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イケメンって、なにかね?『くさらないイケメン図鑑 現代ニッポン半世紀を彩った265人』

2019.07.12 Vol.720

 前著『産まないことは「逃げ」ですか?』で、妊娠・出産問題を赤裸々に綴り話題を呼んだ著者の最新刊。「週刊新潮」誌にて長年イラストも手掛けるテレビ評「TVふうーん録」を連載する著者の鋭い観察眼で、現代日本を代表するイケメン265人を分類・リスト化し、うち100人をイラスト入りで解説している。

 しかし、通常のイケメン図鑑の枠には到底収まらないところが著者の真骨頂。まず表紙からして、各イケメンのパーツを組み合わせたモンタージュイケメンである。美女の顔を集めて平均化したからといって絶世の美女になるわけではないのは割と知られた話だが、このイケメンらしき架空の人物をどう評価すればいいのか。本書への向き合い方を揺さぶられる。

 そしてイケメンジャンルも「すっぽこ系」という、およそイケメンを論じようとしているとは思えないカテゴリーからスタート。掟破りではあるが、巻末から読み進めるのが従来のイケメン図鑑ではないのか。

 目次を兼用したイケメンリストには、イラストで描ききれなかったイケメンたちをひと言で表現。名前しか分からないイケメンは想像するほかない。制作期間2年半を経て産み落とされた本書は、全力でイケメンとはなにかを問いかけてくる。寄藤文平氏が手掛けた一見の価値ありの装丁は、本書を開いてのお楽しみに。

サラリーマンは辛苦な稼業と来たもんだ『セミ』【著者】ショーン・タン

2019.07.11 Vol.Web Original



 セミ おはなし する。
 よい おはなし。
 かんたんな おはなし。
 ニンゲンにも
 わかる おはなし。(帯文より)

 どんよりした灰色の壁と床が囲む、まるで要塞のようなオフィス。そこら中に散らばった書類の間隙を縫うように、しわだらけのスーツ姿で一匹の「セミ」が立ち尽くしている。言い知れぬ不穏な気持ちを抑え読み進めると、どうやら彼はある会社で、勤続年数17年を数えるサラリーマンだという。どんなに理不尽な目に遭おうとも、不平不満を言わず真面目にコツコツと、ニンゲンの分まで仕事をこなす。時折「トゥクトゥクトゥク!」と声にならない声をあげながら……。

夏フェスシーズン本格スタート「S2O Japan Songkran Music Festival」

2019.07.11 Vol.720

 7月に入り、2019年の夏フェスシーズンが本格スタートだ。この3連休には都内はもちろん全国各地で同時多発的にフェスティバルが開催される。

 関東近郊でもさまざまな大型音楽イベントが開催されるが、そのなかで注目したいのが「S2O SONGKRAN MUSIC FESTIVAL (エス・ツー・オー・ソンクラーン・ミュージック・フェスティバル)」だ。タイの旧正月「ソンクラーン」に行われる水かけ祭りに由来するフェスで、2015年にタイのバンコクで初開催。2018年には日本に上陸した。

 フェスでは、ステージから巨大ホースで水が撒かれる。オーディエンスは、その水しぶきを浴びながらダンスミュージックを体感できる。それが、世界一ずぶ濡れになるとされる音楽フェスとされる理由だ。

 昨年は2日間で延べ2万人を動員するほどの人気で、今年は会場を千葉県立幕張海浜公園に移し、パワーアップして開催される。
 出演するのは、世界で活躍するトップDJ14組。

世界を震撼させた名作バレエ、マシュー・ボーンの『白鳥の湖~スワン・レイク~』

2019.07.11 Vol.720

 白鳥を男性がダイナミックに踊って世界を震撼させた名作バレエ、マシュー・ボーンの『白鳥の湖~スワン・レイク~』が再来日、11日から開幕する。

『白鳥の湖』といえば、クラシックの中のクラシック。バレエはほとんど知らない人てもバレエをイメージして浮かんでくるのは、この作品の一部であることが多いはずだ。マシュー・ボーンの『白鳥の湖~スワン・レイク~』は、その作品を、マシュー・ボーンが新たな解釈で表現したもの。オリジナルの優雅や繊細なイメージもありながら、それ以上にパワフル、エナジー、迫力、そして衝撃といった印象で迫ってくる。なかでも、スワンを演じる男性ダンサーたちの群舞にはあまりの迫力に身を引いてしまうほど。かつて本紙とのインタビューで、演出のマシュー・ボーンは「本物の白鳥を見ていると分かるよ、彼らは意外と獰猛なんだ」と話していたが、舞台上のスワンたちは彼が形容したまま。威嚇されると、本当に怖い。

 今回の来日公演は新演出版。本作は1995年の初演以来、手が加えられることがなかったが、約20年の時を経て、マシュー・ボーン自身が手を入れて、“アップデート”したのだという。新たな技術を取り入れて、ドラマが際立ち、スワンたちのどう猛さも増しているのだとか……。

 何度も来日公演が行われ、毎回足を運ぶリピーターも多い。この夏、最も見ておきたい作品のひとつ。

いつも、いのちが、そこにある「みんなのレオ・レオーニ展」

2019.07.10 Vol.720

 小学校の教科書に掲載された『スイミー』をはじめとする名作を手掛け、日本でも幅広い世代に愛され続ける絵本作家レオ・レオーニ(1910-1999)。イタリアやアメリカでグラフィック・デザイナーとして活躍した後『あおくんときいろちゃん』で、絵本作家としてデビュー。その後も、ねずみの『フレデリック』や、しゃくとりむしの『ひとあし ひとあし』など、小さな主人公たちが「自分とは何か」を模索し、学んでいく物語を、水彩、油彩、コラージュなどさまざまな技法を用いて描き、世界中でファンを生んだ。

 本展では、ヨーロッパとアメリカを移動し続けたレオーニの波乱の生涯を、作品と重ね合わせながら紹介。彼の、絵本作家やアート・ディレクターとしての仕事、絵画、彫刻など幅広い活動を紹介し、レオーニが子供の絵本に初めて抽象表現を取り入れるに至った道筋にも光を当てていく。『アレクサンダとぜんまいねずみ』や『コーネリアス』といった人気の絵本作品に加え、大人のファンも多い『平行植物』シリーズの油彩画なども展示される。さらに絵本『スイミー』の幻とされた原画(スロバキア国立美術館所蔵)も来日。絵本『スイミー』の絵とは少し違う計5点の原画をじっくり見る機会をお見逃しなく。

夏を盛り上げ、彩り、チルする音楽たち!【オススメCD 4選】

2019.07.09 Vol.720

「スペインのひみつ」ヤバイTシャツ屋さん

 この夏も日本各地で行われる夏フェスを盛り上げてくれること間違いなしのロックバンド、ヤバイTシャツ屋さんが放つ通算8枚目のシングル。シングルながら5曲を収録した本作には、すでにCMでもおなじみのリード曲「癒着☆NIGHT」を筆頭に、「NHKフレッシャーズキャンペーン2018」のイメージキャラクターに選ばれた際に書き下ろした「案外わるないNHK」、志摩スペイン村 25thアニバーサリー 夏のCMソングをヤバTアレンジでカバーした「きっとパルケエスパーニャ」などを収録している。岡崎体育リミックス「癒着☆NIGHT」も聞き逃せない!

[J-POP SINGLE]ユニバーサルシグマ 7月10日(水)発売 初回限定盤CD+DVD 1700円、通常盤1300円(ともに税抜)

【いまライブで聴くべきバンド】新宿「MARZ」編

2019.07.08 Vol.Web Original

 今日もまた、都内のライブハウスではたくさんのバンドやアーティストがライブを行っている……けれど、数も種類も多すぎて、誰を見に行ったらいいのか分からない!!! だったらプロに聞きましょう!

 今月伺ったのは、新宿のライブハウス「MARZ」。アイドルイベントやラッパーオンリーパーティーなども行っている新宿らしからぬライブハウスだ。サワヤカな店長に、サワヤカでおしゃれなバンドを紹介してもらった。

吉川晃司、三国志・曹操の墓の出土品と念願の対面!「現地では入り口までしか行けなかった」

2019.07.08 Vol.Web Original



 特別展「三国志」の内覧会が8日、同展の会場となる東京国立博物館 平成館にて行われ、音声ガイドのナビゲーターを務めた歌手の吉川晃司が登場。三国志の魅力を語った。

 三国志研究史上最大の発見で、海外初出品となる河南省の曹操高陵出土品をはじめ、中国から来日する最新の考古発掘成果を展示し、三国志の実像に迫る展覧会。

“三国志”通として紹介されると「いやいや」と謙遜しつつ、吉川は三国志に親しむようになったきっかけについて「自分が人生の最大の岐路に立ったと思ったことが30代前半ごろにあり、そのときに何か指南書のような、ヒントになるものを見つけたいと思いまして。ただ、それまで己を物差しに生きてきたようなタイプだったので、困ったからといって助けを乞えるあてもなく、史実や偉人からヒントを得ようと思ったのが最初でした」と振り返り「最初は日本の歴史をたどっていたのですが、大抵、肝心なところになると中国の故事や史書が出てくるので、ではそこから調べないと…と(三国志を)読み始めたら止まらなくなったんです」と明かした。

佐奈宏紀主演の舞台『銀牙 -流れ星 銀-』が開幕! 戦う犬たちの物語は「超絶熱い」

2019.07.07 Vol.Web Original

 舞台『銀牙 -流れ星 銀-』~絆編~が天王洲銀河劇場で上演中だ。

 原作は、高橋よしひろによる同名の人気漫画。宿敵である殺人熊に立ち向かうため、主人公の秋田犬の銀を筆頭に、勇敢な犬たちはより強い犬たちを求めて、ステージ上を駆け、戦い、友情や信頼を深める。そこには父と息子、犬同士の信頼と絆、犬と人との関係などが描かれ、胸を熱くする。
 
 6日、初日公演前に、通し舞台稽古が公開され、主要キャストが取材に対応。銀を演じる佐奈宏紀は、「入念な、ち密な、濃密な稽古をしてきました」としたうえで、「稽古でこんなに疲労したのは初めてってぐらい疲労しきっているのですが、ようやくお客さんに見せられることがすごくうれしい」と、コメントした。

【明日何を観る?】『Diner ダイナー』『ゴールデン・リバー』『いちごの唄』

2019.07.06 Vol.720

『Diner ダイナー』

そこは、命がゴミのように扱われる、殺し屋専用の食堂ダイナー〈食堂〉。店主は、元殺し屋で天才シェフのボンベロ。日給30万の怪しいアルバイトに手を出してその店に売られたオオバカナコ。次々と店にやってくる最狂の殺し屋たち。新たな殺し合いが今、始まる!

監督:蜷川実花 出演:藤原竜也、玉城ティナ他/1時間57分/ワーナー・ブラザース映画配給/公開中 diner-movie.jp

芸術は爆笑だ!?『永田町絵画館』【著者】福本ヒデ

2019.07.05 Vol.Web Original



 この度は「永田町絵画館」に、ご来場いただきありがとうございます。

 当館は、「日本の中心で起きている出来事」を描いた絵画を主に扱っております。(「ごあいさつ」より)

 ここは日本の政界を司る「永田町」の名を冠した絵画館。「おや、こんなとこにおかしいね。しかしとにかく何か絵画が見られるんだろう」と、『注文の多い料理店』のような台詞をつぶやきながら、絵画館の白い扉をうやうやしく開けてみる。すると、どこかで見たことのある有名作品がところ狭しと並んでいるではないか。いったいどうやってこんなにたくさんの作品を集めたのだろう。「文句の叫び」や「火に油を注ぐ女」……あれ?

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