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車いすテニスプレイヤーであり、大工だった私が見つめる、東京のバリアフリー【二條実穂】

2020.09.20 Vol.733

元車いすテニスプレイヤー 二條実穂
TOKYO 2020 COUNTDOWN

「バリアフリー先進国」と呼ばれる日本。とりわけ東京は東京五輪パラリンピックの開催に向けて「スマート東京」を推進し、駅や建物のバリアフリーのほか、デジタル技術を使った移動支援にも積極的だ。施設やサービスが充実し、街が変わりゆく中で、人々の意識はどうだろうか。車いすテニスプレイヤーとして2016年のリオパラリンピックに出場し、現在は東京都パラ応援大使を務める二條実穂さんが、アスリートとして、いち車いすユーザーとして語った。

全米オープンのコロナ対策は“バブル方式”。国枝「集中して試合に臨めた」

2020.09.18 Vol.Web original

 テニスの全米オープン車いすの部で5年ぶり通算7度目の優勝を果たした国枝慎吾が18日、東京2020組織委員会と全米オープンへの参加経験の共有と意見交換の場に出席。コロナ禍での大会運営にアスリート目線で思いを語った。

同日程・同会場で開催された唯一のグランドスラム

 全米オープンは、全豪、全仏、ウィンブルドンと並ぶ、テニスの4大大会「グランドスラム」のひとつで、毎年8月の最終月曜日に開幕する。今年は新型コロナウイルスの感染拡大でウィンブルドンは中止、全仏オープンは9月下旬へ延期となるなど大会の開催に影響が及ぶなか、全米オープンは予定通り8月31日から無観客で開幕。ダブルスのペアや部門数を減らすことにより規模を縮小して開催された。

 「世界各地から一カ所に選手が集まるという意味において、全米オープンが五輪パラリンピックのヒントになるのではないか」と今回の場への参加経緯を説明した国枝。「私自身、大会が決まった6月の段階では、行くのは怖いなという思いでした。でも大会側とオンラインミーティングを重ねていく中で、出場したいと思えるようになった。対策をしっかりすれば選手側は安心して大会に臨める。このプロセスがこれからのヒントになるのではないか」と語った。

車いすバスケ、日本選手1名がパラ出場資格満たさず。キャプテン藤井「言葉が見つかりません」

2020.09.15 Vol.Web original

 日本車いすバスケットボール連盟(JWBF)は15日、報道関係者向けにリモート説明会を開き、同競技が東京パラリンピックから除外される可能性がある問題や、その要因となったクラス分けの結果について、現在の状況を報告。対象選手のうち女子選手1名がパラリンピックへの出場資格の要件を満たさなかったことを明らかにした。

車いすバスケのパラリンピック除外問題の経緯

 車いすバスケットボールのクラス分けを巡っては、今年1月、国際パラリンピック委員会(IPC)が国際車いすバスケットボール連盟(IWBF)のクラス分けがIPCの定める基準を順守していないとして、同競技を東京パラリンピックの実施競技から除外する可能性があると発表。IPCは障害の軽い4.0と4.5のクラスについて、IWBFの定める基準を問題視しており、5月29日までに東京パラリンピックに出場する可能性のある同クラスのすべての選手を再評価するよう求めた。

 発表を受け、IWBFのメーレンス会長は「あらゆる手段を講じる」と談話を発表し、基準に適応する考えを表明。今年2月にはJWBFが対象となった選手14名の医学的な書類や検査結果をIWBFに提出し、先月18日、対象選手14名すべての結果を受け取った。その結果、13名が出場資格を満たし、女子選手1名が出場資格を満たさないと判定を受けたことがわかった。

 出場資格を満たさない理由としてJWBFは、これまでのIWBFのクラス分け規程では選手として参加資格が認められているものの、該当の選手がIPCクラス分け規程および国際基準に定められている10種類の出場要件を満たす障がいのうち、車いすバスケットボールで採用されている7種類の障がいには該当しないと判定されたためと説明。結果について選手と協議した結果、今回の判定を受け入れることにしたと発表した。また、具体的な内容は選手の個人情報となるため公表は差し控えるとした。

ブラサカ日本代表は「見える化」で強くなる。高田監督が合宿報告

2020.09.04 Vol.Web original

 日本ブラインドサッカー協会は3日、男子日本代表の高田監督によるオンライン活動説明会を行い、代表合宿の様子やパラリンピックに向けた思いを語った。

 6月から本格的な活動を再開したブラインドサッカー男子日本代表。8月8~15日には葛飾奥戸総合スポーツセンターでパラリンピック本番を想定したシミュレーション合宿が行われ、選手のコンディションのほか、ホテルから会場移動の導線、ウォーミングアップなどのルーティン、暑熱対策などを確認した。

コンディションの「見える化」

 日本代表チームがかねてより重視しているのが、数値による「見える化」。今回の合宿では、昨年の国際大会の初戦時と比べた選手たちの走行距離や心拍数などを数値化してコンディションの回復状況を確認。現在、走行距離は95〜103%まで回復しているとし「これまでやってきた強度を上げながらのトレーニングが上手くいった。誰も怪我がなくこの数字が出ているのは良かった」と振り返った。

 暑熱対策としては、ゲーム前からゲーム中、ゲーム後に至るまで、オンオフを含めた水分摂取や食事のコントロールを行ったほか、熱中症への予防策として尿比重の検査を行い、体調の変化やその兆候が分かるように可視化した。

 また、パラリンピック期間中はホテルでの滞在時間が長くなることが想定される中、メンタル面では、準決勝が終わった後を想定し、オンオフの切替を実施。家族とのオンライン会話やヨガを取り入れることでプレッシャーから心を休める時間の作り方を工夫したという。

五輪聖火が一般公開へ。日本オリンピックミュージアムで9月1日から

2020.08.31 Vol.Web original

 ギリシャから日本へ持ち帰った東京2020オリンピック聖火が、9月1日から東京・神宮外苑の日本オリンピックミュージアムで一般公開される。展示に先駆けて31 日、関係者らによるセレモニーが開かれた。

 今年3月にギリシャから日本へ運ばれたオリンピック聖火。東京2020大会の延期に伴って聖火リレーも延期となったため、出発地の福島県「Jヴィレッジ」などで展示・公開された後は、大会の組織委員会の管理で都内にて保管されてきた。

 セレモニーに出席した日本オリンピック委員会の山下泰裕会長は「スポーツ関係者が待望していました聖火が到着しました。コロナ禍で選手たちは不安を抱えながらトレーニングに励んでいる中、この聖火が心の支えになると確信している。当館では感染症対策に万全を喫して、より多くの方にご来館いただきたいと思う」と語った。

 また橋本聖子五輪パラリンピック担当大臣は「この聖火が再び多くの皆様にご覧いただけることを大臣として、オリンピアンとして嬉しく思う。世界がコロナに勝った証となる東京大会のレガシーを発信していきたい」とした。

 オリンピック聖火の展示は、日本オリンピックミュージアムで9月1日から11月1日まで。新型コロナウイルス感染症対策のため、入館には日時指定の事前予約が必要となる。

障害超えた現代アート国際展、ヨコハマ・パラトリエンナーレが開幕!

2020.08.25 Vol.Web original

 3年に一度開催される“障害者”と“多様な分野のプロフェッショナル”による現代アート国際展「ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020」が24日、プレオープンを迎えた。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、今回はオンラインとリアルが融合した全く新しい形で同プロジェクトをスタート。コロナ時代の新たなイベント像を世界に発信する。

 横浜市の東京2020参画プログラム「文化オリンピアード」として、障害のある・なしに関わらず文化芸術活動に参加したい誰もが出会い、共に創るアートプロジェクトとして誕生したヨコハマ・パラトリエンナーレ。2014年の「はじめてに出会える場所」、2017年の「とけあうところ」に続き、今回は「our curioCity ‒好奇心、解き放つ街へ」をテーマに4つのプログラムを展開する。

誰もが「走れる」社会へ。 義足エンジニアの新たな挑戦 遠藤謙【TOKYO 2020 COUNTDOWN】

2020.08.24 Vol.732

 2016年リオパラリンピックで陸上100mアジア・日本新記録へと導いた義足エンジニアの遠藤謙さん。近年、障害者アスリートの競技力の向上や、板バネなどの技術革新により、障害者陸上のレベルは格段に上がった。一方で、ものづくりの現場で見えてきたのは、いまだ高い義足ユーザーの「走る」ことへの障壁だ。「人は何のために走るのか」。パラリンピックが1年延期されたいま、原点に立ち返って見つめる景色を遠藤さんが語った。

パラ水泳、パラリンピック1年前に決意表明。「いつ開催されても10日間闘い抜ける」

2020.08.22 Vol.Web original

 東京パラリンピック開催まであと1年の節目を迎える中、22日、パラ水泳の競技連盟である一般社団法人日本身体障がい者水泳連盟と同日本知的障害者水泳連盟がリモート記者会見を行い、選手たちが東京大会に向けて意気込みを語った。

 この夏から代表合宿などを再開したパラ水泳。日本代表監督の上垣匠氏はまず、「我々としては、いつ開催されてもパラリンピックを10日間闘い抜ける準備を着々と進めているところ。選手たちも各自のパフォーマンスを発揮してくれると信じている」と期待を込めた。

 練習拠点のアメリカから帰国し、現在は日本で練習を積むリオ大会銀メダリストの木村敬一は「今はアメリカのコーチからトレーニングメニューを貰って日本で練習しています。日本でしかできないことも沢山ある。施設やサポート体制は日本の方が進んでいるし、その環境を生かしていければ」と前向きな姿勢を示した。

東京オリンピック・パラリンピックの競技日程が決定

2020.08.03 Vol.Web original

 東京2020組織委員会は3日、2021年に延期となった東京2020パラリンピック競技大会の新たな競技スケジュールを発表した。これでオリンピック・パラリンピック両大会の競技日程が明らかになった。

オリンピックは7月23日から8月8日まで

 オリンピックの開催は、2021年7月23日から8月8日までの17日間。史上最多33競技339種目が、42の競技会場で行われる。

 開会式2日前の7月21日に福島あづま球場のソフトボールの試合で幕開けし、サッカーの予選もこの日スタート。開会式翌日の7月24日には、射撃女子10mエアライフル個人で最初のメダリストが決まる。

 大会中盤の週末にはメダルセッションが目白押し。7月31日の「スーパーサタデー」には21種目でメダリストが決定するほか、8月1日の「ゴールデンサンデー」は、陸上競技男子100m決勝、体操男女種目別決勝4種目、テニス男子シングルス決勝、フェンシングは最終日で男子フルーレ団体決勝、競泳も最終日で5種目の決勝が行われるなど、大会の興奮が凝縮された2日間を迎える。

パラリンピックは、8月24日から9月5日まで

 パラリンピックは、2021年8月24日から9月5日までの13日間で、全22競技539種目が21の競技会場で行われる。暑熱対策として、マラソンは開始時間を午前7時から午前6時30分へ、トライアスロンは午前8時から午前6時30分へと前倒したほか、馬術は競技日数を4日間から5日間へ増加することにより、暑さのピークを回避するという。

 夏を締めくくる8月最後の週末には、8月29日を「ゴールデンサンデー」と位置づけ、期間中最多となる63種目のメダルイベントが行われる。陸上競技20種目、トライアスロン4種目、ボート4種目、水泳13種目、柔道5種目などの決勝種目でメダリストが決まるほか、日本代表の金メダルへの期待が集まる車いすラグビーの決勝戦もこの日行われる。

 競技スケジュールは、アスリートファースト、国際競技連盟(IF)規則および規定を満たすこと、世界の視聴者の視点、人気競技のバランス、ジェンダーバランス、円滑なオペレーションの6つの基準を考慮し、策定される。今年4月のIOCやIPCとの協議では、全体として、同一日程を維持したスケジュールで進めることで合意した。

五輪開催まであと1年。池江の涙に見る「アスリートの声」

2020.07.24 Vol.Web original

 7月23日で、来年の東京オリンピックまで1年となった。競泳の池江璃花子は23日、オリンピック開会式の開始時刻20時に合わせ、オリンピックスタジアムから世界に向けてメッセージを発信。「一年後の今日、この場所で希望の炎が、輝いていて欲しいと思います」と語り、大役を終えた後は、涙を拭うような姿を見せた。

コロナ禍での1年前

 新型コロナウイルス感染の終息が見えない中、1年後に向け課題は山積している。この日行われた1年前イベントは無観客で行われ、報道陣には検温、手指消毒のほか、靴裏や所持品の消毒、問診などを行う厳戒態勢。東京2020組織委員会の小林麻紀広報局長は、「当面の課題はコロナ対策です。どうすれば安全な大会を築いていけるのか、今も色々な論点をしています」と語り、感染状況下での開催となる難しさを口にした。

車いすラグビー選手 中町俊耶×小川仁士「僕らが前を向く理由」コロナ禍でパラアスリートが気づいたこと

2020.07.24 Vol.731

 東京オリンピック・パラリンピックの1年延期が決定し、早4カ月。本来なら史上最大のスポーツの祭典を迎えるはずだったアスリートたちは、今何を思うのか。引退や活動再開などさまざまな決断をする選手もいる中、現在の心境について、車いすラグビー選手の中町俊耶、小川仁士が語った。

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