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GENERATIONS 関口メンディーの「メンディーのコラムンディー」第20回 うさぎとかめ

2020.12.17 Vol.Web Original

皆さんは、童話『うさぎとかめ』の話をご存知ですか? うさぎとかめが山の頂上を目指し駆けっこで勝負をして、足の速いウサギが序盤から亀に大差をつけた事でゴール手前で余裕をこき、休憩してしまったことで、結局亀に負けてしまうというあの話です。この童話の教訓としては、亀のようにコツコツと努力を積み重ねた者が大義を成し遂げるといったものがありますよね。でも調べていくと、実はもっと違う意味・教訓がこの童話には隠されていたのです。

その前に皆さんはうさぎとかめ、どちらになりたいですか?

そもそも何でこの話をしようと思ったかというと、この間、隼と渋谷で天ぷらを食べている時に、ひょんなことからうさぎとかめの話になり、断然亀派の僕とそもそも亀よりスペックが比べものにならないくらい高いウサギの方が良いというウサギ派の隼に別れたことがきっかけです。
確かにこれはマインドの問題であって、どんなに頑張っても陸では速く動けない亀に比べて、マインドひとつ変えるだけでぶっちぎりで勝てたウサギの方が良い、というのも分かる。
この物語を掘り下げていく前に、前提として、2匹の間には”駆けっこ”という競技において物凄い能力値の差がある事を皆さんの頭の中に入れて、本題に入っていきましょう。

この物語の新たな教訓、その1。
それはそれぞれ見ているものが違ったということです。
ずっと亀だけをみて勝負していたウサギに対し、亀はゴールだけをみていた。
これが2匹の大きな違いです。
この物語を読み返してみると、この勝負には森の動物たちという観客、つまりギャラリーが出てくるのですが、お調子者で人気者になりたいウサギは亀を負かすことで、ギャラリーたちに力の誇示をしたかったという可能性が高い。
うさぎも馬鹿ではないはずですから”亀は鈍い”というのは重々知っていたはず。にも関わらず、このメイクマッチというのは尚更です。
そんなウサギに対して、亀はゴールだけをみていた。つまり自分自身と戦っていた。どうやったら自分のベストのタイムで山頂にたどり着けるかだけを考えていた。亀は決してウサギとは戦っていなかった。周りに惑わされることなく、自分の目標・ゴールを捉えていた亀に軍配があがったというわけです。

そしてもう一つの教訓は
“実はうさぎは自信がない”ということです。
先程、うさぎは力の誇示がしたい、すぐマウントとりたいマン説の話があったと思うのですが、自分の得意なフィールドで自分より明らかに足が遅い亀と勝負するというのは保険に保険を重ねた出来レース。どうせならカンガルーとか強く速そうな動物と戦ってジャイアントキリング、ギャラリーを盛り上げてほしかったですよね。このことからもうさぎは”小さい山にしか登らないやつ”ということが分かります。
もし勝負が駆けっこではなく水泳だったとしてもウサギは勝負していたでしょうか?
恐らくしていなかったはずです。
この側面が見えてくると亀が、
パッとしないオタクが高嶺の花の心を射止めるラブコメの決定版『電車男』の主人公のようにみえてきて、より愛おしく思えてきますね笑

童話の新しい見方、いかがでしたでしょうか。
自分の中でも”生き方”というものを見直す良い機会になったので、コラムにさせて頂きました。
他の童話も気になったので、色々とみてみたいと思います。

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