虫歯とはどんな病気?
虫歯は、ミュータンス菌などの細菌が糖分を分解して作る「酸」によって、歯の表面(エナメル質)が溶けていく病気です。初期の段階では痛みを感じにくいため、気づかないまま進行してしまうこともあります。
虫歯を放置するとどうなる?進行段階ごとの症状
初期虫歯(C0〜C1)
この段階では、歯の表面に白い斑点ができる程度で痛みはありません。適切なケアを行えば再石灰化によって元に戻ることもあります。
中等度の虫歯(C2)
虫歯が象牙質に進行すると、冷たいものがしみたり、痛みを感じ始めます。放置すると急速に進行します。
重度の虫歯(C3〜C4)
神経(歯髄)まで虫歯が達すると、強い痛みや炎症、膿が発生します。やがて神経が壊死し、歯根や顎の骨に感染が広がる可能性もあります。
放置によって起こり得る合併症と全身への影響
- 歯根膿瘍:膿がたまって顔が腫れることも。放置すれば顎の骨へ感染が進み、重篤な「顎骨骨髄炎」に発展することがあります。
- 副鼻腔炎:上の奥歯の虫歯が進行すると、隣接する副鼻腔にまで細菌が侵入し、頬や額に重い痛みを引き起こすことも。
- 心臓や脳への影響:虫歯菌が血流に入り込むと、心内膜炎や動脈硬化、脳梗塞のリスクが上がるという研究報告もあります。
虫歯を放置すると生活にどんな影響がある?
- 強い痛みによって仕事や睡眠に支障が出る
- 噛めなくなることで食事のバランスが崩れ、体調にも影響
- 口臭や顔の腫れで人前に出づらくなる
- 最終的には歯を失い、義歯やインプラントなど高額な治療が必要になる
早期治療のメリット
- 治療がシンプルで、通院回数・費用ともに少なく済む
- 歯を削る範囲が少なく、自分の歯を温存できる
- 生活の質(QOL)を維持しやすくなる
初期段階なら、保険診療でも1,000〜3,000円程度で治療できるケースがほとんどです。重症化した場合の根管治療や抜歯後の補綴治療は、金額・時間・体の負担が一気に増えるため、早期対応が最も効果的です。
虫歯予防のためにできること
- 毎日の正しいブラッシング(歯と歯の間・奥歯を意識)
- フロスや歯間ブラシの併用で歯垢を除去
- フッ素入り歯磨き粉や定期的な歯科でのフッ素塗布
- 3〜6か月に1回の定期検診で早期発見
- 砂糖を控え、間食は時間を決めて摂る