虫歯を放置するとどうなる？放置リスクを徹底解説

激しい痛みが発生する

虫歯が進行すると、歯の表面に刺激が加わるだけで痛みが生じる可能性があります。虫歯菌が神経まで到達すると、何もしていなくても激しい痛みを感じるようになります。冷たいものや熱いものを食べたり飲んだりするだけでも痛みを感じるようになり、日常生活に支障をきたします。

食べ物を噛めなくなる

虫歯が歯の内部まで進行すると、歯が折れたり崩れたりして食べ物を噛めなくなります。場合によっては、詰め物や被せ物、抜歯などの処置が必要になることもあります。歯の機能が低下することで、しっかりと食事を咀嚼することが困難になり、栄養摂取にも影響を与えます。

口臭が悪化する

虫歯が進行すると、歯に穴が空いて食べかすがたまったり、歯の神経が腐敗したりして悪臭が発生する可能性があります。また、歯根に膿が溜まり、臭いの原因となることもあります。虫歯による口臭は、一般的な口臭とは異なる強い悪臭となる場合があります。

治療が複雑化する

虫歯が進行して症状が深刻になると、歯を大幅に削ったり、神経を抜いたりする必要があります。場合によっては大切な歯を抜かざるを得なくなり、治療期間も長期化します。初期段階で治療を受けていれば簡単な処置で済んだものが、放置することで治療回数や費用が大幅に増加することになります。

副鼻腔炎の発症リスク

副鼻腔炎とは、虫歯菌が副鼻腔の粘膜に感染することで炎症を起こし、咳や頭痛などの症状が起こる疾患です。上顎の奥歯付近が虫歯になった場合、近い位置にある副鼻腔にまで虫歯菌が侵入し、炎症を引き起こすリスクがあります。

骨髄炎の発症リスク

骨髄炎とは、骨に炎症が起きている状態であり、嘔吐や発熱などを引き起こす疾患です。歯根に存在する虫歯菌が、顎まで侵入することで顎の骨に炎症を引き起こします。治療するためには、長期的に入院しながら抗生物質の点滴が必要になる場合もあります。

心血管系への影響

虫歯菌が血液に侵入することで、血管を経由して心臓に行き渡り、心疾患のリスクを高める可能性があります。同様に、虫歯菌が脳に影響を与えることで、脳血管疾患のリスクも高まります。これらの疾患は生命に関わる重篤な状態です。

菌血症から敗血症へ

虫歯菌が血液中に侵入した状態を菌血症と呼び、免疫力が低下している場合には敗血症に発展する危険性があります。敗血症は細菌感染症が体全体に波及した重篤な状態であり、適切な治療を受けなければ生命に関わる危険があります。

初期段階（C0～C1）

初期段階では痛みはほとんどありません。歯の表面が白く濁って見えたり、軽い変色が見られる程度です。この段階であれば、適切な歯磨きや定期的な歯科検診により、虫歯の進行を抑制できます。

中期段階（C2）

冷たいものや甘いものがしみるようになります。虫歯が象牙質まで達している状態で、明確な自覚症状が現れ始めます。この段階では削って詰める治療が必要となり、治療回数も増加します。

重度段階（C3～C4）

神経まで虫歯が達すると、激しい痛みが続きます。最終段階では歯の大部分が失われ、根だけが残った状態になります。この段階では根管治療や抜歯が必要となり、治療期間も長期化します。

早期発見・早期治療の重要性

虫歯は初期段階で治療することで、削る範囲も最小限に抑えられ、治療時間も短くなります。痛みを感じる前に治療を受けることで、患者様への負担を大幅に軽減できます。

定期検診の意義

3ヶ月から6ヶ月に1回の定期検診を受けることで、初期段階の虫歯を発見できます。専門的な検査により、自覚症状がない段階での虫歯発見が可能となります。

症状が現れた場合の対応

以下のような症状が現れた場合は、速やかに歯科医院を受診することが重要です。

• 冷たいものや熱いものがしみる
• 歯に痛みを感じる
• 歯の色が変わった
• 歯に穴が空いている
• 食べ物が歯に挟まりやすくなった

適切な歯磨き

食後の歯磨きを習慣化し、正しいブラッシング方法を身につけることが基本です。歯と歯茎の境目を丁寧に磨き、フロスや歯間ブラシを併用することで、より効果的な清掃が可能になります。

食生活の見直し

砂糖の摂取量を控え、だらだら食いを避けることで、虫歯のリスクを軽減できます。よく噛んで食べることで唾液の分泌を促進し、口内の自浄作用を高めます。

フッ素の活用

フッ素配合の歯磨き粉を使用することで、歯質を強化し、虫歯予防効果が期待できます。歯科医院でのフッ素塗布も、効果的な予防方法の一つです。