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闇と光の対比が美しいjunaidaの傑作絵本『怪物園』

2020.12.24 Vol.736

 はるかいにしえの時代から、たくさんの怪物たちをのせて長い長い旅をつづけていた「怪物園」。ある静かな夜のこと、怪物園がうっかり玄関口をあけたまま、いびきをかいてウトウトしていたあいだに、怪物たちが外の世界へとぬけだして……。

『Michi』『の』など、繊細であたたかみのある絵で、独特な世界観の絵本を世に送り出してきた画家・junaida(ジュナイダ)。新作絵本では、生き物のような建物のような「怪物園」から抜け出し、街までやってきて通りを行進する怪物たちと、彼らをよそに空想の旅に出かける子どもたちを描いた。

 怪物たちの闇の世界と、子どもたちの光の世界の対比が美しく、現実と空想が混じり合うように物語が展開していく。何日も行進をつづける怪物と、外で遊べなくなった子どもという構図は、どこか今日的なテーマとも重なる。

 本体表紙の透明箔押し、黒の見返しにかけて印刷された一枚絵など、祖父江慎と藤井瑶(cozfish)の装丁がまた素晴らしい。

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