現在のベルギーとその周辺地域では、中世末期からの写実主義の伝統の上に、空想でしかありえない事物を視覚化した絵画が発展。そんな古今東西の“奇想”の絵画を紹介する展覧会。ボス派やブリューゲルなど15〜16世紀のフランドル絵画にはじまり、象徴派のクノップフ、アンソール、シュルレアリストのマグリット、デルヴォー、そして現代のヤン・ファーブルまで、総勢30名の作家による、およそ500年にわたる“奇想の系譜”を、約120点の国内外のコレクションでたどる。
会場では、奇想のルーツとして奇才ヒエロニムス・ボスとその影響に着目しながら、第二のボスと呼ばれたブリューゲル(父)やバロック美術の代表的画家・ルーベンスなど巨匠たちの作品を紹介。さらに近代化が押し寄せる19世紀末に登場したアンソールやロップス、マグリットら20世紀のシュルレアリストたち、そして15〜16世紀の宗教画などからイメージを抽出する現代作家ヤン・ファーブルらの作品を紹介する。