虫歯が原因で起こる頭痛の仕組み
虫歯が進行すると、歯の内部にある神経（歯髄）まで炎症が達し、強い痛みを引き起こします。この痛みは三叉神経という顔や頭部に広がる神経を通じて、側頭部やこめかみに関連痛として伝わることがあります。
また、上顎の奥歯にできた虫歯が悪化すると、副鼻腔のひとつである上顎洞に炎症が波及し、副鼻腔炎を伴った頭痛が起きることもあります。これは目の奥や額に重い痛みを感じるタイプの頭痛です。
虫歯による頭痛と他の頭痛の違い
虫歯が原因の頭痛は、通常は「ズキズキ」と脈打つような痛みで、片側のこめかみや顎周辺に集中することが多いです。これに対して、緊張型頭痛は頭全体が締めつけられるような鈍い痛みで、肩や首のこりを伴うことがよくあります。
また、片頭痛は光や音に敏感になったり、吐き気を伴うなど、神経系の反応によるものですが、虫歯由来の頭痛は「歯の痛みと連動している」「噛むと悪化する」などの特徴が見られます。
注意すべき症状と受診のタイミング
- 片側のこめかみや頬にズキズキとした痛みがある
- 冷たいもの・甘いものが歯にしみる
- 噛んだときに歯や顎に響くような痛みがある
- 歯茎が腫れている、膿が出ている
- 頭痛とともに発熱や倦怠感がある
これらの症状が複数ある場合、虫歯がかなり進行している可能性があります。市販薬で一時的に症状が緩和しても、根本的な治療にはならないため、早めに歯科医院を受診することが大切です。
自宅でできる応急的な対処法
- 鎮痛剤の使用：市販の鎮痛薬（例：アセトアミノフェンやイブプロフェン）を服用して痛みを一時的に和らげます。ただし、長期使用は控えましょう。
- 冷やす：頬やこめかみに氷嚢を当てることで、炎症による腫れや痛みを緩和する効果があります。
- うがい：ぬるま湯や食塩水で優しくうがいすることで、口内の細菌を抑えることができます。
- 刺激を避ける：冷たい・熱い・甘い飲食物を控え、患部への刺激を最小限にしましょう。
これらはあくまで「応急処置」であり、症状が改善しない場合は歯科医師の診察が必要です。
虫歯と頭痛を防ぐための日常ケア
- 正しいブラッシング：毎食後、フッ素入りの歯磨き粉を使って丁寧に磨きましょう。特に奥歯は虫歯ができやすいため、意識して磨くことが大切です。
- 歯間ケア：デンタルフロスや歯間ブラシで、歯と歯の間のプラークを除去します。
- 甘いものは時間を決めて：ダラダラ食べると虫歯リスクが高まります。食べたあとはすぐに口をゆすぐか、歯を磨くようにしましょう。
- 定期検診：痛みがなくても、半年に1回は歯科医院でチェックを受けることをおすすめします。
