらも興味深いものになりそう。

三代目山下の主演舞台『八王子ゾンビーズ』の映画化が決定「おさむさんを信じて頑張りたい」

2019.01.23 Vol.Web Original

 山下健二郎(三代目 J SOUL BROTHERS)が初主演し、好評を博した舞台『八王子ゾンビーズ』のDVD発売イベントが23日、都内で行われ、山下と、共演の小澤雄太(劇団EXILE)、演出を担当した鈴木おさむが登壇した。イベントでは、映画化が決定したことも発表。山下は「舞台だけで終わらせるのはもったいないと思っていたので、いろんな形で映像化して、他にも広がっていったら」と喜んだ。

さまざまなエンタメが楽しめる「Hibiya Festival 『The Stage』」

2018.04.24 Vol.705

 演劇、ダンス、舞踊、ミュージカル、そしてオペラまで、さまざまなエンターテインメントを気軽に楽しめる「Hibiya Festival」が26日にスタートする。メイン会場となるのは東京ミッドタウン日比谷。そのQホールでは「The Stage」として、国内を代表する気鋭のパフォーマーによる「出会いと融合」をテーマにした体験型展示とパフォーマンスが行われる。また「日比谷ステップ広場」ではさまざまなジャンルのショートステージが無料で見られる(4月27日〜5月6日)ほか、帝国ホテルや日比谷公園などでもさまざまな企画が行われる。
「Hibiya Festival」は26日〜5月20日。コア期間は27日〜5月6日。

■DAZZLE『ピノキオの嘘』
【日時】4月27日(金)、28日(土・祝)(開演は27日15時/19時、28日は13時/17時)
【料金】前売・当日5000円 

■累累ールイルイー 昼:『イーストサイド物語』夜:『おとしモノ』
【日時】4月29日(日)(開演は14時/19時)
【料金】一般前売3000円、学生前売(要学生証提示)2000円、子供(小学生まで)前売500円。累累昼夜セット券一般前売り5000円、同学生前売3000円。当日はそれぞれ500円増。未就学児童は保護者膝上は無料、一席座る場合は有料 

■オリエンタリズム『シュハリ』
【日時】4月30日(月・祝)(開演は13時/17時)
【料金】一般前売3500円、同当日3800円/小中高校生前売1300円、同当日1500円 ※要学生証提示 

■REVO side B『MIRAI no KIOKU ミライノキオク』
【日時】5月2日(水)、3日(木・祝)(開演は2日19時、3日13時/15時)
【料金】一般前売4000円、小中高校生前売2000円。当日はそれぞれ500円増。未就学児童は保護者膝上は無料、一席座る場合は有料 

■が〜まるちょば『That’s が〜まるちょばSHOW!+ ウエスタン』
【日時】5月4日(金・祝)(開演は13時/17時)
【料金】一般前売4000円、4歳〜中高校生前売2000円、シニア(60歳以上)前売3000円。当日はそれぞれ500円増。特別モヒカン割引(当日審査あり)もある。
【会場】東京ミッドタウン日比谷 Qホール
【URL】https://www.hibiya.tokyo-midtown.com/hibiya-festival/

【STAGE】日本のラジオ『カーテン』

2017.09.29 Vol.698

 今後の飛躍が期待される若手劇団を集めて贈る、三鷹市芸術文化センターの「MITAKA“Next”Selection」の第2弾。

 この「日本のラジオ」の作品は、古典や実際に起きた猟奇事件をモチーフとし、性的倒錯者やセクシュアルマイノリティーといった個性的なキャラクターを登場させ、物語よりも言葉と関係性を重視し描いているのが特徴。

 残酷な世界を描きながらも「観劇後にさわやかな気分になる」という感想も多いことから、劇団のキャッチコピーが「さわやかな惨劇」となっている。

 代表で作・演出を務める屋代秀樹の「舞台と客席を隔てるのが嫌」という考えから、普段はギャラリーでの上演が多かったのだが、「どうしても劇場でなければ成立しないアイデア」があったところに“Next”Selectionの話があり、そのアイデアを作品化したという。

【STAGE】KAAT×PARCOプロデュース『オーランドー』

2017.09.22 Vol.698

 本作は、20世紀モダニズム文学の重鎮で最も有名な女流作家のひとりであるヴァージニア・ウルフの代表作を、アメリカの劇作家サラ・ルールが翻案したもの。サリー・ポッター監督の映画「オルランド」(1992年)でも知られる人物オーランドーを、現代的に生き生きと描き、「愛とは」「人生とは」「運命とは」といった永遠のテーマを問いかける。

 オーランドーは16世紀のイングランドに生を受けた少年貴族。エリザベス女王をはじめ、あらゆる女性を虜にする美貌の持ち主だったのだが、初めて恋に落ちたロシアの美姫サーシャには手ひどくフラれてしまう。傷心のオーランドーはトルコに渡り、その地で30歳を迎えたのだが、彼は一夜にして艶やかな女性に変身してしまうのだった。

 オーランドーの数奇な運命を通じて“真の運命の相手には時代も国も性別も関係なく巡り合えるはず”というヴァージニア・ウルフの強いメッセージが描かれている。

 オーランドーを演じる多部未華子らわずか6人の俳優が、16世紀から20世紀という長い時間をまたぎながら20以上の役を演じる。

Copyrighted Image