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ぐうの音も出ない、名盤確実「ソルファ」ASIAN KUNG-FU GENERATION

2016.11.29 Vol.679

 バンド結成20周年を迎えてさらに精力的に活動を展開しているアジカンこと、ASIAN KUNG-FU GENERARION。最新作は自身の代表作であり名盤とも言われるセカンドアルバム『ソルファ』(2004)を新しいアプローチで再レコーディングした面白い作品。このアルバムには『サイレン』『ループ&ループ』『リライト』と、彼らにとって名刺代わりとも言える楽曲が収録されている。彼らの作品を愛する人たちが聞き比べて楽しむだけでなく、耳に入ってきた彼らの作品を聞く程度という人にもお勧めしたいアルバム。本作のリリースに合わせオリジナルがプライスオフで発売中。

[J-POP ALBUM]キューンミュージック 11月30日(水)発売 初回生産限定盤(CD+DVD)3700円 通常盤2913円(ともに税別)

ぐうの音も出ない、名盤確実「ヒアー」アリシア・キーズ

2016.11.29 Vol.679

『ノー・ワン』『イフ・アイ・エイント・ガット・ユー』など数々の名曲を世に送り出している米アーティスト、アリシア・キーズの最新作。テーマは原点回帰、故郷のニューヨークへのトリビュートでもあるという本作からは、これまでの優等生的なイメージから解き放たれた自由なアリシアを感じられる。アリシア自身が自分自身に正直になる、彼女のキャリアにおいても後にターニングポイントとされる作品になるだろう。アリシア、スウィズ・ビーツらからなる制作チームのイルミナリーズに加えて、ファレル・ウィリアムスら参加アーティストも豪華だ。

[URBAN ALBUM]ソニーミュージックジャパンインターナショナル 11月30日(水)発売 2200円(税別)

やはり彼らは只者ではなかった『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』

2016.11.29 Vol.679

 奥さんが現役藝大生という著者によるノンフィクション。きっかけは、書斎で巨大な木の塊から木彫りの陸亀を掘り出したり、体に半紙を張り、自分の型をとっていた妻を見たこと。そこにまったく別の世界に生きる人の気配を感じたという。さらにダメ押しとなったのが、台所に転がっていたツナ缶。ツナ缶だと思ったそれは実はガスマスクで、藝大の生協に売っているという。そこから藝大に興味を持ち、妻に案内してもらいながら、藝大という名の秘境に足を踏み入れたのだ。

 上野にある藝大は、駅を背にして左側が美術学部の“美校”、右側が音楽学部“音校”に別れている。その境界線に立った著者はまず、見た目の違いに気づき、数分も眺めていれば、歩いてくる学生が音校と美校のどちらに入っていくか、分かるようになったという。そこから、取材がスタート。ちなみに、大学受験最難関の1つと言われている東大理3の、平成27年度の志願倍率は4.8倍。対して藝大の最難関、絵画科の同年の倍率は、なんと17.9倍になるという。藝大全体でならしても7.5倍で、その昔は60倍を超えたことも。

 超狭き門の藝大だが、著者がインタビューした学生はことごとくユニーク。しかも特別おもしろそうな人だけをピックアップしたというわけではない。小さい頃から漆が好きで、工芸科漆芸専攻に入りながら、絡繰り人形の制作に没頭している人、口笛をきわめ口笛で藝大に入った男、刺青に興味を持ち、絵画科日本画専攻に学ぶ元ホストクラブ経営者など。藝大には、そういう人を受け入れる懐の深さと、自主性を重んじ、学生のやりたいようにやらせる校風があり、これもまた信じられないことばかり。著者は美校、音校、両方のさまざまな学科の藝大生に、入学から卒業後のビジョンまで丁寧にインタビュー。謎に包まれた秘境の秘密が少しは分かる!?

ぐうの音も出ない、名盤確実「リアル・ロイヤル・アルバートホール」ボブ・ディラン

2016.11.28 Vol.679

 ノーベル文学賞受賞、連絡取れず、授賞式は欠席!? と話題を提供し、既に知られた名前をさらに知らしめた、米シンガーソングライターのボブ・ディランの最新作品。今から約50年前、1966年のイギリスのロイヤル・アルバート・ホールでのライブパフォーマンスの音源を使った。『ミスター・タンブリン・マン』『女の如く』『ライク・ア・ローリング・ストーン』などを収録している。この頃のディランはアコースティックとエレクトリックの二つの構成でライブを行っていた時代。12月7日には最新ベスト盤『ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ボブ・ディラン』も発売。

[ROCK ALBUM]ソニーミュージックジャパンインターナショナル 発売中 3000円(税別)

ノイズ中村10周年フェス『おパーティ!』にスガダイローら豪華な出演者が集結

2016.11.27 Vol.679

 ジャズピアニストのスガダイローのマネジャーを務めるノイズ中村。今年でその名を名乗るようになって10周年ということで「ノイズ中村10周年フェス『おパーティ!』」(12月3?4日、SHIBAURA HOUSE)を開催する。

「この名前をいただいてからの10年でさまざまな方々と出会ったので、なにか記念してやっておきたいな、ということでこのイベントを企画しました。それに最近はスガダイローのマネジャーとしての僕しか知らない人も多いのですが、CDやグッズを扱うレーベルや荻窪ベルベットサンというライブハウス運営などいろいろなことをやっていて、ここで一発、別の顔も見せておいていいのかなと思いました」

 会場はSHIBAURA HOUSE。外から中が見えちゃう超おしゃれなガラス張り。

「今回出てくださる方々は基本的にアンダーグラウンドな方々だから、外から丸見えなところは似つかわしくないのかもしれないですけど、あえて地下から引き揚げて、興味がない人にも見えちゃう場所で見せるということに僕がやる意味があるかな、と思いました」

 出演者がものすごい数。

「1階でライブ、2階でパフォーマンス、5階でDJ。中2階ではリフレクソロジーとタロット占い(12/3限定)。フロアごとに同時進行していますので、どこの時間帯に来ても楽しめると思うし“知らないから見ない”ではなく“知らないからこそ見て”ほしいですね。スガダイローを見に来たついでに、別のフロアでパフォーマンスを見るとかいいですね」

 そして「入場自由」で「ご祝儀大歓迎!」というシステム。

「そこは本当にお客さんにお任せ。どうなるのか分からない。結構ヒヤヒヤなんですが、多分みなさんそのへんは察していただけるものと期待しております(笑)」

 出演者の詳細とタイムテーブルは公式サイトで要確認。

 ちなみにこの名前を名乗るきっかけは?

「10年前に都内の公園でサックスを吹いていたら、謎の女性に“お前はピッチが合っていないからジャズを勉強しろ”と言われて、そのままなぜか菅平のジャズフェスに連れていかれたんです。そこでスガに会いまして、“変な奴だ”ってことでその日のスガダイローオーケストラのライブでサックスを吹くことになりました。“最後に1分間ソロの時間をやるから死ぬまで吹け”と言われたんですが、ホントに酸欠でぶっ倒れちゃって(笑)。その時にノイズ中村という名前をいただき、サックス始めて3ヶ月でプロデビューさせてもらったんです。それで気に入ってもらったのか、それ以降スガのツアーマネージャーなんかをやるようになったんです。ホント、人の縁って分からないものですよね」

 縁とかいうレベルは遥かに越えてますけどね…。

 

ぐうの音も出ない、名盤確実「THE BADDEST〜Collaboration〜」久保田利伸

2016.11.27 Vol.679

 今年デビュー30周年のアニバーサリーイヤーを迎えた久保田利伸が他アーティストとのコラボレーション作品をまとめた。国内外に拠点を置いて活動してきただけに、タッグを組んだアーティストはもちろん、作品もインターナショナル。日本語歌詞編、英語歌詞編にディスクが分かれていて、それぞれに珠玉の楽曲が収録されている。日本語歌詞編にはKREVAとの『M☆A☆G☆I☆C』、ナオミ・キャンベルとの『LA・LA・LA LOVE SONG』、『Soul 2 Soul feat.AI』など16曲。英語歌詞編もアンジー・ストーンとの『HOLD ME DOWN』など聴きごたえたっぷりの14曲。

[J-POP ALBUM]SMEレコーズ 発売中 初回限定盤(2CD+特典DVD)4200円 通常盤3600円(ともに税込)

聞いとかないと“ヤバイ”!「These Systems Are Failing」MOBY & THE VOID PACIFIC CHOIR

2016.11.16 Vol.678

 米アーティストのモービーがこれまでにない側面でファンを驚かせる。前作から約3年ぶりとなる新作、新しいプロジェクトの最初の作品となる本作はロックでパンク、エネルギッシュ。溜まった何かを叩きつけるような印象の作品だ。メランコリックでロマンチックなサウンドのイメージとは違う。自身の存在を広く知らしめることとなった『GO』を筆頭にクラブフロアの住人としての側面がフィーチャーされがちだが、本作は彼にとって音楽と触れ合った原点へ回帰した作品なのかも。初期衝動とはきっとこのこと。

聞いとかないと“ヤバイ”!「guidebook」lyrical school

2016.11.15 Vol.678

 ガールズラップのパイオニアグループ、リリスクことリリカルスクールがメジャーデビュー作となる初めてのフルアルバムを完成させた。結成は2010年とそこそこのキャリアを持つ彼女たち。その存在に注目が集まったのはスマホで動画を視聴する習慣をミュージックビデオに取り入れて制作した『RUN and RUN』のタテに展開するビデオだ。日本どころか世界にその存在を知らしめた彼女たちが満を持して放つアルバムだけに、大江千里、韻シスト、GAKU?MC、かせきさいだぁ、サイプレス上野ら一癖も二癖もある豪華なアーティストが集結している。

迷惑、顰蹙、無理難題。人生、困ってからがおもしろい。『ヴァラエティ』奥田英朗

2016.11.15 Vol.678

 奥田英朗の新刊短編集。と言っても、作品自体はずいぶん以前に書いたもので、単行本初収録のものを集めた蔵出し短編集だ。脱サラで会社を興し奮闘する男の姿を描いた「おれは社長だ!」と「毎度おおきに」は連作の短編。奥田には珍しいショートショート、イッセー尾形、山田太一との対談が2本、ほか短編4本という、まさにバラエティーに富んだ、奥田ファン待望の一冊。形式も書いた年代も、扱うテーマも全く違う作品は、奥田らしいユーモアあふれたものや、読んでいると胸が締め付けられるような切ないものまで多彩。渋滞中の車に、妻が知らない人を乗せ、その人たちが夫をいらだたせ、最後にはとんでもないことに巻き込んでいく「ドライブ・イン・サマー」。オウム真理教の手配犯が逮捕されたニュースを見て、それをヒントに、温泉街のレストランに住み込みで働く謎の女を主人公にした「住み込み可」。高校生の娘が、クリスマスに友達の家に泊るという“嘘”を見抜いてしまい悩む母親の姿にハラハラする「セブンティーン」。そして著者が7歳の時に伯母さんが死んだ実話をモチーフにした、少年と少女の物語「夏のアルバム」。まったく雰囲気の違う物語が読める贅沢な本だが、まとまりがないわけではない。そこにはユーモアや、人間の滑稽さ、膝を打つようなリアリティーのある描写など、そこかしこに奥田節のようなものが見え隠れし、おもちゃ箱のような楽しい構成でありながら、1冊の本として完結している。また、作品の間に収録されたイッセー尾形と山田太一との貴重な対談では、奥田がうまく2人の本音を引き出しつつ、奥田作品の原点が見える。本人曰く、“まとまらなかった短編集”をまとめて楽しめる一冊。

聞いとかないと“ヤバイ”!「The Party’s Over EP」Prophets of Rage

2016.11.14 Vol.678

 噂のスーパーグループの音源がついに到着だ。プロフェッツ・オブ・レイジは、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、パブリック・エナミー、そしてサイプレスヒルのメンバーが結成したグループ。「危険な時期には危険な音楽が必要とされる。今、我々はパワーを取り戻す時なんだ!」と混沌とした社会に対して拳を振り上げた。タイトルトラックのほか、パブリック・エナミーの名曲『Prophets of Rage』のバンドバージョン、ライブで披露したビースティー・ボーイズ『No Sleep Till Brooklyn』のライブ仕様のカバーなどを収録している。

音楽、格闘技、お笑いのライブ「SKULLSHIT 20th ANNIVERSARY 骸骨祭り」

2016.11.13 Vol.678

「SKULLSHIT 20th ANNIVERSARY 骸骨祭り」が幕張メッセで開催される。骸骨祭りとはSKULLSHITが毎年行っていたレギュラーイベントSKULLMANIAの集大成であり、5年に一度開催される音楽+お笑い+格闘技=骸骨祭りというやりたい事を追求したビッグイベント。

 出演者等詳細はオフィシャルサイト( http://gaikotsumatsuri.com/ )で。チケットの一般発売は、11月3日(木・祝)から始まっている。

 

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