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「訪問看護 頻度」

「訪問看護 頻度」

訪問看護は、利用者の健康状態や生活環境、そして適用される保険制度によって、最適な訪問頻度が決まります。本記事では、医療保険と介護保険における訪問看護の頻度の違いや、適切な頻度の決め方について詳しく解説します。

Index目次

訪問看護の頻度の基本的な考え方

訪問看護の頻度は、利用者の病状、身体の状態、生活環境、そして利用する保険制度によって決定されます。訪問看護の頻度を決める際は、以下の要因を総合的に考慮します。

  • 利用者の健康状態と病状の安定性
  • 医療処置の必要度
  • 日常生活動作(ADL)の自立度
  • 家族の介護力
  • 適用される保険制度の規定

医療保険における訪問看護の頻度

医療保険を利用した訪問看護では、基本的に週3回までという制限があります。1回の訪問時間は30分から90分程度が標準となっています。

基本的な利用回数

医療保険による訪問看護の基本的な利用回数は、1日1回、週3回が上限です。この制限は、急性期や比較的安定した病状の方を対象とした基本的なルールです。

週4回以上の訪問が可能な場合

特定の条件を満たす場合には、週4回以上の訪問が認められています。以下の条件に該当する場合は、頻度制限が緩和されます。

  • 厚生労働大臣が定める疾病等(別表第7)に該当する場合
  • 特別管理加算の対象者(別表第8)に該当する場合
  • 特別訪問看護指示書が交付された場合

別表第7に該当する疾病等

以下の疾病等に該当する場合は、週4回以上の訪問が可能です。

  • 末期の悪性腫瘍
  • 多発性硬化症
  • 重症筋無力症
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • パーキンソン病関連疾患
  • 人工呼吸器を使用している状態
  • その他、指定された19の疾病と1つの状態

別表第8に該当する状態

以下の状態にある方は、週4回以上の訪問が可能です。

  • 在宅悪性腫瘍患者指導管理を受けている状態
  • 気管カニューレを使用している状態
  • 真皮を越える褥瘡の状態
  • 在宅酸素療法指導管理を受けている状態
  • その他、指定された医療管理が必要な状態

介護保険における訪問看護の頻度

介護保険を利用した訪問看護では、利用回数に制限はありません。ただし、要介護度に応じて支給限度額が設定されており、この限度額を超えた場合は自己負担となります。

回数制限がない理由

介護保険による訪問看護では、利用者の状態や必要な支援に応じて、柔軟に訪問回数を調整することができます。1回の訪問時間は20分から90分まで選択可能で、必要に応じて最低月1回から週6回まで対応が可能です。

支給限度額による調整

介護保険では要介護度別に支給限度額が設定されているため、実際の利用回数は支給限度額を考慮して決定されます。他の介護サービスとの兼ね合いも考慮しながら、ケアマネジャーがケアプランを作成します。

適切な頻度の決め方

訪問看護の適切な頻度は、利用者の状態や必要な支援内容によって決定されます。以下に、症状や支援内容別の推奨頻度を示します。

症状・支援内容別の推奨頻度

  • 健康管理支援:月1回~隔週
  • 内服管理:週1回から
  • 褥瘡ケア:週1回から
  • 認知症初期:月1~2回
  • 認知症中期:週1回
  • 認知症後期:週1~2回

初期集中支援の重要性

最近の研究では、訪問看護導入初期の頻回な訪問が、在宅療養の継続を支える重要な要因となることが示されています。訪問看護開始2週間の訪問回数が1回増えるごとに、入院・施設入所のリスクが7%減少することが明らかになっています。

出典:ななーる訪問看護デベロップメントセンター「訪問看護記録を用いた後方視的調査による訪問看護開始2週間の訪問回数と入院・施設入所の発生の関連の検証」

終末期における頻度の変化

終末期の訪問看護における研究では、がん患者の場合は臨死期から訪問頻度が高くなり、がん以外の疾患では悪化期から訪問頻度が高くなることが報告されています。

まとめ

訪問看護の頻度は、利用者の健康状態と利用する保険制度によって決まります。医療保険では週3回まで、介護保険では制限なし(支給限度額内)となっています。

適切な頻度の設定には、利用者の状態を総合的に評価し、関係者間で十分な連携を図ることが重要です。また、初期の集中的な訪問が在宅療養の継続に効果的であることが研究で示されており、個々の利用者に応じた柔軟な対応が求められています。

訪問看護を利用される際は、まず主治医やケアマネジャー、訪問看護ステーションに相談し、ご自身の状態に最適な頻度を決定することを検討されることが重要です。

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