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LIL LEAGUE、キドフェノらが土曜の深夜に熾烈なバトル『ヴィクトリーグ!』

2023.10.06 Vol.Web Original

  EXILE TRIBEのLIL LEAGUEの冠番組『LIL LEAGUEのヴィクトリーグ!』がリニューアル、『ヴィクトリーグ!』(テレビ東京、毎週土曜深夜2時15分~)として10月7日にスタートする。

 リニューアルに合わせ、レギュラー出演していた同じオーディション企画『iCON Z』から誕生したグループのキドフェノことKID PHENOMENONに加え、キドフェノと同時デビューを果たしたWOLF HOWL HARMONYとTHE JET BOY BANGERZも番組に参戦し、4組による番組出演権をかけた熾烈なバトル&サバイバル番組として、テレビ東京の土曜深夜に旋風を巻き起こす。

 7日の放送では、LIL LEAGUEのメンバーがKID PHENOMENONの夢者修行会場に潜入した模様を放送。バレたら即失格という緊張感のなかで、変装したLIL LEAGUEメンバーがあちらこちらに出没、パフォーマンスするライバルを陰ながら応援する。メンバーの驚くべき変装っぷりに注目だ。

 LIL LEAGUEの岩城星那は、リニューアルした番組について「この夏にデビューした新しい仲間も加わり、番組に更に新たな色や魅力が詰め込まれた内容になっています!デビュー間もないまだまだ未熟なメンバーばかりですが、皆さんの癒しの時間となれるよう精一杯全力で頑張りたいと思います」と、コメント。

 KID PHENOMENONの夫松健介も「よりZ世代のパワーを感じていただける番組になっていくと思います!全グループで番組を盛り上げていけるよう、全力で頑張っていくので、これからも毎週土曜日の放送を皆さんの1つの楽しみにしていただけると嬉しいです!」と、コメントを寄せている。

 番組では今後、人気グルメのお値段当て対決や教室セットでの秋の体育祭など、バラエティ番組ならではの白熱したバトルを繰り広げる。また、片寄涼太(GENERATIONS)を講師に迎えた“胸キュン企画”も始動する。

仕事に救われる朝もある 内田理央主演『来世ではちゃんとします3』最終話〈ドラマでしゃべりたい〉

2023.03.27 Vol.Web Original

 内田理央主演のドラマ『来世ではちゃんとします3』(テレビ東京、毎週水曜0時30分)。3月22日に放送された第12話で、最終話を迎えた。

 主人公・大森桃江(内田理央)は本命彼氏ができても、元セフレとの仲をしっかり断ち切れたとはいえない。それは彼氏である松田くん(小関裕太)も一緒だった。同僚の林くん(後藤剛範)は、その素直さゆえに松田くん実姉である百合ちゃん(長井短)に騙されかけた。都会で働くブラック企業のサラリーマンである彼らを取り巻く人間関係と多様性、そして家庭事情をリアルに描いてきた来世ちゃん。登場人物たちはどうしたら、幸せになれるのだろう。

それぞれの幸せ、それぞれの未来

 桃江が職場に出勤すると、そこに松田くんと林くんの姿はない。元セフレの亜子ちゃん(小島藤子)に匿われていた最中、警察から連絡をもらった松田くんは、実姉の百合ちゃんが保険金詐欺に関わっていたことを知る。やはり、百合ちゃんは林くんを騙そうとしていたのだった。実母からのネグレクトを受けていた百合ちゃんは、家を出た後もその人間性を正すことができなかったのだろう。

 その場を去ろうとする松田くんを呼び止めた亜子ちゃんは「松田くんのこと世界で一番、一生大好き。ずっと味方だけど、前に進むね」と告白する。大好きな人のことは、一度は拉致監禁までしてしまった亜子ちゃん。歪んだ愛情をぶつけてもお互いのためにならないということは、その当時に学んだことのはずだった。でも、時間が経ってもやはり、松田くん以上に好きになれる男性が現れなかったのかもしれない。

 でも、それでもいい。若い頃の情熱的な恋の感情は、期間限定の熱さを持っている。情熱的な恋が運命だとは限らないし、恋愛というものは奇しくも、我を忘れるほどの情熱なんてない方が上手くいくものなのである。

 そして、自分磨きのために筋トレに邁進していた檜山くんは、ソープの予約ページから推しの嬢・心ちゃんがいなくなっていることに気がつく。もう心ちゃんに会うことはできない……と卒倒してしまう檜山くんだけど、これでよかったのではないだろうか。

 叶わない恋をずっと続けるのはつらい。連絡手段が強制的に絶たれたことで、檜山くんは前に進まざるを得なくなった。自分磨きも筋トレも、きっと次の恋や、それ以外にも色々な役に立つ。檜山くんは失恋をしたけれど、きっとそれ以外に得たものも多いはずだ。どうか次は風俗ではなく、もっと真っ当な場所で恋をしてほしい。

 一方の桃江は、梅ちゃんに「セフレに会ってしまったことで罪悪感を抱えている」と告白する。梅ちゃんは意外と冷静に「嘘も時に必要だよね」と反応する。お見合いを経て一歩成長した梅ちゃんは、一生を遂げられるパートナーに出会えなければ、1人たくましく生きればいいだけだと話す。人生の選択肢は多い方がいい。「こうなったら最高!」と思える選択肢を目指すのは大切だけど、それ以外の選択肢を取ったっていい。どうにでもなれるような遊びを残していくと、ふと人生に余裕が生まれるものだ。

恋に仕事に、人生のバランスはかくも絶妙

 いろんなことが丸く収まったかのように見えたスタジオデルタに、久しぶりに締め切りギリギリの大仕事が入ってくる。林くんと松田くんも遅れて合流し、全員が色々な想いを抱えながらも「今は仕事するしかない」と作業に向き合う。

 生きていれば、受け入れ難いことも困難な壁にもぶち当たる。しかし、デルタのみんなは「ブラック会社員」だ。そこで働くからこその、強い絆がある。人生はいろいろあるが、多くの場合仕事は続けていかなければいけない。そして、多くの場合仕事はストレスの元だが、プライベートがぐらついた時、仕事が逃げ場になる時もある。

 こうやってバランスを取りながら、私たちは仕事をし、恋をして、そして生きていく。仕事があるから、恋が楽しいし、恋があるから、仕事もがんばれる。どちらが抜けてしまっても物足りないのだ。それに桃江たちが、他人に理解されにくい多様性を持っていても強く生きていけるのは、やっぱり仕事が忙しいからなのかもしれない。考えたからって上手くいくわけではないこともたくさんあるし、恋愛はその筆頭ともいえるのだから。

 互いに元セフレと会っていたけれど、やましいことはないと告白し合えた桃江と松田くん。結局、2人は似たもの同士なのだ。寂しがりやで、常に自分の役割を探している。松田くんの家庭問題がなくなったわけではないし、桃江の性依存がきれいさっぱりなくなるのかも、まだ分からない。

 だけど、なんでも一気に解決しようとしなくてもいいのかもしれない。性依存、家庭事情、セカンド童貞、アセクシャル、痛客、メンヘラ。世の中には色々な生きづらさがある。最終話では「シーズン4」を匂わせるようなシーンもあった。桃江たちの幸せの形はまだ分からないけれど、全員がその形を焦らずに探していってほしいと思う。まだ幸せへの道半ばのメンバーの今後は、次シーズンでまた描かれていくのだろうか……今後に期待せざるを得ない。

 

(文・ミクニシオリ)

悪気なく、人が人を傷つける瞬間 内田理央主演『来世ではちゃんとします3』10話〈ドラマでしゃべりたい〉

2023.03.11 Vol.Web Original

 内田理央主演のドラマ『来世ではちゃんとします3』(テレビ東京、毎週水曜0時30分)。3月8日に放送された第10話では、主人公・大森桃江(内田理央)の同僚である梅ちゃん(太田莉菜)が、お見合いで出会った縄文杉くん(蛙亭・中野周平)と「友達として」オタ活を楽しむ。しかし、縄文杉くんは梅ちゃんへの気持ちを我慢できなくて……。

 後半では、林くん(後藤剛範)が匿っている女が百合ちゃん(長井短)だということを知り、なぜか動揺する松田くん(小関裕太)。林くんを吹っ切れない凪ちゃん(ゆうたろう)まで巻き込んで、林を説得しようとするも、上手くいかない。自分らしくいる。ただそれだけで、他の誰かを傷つけてしまうことがある。

 

「好きになるのは自由」だけど「好きだから自由」ではない

 お見合いで出会った梅ちゃんと縄文杉くんは、恋人としてでなく、オタク友達として推しアニメの応援上演にやってきた。

 縄文杉くんに「聖地巡礼に行って、これからもずっと一緒にオタ活しよう」と言いながら、普段の口調が戻ってきている梅ちゃん。だけど縄文杉くんは「高杉さんのことを好きになってしまいました」と打ち明ける。

「高杉さんを困らせたくなかった」という思いがあったことも語る。縄文杉くんだけど、それでも梅ちゃんは、自分に向けられている目線が性的なものだと気づいてしまうと、嫌悪を感じてしまう。そして、縄文杉くんとの出会いを通して「誰が相手でも、恋愛するのは無理」と正直な気持ちを語ることができた。

「恋愛はできない」という自分の気持ちには気づいていた梅ちゃんだけど、ずっと1人でいることに関しては、不安を感じていた。しかし軽い気持ちでお見合いに参加してしまったことで「自分だけ楽めればいいって、縄文杉くんの気持ちを無視していた」ということにも気づくことができた。

 ハーフ顔で世間的に見ても整った顔立ちの梅ちゃんは、自分にその気がなくとも、誰かから好意を集めてしまうことがある。でも、相手が好意を持つこと自体を否定してはいけないということに、気づいたのかもしれない。

 恋は自由だ。誰かのことを好きになってはいけないわけではない。だけど、好きだからと言って、何でもしていいわけでもない。梅ちゃんへの配慮を忘れなかった縄文杉くんの優しさのおかげで、自己理解が一歩前に進んだ梅ちゃんなのであった。

 

鈍感な素直さが、誰かを簡単に傷つける

 後半、一方の林くんは、未だに家に謎の女・黒木百合ちゃんを匿っている状態……。元カノだったお隣さん・梢ちゃん(浦まゆ)の知り合いであるはずの百合ちゃんだが、林くんを心配に思い、その部屋を覗き見た松田くんは、ひどく動揺する。どうやら2人は、知り合いのようだ。

 そんな松田くんが泣きついた先は……林くんのことを吹っ切れずにいる、男の娘の凪ちゃんだ。最初こそ「鬼退治みたいなことを頼むな」と松田くんに言い放つ凪ちゃんだけど、林くんへの情なのか、百合ちゃんを引き剥がしに向かってくれる。

 林くん本人は、百合ちゃんの存在を少しだけ疑っているようだけれど、百合ちゃんの「あなたのことが好きだから一緒にいるだけ」という言葉に簡単にほだされる。林くんと百合ちゃんちゃんのカップリングは、これまで見てきた来世カップルの中でもかなりむかっ腹が立つ。林くんは素直でいい人だけれど、時たま「女なら誰でもいいのか?」と思うほど簡単な男だ。簡単な誘惑に騙され、搾取される。素直さで騙され続けていく様を近くで見ているのは、たとえ友人でもつらいだろう。

 凪ちゃんに対しても、林くんに悪気はないことも分かる。でも悪気がないからこそ、簡単に人を傷つける。百合ちゃんは、林くんのところにやってきた凪ちゃんを見て「可愛いカッコをした男の子だあ!」と言い放つ。そして、林のためにとやってきた凪ちゃんの前で、簡単に百合ちゃんにほだされる。

 そんな「配慮のない素直さ」に傷つけられる凪ちゃん。女の子以上に努力して、美しくあろう、強くあろうと努力していた彼女。しかし、林くんと百合ちゃんの心ない一言で、自尊心は簡単に傷つけられてしまう。

 「女の子に生まれなかっただけで、僕の努力は全部意味ないじゃん。でも、泣いたらみじめだ」。そう言って最後まで自分の理想とする自分であろうとする姿は、強く美しかった。林くんは素直で鈍感で、自分のせいで凪ちゃんが傷ついたということにすら気づかない。これまでの梅ちゃんも、林くんも。鈍感であることで、傷つく誰かがいるということを知らなかったのだ。

 結局、百合ちゃんは林くんの家に居座り続ける。そして、林くんのスマホから松田くん宛に「お姉ちゃんだよ」というLINEを送りつける。姉の出現に、これまでにないほど動揺する松田くんの前に、かつて彼を監禁するほど愛した元セフレ・亜子ちゃん(小島藤子)が現れる。彼女もまた、かつて松田くんの「鈍感さ」に傷つけられた人の1人でもある。弱りきっているところに、依存でズブズブに愛してくれる女性が登場してしまったら……松田くんは、正気でいられるのだろうか。

(文・ミクニシオリ)

 

コンプレックスに向き合うと、人生が明るくなる? 内田理央主演『来世ではちゃんとします3』8話〈ドラマでしゃべりたい〉

2023.02.25 Vol.Web Original

 内田理央主演のドラマ『来世ではちゃんとします3』(テレビ東京、毎週水曜0時30分)。2月22日に放送された第8話では、ソープ嬢に恋する痛客・檜山くん(ラバーガール・飛永翼)にちょっとした成長が訪れる。今までお金で貢ぐばかりしか頑張り方が分からなかった檜山くんだけど、ひょんなきっかけでダイエットを始めることに……?

男性でも、お金で恋は実らない時代だけど

    思いを寄せるソープ嬢・心ちゃんが長期欠勤中で、長い間会えないままになってしまっている檜山くん。かなり長い間「がんばって稼いだら心ちゃんに好きになってもらえるかな……」と”痛客思想”から抜け出せなかった。

 檜山くんはなぜ、好きな子のためにお金を稼ぐ努力はできるのに、外見を改善しようとは思えないのだろう。深夜、檜山くんの漫画のアシスタントに来た蜜柑ちゃん(岬あかり)にも「もっと外見どうにかした方がいいですよ」と注意されるも「俺は能力面で頑張るからいいんだ」と、話をしっかりと聞き入れない。

 外見に自信がないからこそ、その現実から目をそらしたいのかもしれないし、描かれていない過去の中で、外見を改善しようとして失敗したことがあるのかもしれない。それにしても、女性の場合は恋した時、まず最初に「外見磨きをしよう」と考える人が多いのに対して、男性はそうではないことも多いように感じる。実際、檜山くんのアシスタントである蜜柑ちゃんは、500万円近い費用で整形をし、垢抜けて見えるよう努力をした過去もある。稼ぎさえあれば誰でもそれなりの恋愛ができた時代もあったのかもしれないが、今はお金だけあっても敬遠されてしまう男性もいる。メイクや整形は、まだ男性にとって縁遠い部分もあるかもしれないが、ダイエットやおしゃれをするだけでも、垢抜けたと判断してもらえることだってあるのに。

 しかし、蜜柑ちゃんとの会話の中で、若くて才能もあって、それでいて外見もかっこいい漫画家も世の中にいることも知った檜山くん。運動と食事制限のダイエットによって、体型だけでなく輪郭や肌までキレイになった。すると、いつも自分に自信のない檜山くんの口から、ポジティブな言葉が出るようになった。ダイエットで自分の努力が目に見えて結果となったことで、自信が出てきたのかもしれない。

 どれだけ仕事を頑張っても、恋愛が上手くいかなかったり、外見に自信が持てないと自己肯定感の低下に繋がる。適度な運動や生活習慣の改善は、ダイエット効果だけでなく自律神経を整える効果もある。檜山くんのような男性にとって、男らしさといえば金銭力という思い込みもあったのかもしれないが、自分磨きすることで、精神的に余裕を持てるようになることも、かなり恋愛力に活きてくる。継続できるかが一つの鍵ではあるが、自分磨きの楽しさに気づいた檜山くんなら、今後ソープ以外でもいい出会いがあるはずだ。

コンプレックスを人と共有してみる

 一方、アセクシャルの梅ちゃんは未だに、自分の幸せを模索中。BL好きで二次創作の恋愛マンガを描いていた梅ちゃんだけど、先日自身の経験をエッセイにした漫画がSNSでバズったばかりだ。趣味に没頭するのも楽しいようだけど、このまま1人で生きていくことにも不安を感じている様子。

 バズをきっかけに連絡が来たコミックエッセイの仕事も「オタ活がテーマではネタが弱い」と突っ込まれ、へこむ梅ちゃん。たしかに今、WEBで今よく見かけるエッセイマンガといえば、婚活や不妊に不倫、浮気、子育てなど、恋愛や家族にまつわるセンシティブな内容がほとんどだ。恋愛が苦手な梅ちゃんは、そういった内容の実経験が少なく、そのこともコンプレックスに感じていた。だからこそ、母親が持ってきたお見合いの話を、受けてみることにしたのだった。

 梅ちゃんのお見合い相手の縄文杉くん(蛙亭・中野周平)は、自信はなさそうに見えるが、丁寧で素直なコミュニケーションのできる男性だった。梅ちゃんのヘビーなオタク趣味の話にも、自分ができる範囲で共感し、共通点を見つけることができた2人。誰もが緊張する婚活では、最初に気兼ねなく話せる共通の話題が出てくると、一気に仲が深まる。……なんだか、悪くない駆け出しにも見える。

 オタク話で心を開くことができた梅ちゃんは、自分のコンプレックスについても語ることができたのだった。度を超えて明るい人でない限り、みんなそれぞれ自身のコンプレックスを抱えているものだ。コンプレックスになっている以上、そこに向き合うことはストレスがかかることかもしれない。それでも、他人に自分の弱い部分を話したり、改善に向かって努力ができるようになると、自分自身心が軽くなることがある。

 コンプレックスを隠すのはあたり前で、そして簡単なことかもしれない。しかし檜山くんも梅ちゃんも、悩んだ末に自分と向き合い、ダメな部分も含めて自分を認めようと努力している。自分を認めて心に余裕が出てくると、これまでの悩みが嘘のようにすぐ解決に至ることだってある。梅ちゃんも自分の弱さを縄文杉くんに共有できたので、今後彼とは、梅ちゃんらしい距離感で仲を深めていくことができそうだ。

難問…「家族」というコンプレックスも

 終盤では、松田くんの難しいコンプレックスも垣間見えた。残業中の桃江に差し入れを持ってきた松田くん、「セックスするまで優しいだけなのかな」と不安になってしまう桃江に対して、真摯に自分の気持ちを伝えてくれる。かなりいい雰囲気の2人だけど、松田くんのところに母親からの電話がかかってくる。

 その電話を無視して、「母親のことでイライラしたくない」と、急に取り乱す松田くん。桃江と付き合うまで、様々な異性と都合よく付き合ってきた彼だけど、ここに来て急に、家族との角質が垣間見えた。本人の人間性にも大きく関わる可能性の高い、家族というコンプレックス。その詳細は次週、語られるのだろうか。

性癖が特殊なのは、恥ずかしいこと? 内田理央主演『来世ではちゃんとします3』第7話〈ドラマでしゃべりたい〉

2023.02.18 Vol.Web Original

 内田理央主演のドラマ『来世ではちゃんとします3』(テレビ東京、毎週水曜0時30分)。2月15日に放送された第7話では、職場恋愛中の主人公・桃江(内田理央)と松田くん(小関裕太)が職場恋愛を満喫中。

 オフィスの裏でたまたま会っただけなのに、出勤時間をずらそうと慌てる2人だったけど、都合よく、社内メンバーは全員外出中。松田くんは「それなら、この間の続きしちゃう?」と桃江に迫る……。

 しかし、そんな2人の前に、遅刻してきた同僚の梅ちゃん(太田莉菜)が現れてしまう。恋愛の苦手な梅ちゃんは、そんな2人のことが気に入って仕方ない。その一方で、梅ちゃんの友人であるエログロ漫画家・りんごちゃん(小西桜子)にもとある受難が。りんごちゃんが自分の性癖を「気持ち悪いから」と吐き捨てる、その理由とは……。

性癖が人と違うことを笑われ、バカにされた過去

 桃江と松田くんの職場恋愛に気づきつつある梅ちゃんのところに、りんごちゃんから一本の電話が入る。どうやら、彼氏・たっくん(ダウ90000・飯原僚也)に漫画の原稿を見られてしまい、自身の性癖を知られてしまったというのだ。帰ったら別れ話になってしまう、と梅ちゃんに泣きつくりんごちゃん。自分の性癖を「気持ち悪い」となじり、これまでは頑張って普通の子に擬態していたのに、とふさぎ込んでしまう。

 彼女は学生時代、仲が良かった子に自身の描いたエログロ漫画を黒板に貼られたこともあるという。これまでも彼女は何度か、自分を「人と違う」「理解されない」と評価していたが、その原体験にもなった出来事なのかもしれない。自身が愛しているものを否定され、笑われた経験は、幼い彼女をどのくらい傷つけただろう。彼女にとっては自然と興味を持ったエログロだったが、周りの友人にはそれを受け入れてもらえなかった。子どもだったからこそ、周りも素直に、思ったままの感想を言ったかもしれない。しかしそれは、彼女にとって存在否定に近いような言葉の暴力となったはずなのだ。

 今の日本ではジェンダーを受け入れようとする流れが一気に進んではいるが、未だ同性婚すら可決しきらない日本では、まだまだ文化レベルでマイノリティへ配慮しきることが難しい現状だ。教育現場でもまだ、ジェンダーをどのように教育していくべきか、議論はされていても徹底は難しい状況が予想できる。しかし、子どもの頃のトラウマは時間が経っても解決せずに心に残りやすく、りんごちゃん自身そのトラウマに縛られているようにも見える。だからこそ、恋人に対しても本音を隠そうとしてしまい、話し合うことすら拒否しようとする。

 しかし、彼氏からは「迎えに行くから」と電話が。会社まで押しかけてきた彼氏はなんと……たくさんの拘束具を手にしていた。拘束具を身に着けながら「こういうの興味あるの、前から知ってた。君のためなら受け入れるから」と、りんごちゃんの性癖に歩み寄ってくれたのだった。幼い頃からのトラウマが、消えるわけではない。それでも、自分を受け入れようと努力してくれる彼氏の存在。そして、性癖への理解はなくとも仲良くしてくれる梅ちゃんのような友人の存在は、きっとりんごちゃんの支えになっていくだろう。

彼氏がいなくても、パートナーは見つかる?

 しかし、どこか一方が幸福だと、誰かの不幸が際立って見えるのはなぜだろう。やっと報われる恋ができた桃江は、このところ登場の度に浮かれているのだが、未だトラウマを拭いきれないりんごちゃんも、アセクシャルの梅ちゃんのことも気がかりだ。職場ではかなり桃江と仲良くしていた梅ちゃんは、桃江と松田くんの職場恋愛に気づいてしまい、こうひとりごちる。

「私と一番仲良しだったのに、彼氏ができたらそっちになっちゃうんだね」

 結婚を選択しない者に課される業は、周りと違う将来を選択する不安に加え、今まで仲良くしていた友人も、恋愛や結婚を機に疎遠になっていく可能性があるということだ。アセクシャルの梅ちゃんにとっては、結婚しない道はかなり自然な選択でもある。しかし、トラウマを抱えるりんごちゃんにも、これまで異性に傷つけられてきた桃江にも彼氏がいて、自身には歩み寄ってくれる存在がいないというのは、梅ちゃんにとっては寂しいことのはずだ。

 りんごちゃんと彼氏の仲直りを見て、パートナーシップのある関係に憧れを持つ梅ちゃん。何も恋人のみが歩み寄れる関係というわけでもないので、同性で結婚を選択しない仲間や、老後を助け合える存在が梅ちゃんにも見つかればいいなと思う。例えば、私の身の回りにも同性愛を親にカミングアウトしないために、同じ目的を持つ異性同士で同棲生活を送る友人もいるし、結婚せずとも楽しく暮らそうと、シェアハウスで集団生活をする人もいる。自分を助けてくれる人を見つけやすい場所もあるはずだ。梅ちゃんにも、自身に合うパートナーシップの形が見つかりますように。

幸せもつかの間…新たな波乱の予感

 一方、隣の部屋に住んでいたソープ嬢の梢ちゃんと別れた林くん(後藤剛範)にも新たな災難が。なんと梢ちゃんの親友だと名乗る、黒木百合(長井短)という女性が現れて……。

 そんな百合さんのことを、なぜか家にあげてしまう林くん。この鈍感さが命取りなのだが、怪しい女にばかり絡まれてしまうのはきっと、彼の底抜けな優しさゆえなのだが……。身体の関係を匂わせながら誘惑し、家に泊めてくれるよう頼む百合さん。結局、見知らぬ怪しい女を家に泊めて、自分は満喫に泊まったという人のいい林くんだったけど、とある事実に気づいてしまう。百合さんは、なぜか松田くんにそっくりなのだった。林くんはどうなってしまうのか、そして百合さんと松田くんの関係とは……?

「手に入らない幸せ」ほど恋しくなるのはなぜ? 内田理央主演『来世ではちゃんとします3』第6話〈ドラマでしゃべりたい〉

2023.02.10 Vol.Web Original

 内田理央主演のドラマ『来世ではちゃんとします3』(テレビ東京、毎週水曜0時30分)。2月8日に放送された第6話では、第5話でやっと報われた主人公の桃江(内田理央)と松田くん(小関裕太)カップルを尻目に、まだ自分の幸せを模索中の登場人物たちにスポットがあたる。

   前半では、ノンケの林くん(後藤剛範)になかなか振り向いてもらえない、トランスジェンダーの凪ちゃん(ゆうたろう)が、自分とフィットする価値観を持つ男性・柊くん(七瀬公)とデートへ。後半は、檜山くん(ラバーガール・飛永翼)が指名するガチ恋ソープ嬢の心ちゃん(中川知香)が、心を病んでしまって……? 主人公カップルが上手くいったとて、物語にはまだまだ幸せ道半ばのキャラクターが多くいる。

 

「ノンケ好き」「寝取られ癖」…いばらの道を歩み続けても、手に入らないものは輝いて見える

 まずは、前回の胸キュンシーンを思い出しながら悶える桃江が登場。職場恋愛は、周りの人間にとっては気を使うことになりかねないので、松田くんとの怪しい空気感が、周りに伝わっていないか心配。

 その一方で、今回は自分と似た価値観を持つ男性とデートに来た凪ちゃん。処女厨でノンケの林くんとはなかなか進展のない凪ちゃんだけど、第4話でも、セクシャルマイノリティならではの将来への不安を吐露していた。

 そんな凪ちゃんのデート相手の柊くんは、SNSで凪ちゃんに「一目惚れ」。ちょっとコミュニケーションが暑苦しいが、高学歴で高身長、条件は悪くない。でも……凪ちゃんは「昔から僕って、ノンケばっか狙っちゃうんだよなあ」とひとりごちる。

 これは1つの性質、としかいいようがないのかもしれないが、セクシャリティを問わず、自分には振り向いてくれないような人を好きになってしまう人がいる。無理めな人を落とせるかどうかのゲーム性に燃えているのか、はたまた自分には手の届かないレベルの異性を手に入れたくなってしまうのか……。

 柊くんもまた、そんな性質を持つ人の1人。柊くんに「好きな男がいる」としっかり伝えた凪ちゃんに対して「嫉妬で興奮しちゃいました」と伝える柊くん。いわゆる「寝取られ癖」、自分が好きな人が他の人に取られることに興奮を覚えるという性癖を持っているのだった。

 それもこれも、成長の過程の中で培われてしまった性癖であり、本人もなりたくてなったというわけではないだろう。しかし、結局手に入らないものを好きで居続けることには、苦労も涙もあるはず。凪ちゃんや柊くんは、その先もそんないばらの道を歩くことを選択していくのだろうか。

 

「自由に稼ぐ楽さ」か、「普通という不自由」か

 後半は檜山くんの指名するソープ嬢・心ちゃんが久しぶりに登場。出勤前確認の電話がかかってきてもやる気が出ず、初めてお店を欠勤してしまった心ちゃんだけど……そんなタイミングでガチ恋客の1人である、檜山くんからの「痛LINE」が。

 ソープの仕事が、どれくらい大変なのかをしっかり想像することは難しい。でも、日々檜山くんのような客の男性から「先に身体を重ねた」ということから好意を持たれるのは、どんな気持ちだろう。名前は源氏名で、正しい個人情報なども、客に対してペラペラと伝えているわけがない。檜山くんがどんなに心ちゃんを思っても、心ちゃんにとってはたくさんいる「勝手な好意をぶつけてくる人」の1人で、ソープという「金銭の発生する場所」で会う客の1人だ。

 そんな心ちゃんの元に、ソープの元同僚で林くんの元カノでもある梢ちゃん(浦まゆ)からの連絡が。梢ちゃんはソープを辞めて、貯金で南の島へ。素直さが裏目に出て、心ちゃん以上に心の病に苦しんでいた梢ちゃんだけど、南の島では薬にも頼らず元気に暮らしているようだ。

 そんな梢ちゃんの素直さとおバカさにちょっとだけ、元気をもらった心ちゃんは、なんとかソープへ出勤していくのだった。しかし……心ちゃんがなぜ、ソープで働き続けるのかはまだ描かれていない。どれだけ自分に尽くしてくれそうな男性客からモテたとしても、心ちゃんは幸せを感じていない。もちろん時給の良さや出勤日の自由などのメリットはあるが……なぜ、対人ストレスの多い風俗という仕事を選び続けるのか。

 心ちゃんの幸せは、ソープで「そこそこ自由に」稼ぎ続けることなのだろうか。それとも……ソープは足を洗って、不自由に働きながらも、本当の自分を知ってくれる人と恋をしたり、人と同じ幸せを追いかけていくことなのだろうか。

 心ちゃんにとっての「手に入らない幸せ」はなんなのだろう。自立していて自制心もある心ちゃんなら、一歩踏み出せば自分にとっての幸せを手に入れることができるようにも思えるのに。履歴書にぽっかり空いてしまう空白の期間や、貢がれることに慣れてしまった事実は、それほどに心ちゃんにとって重いものなのだろうか。友人の梢ちゃんもソープから足を洗った中で、心ちゃんの選択がどう描かれていくのかが気になる。

(文・ミクニシオリ)

性依存女子救うのは…依存を分かち合える男性か、女心を理解する女性か? 内田理央主演『来世ではちゃんとします3』第5話〈ドラマでしゃべりたい〉

2023.02.03 Vol.Web Original

 内田理央主演のドラマ『来世ではちゃんとします3』(テレビ東京、毎週水曜0時30分)。2月1日に放送された第5話では、主人公の桃江(内田理央)が元カノに心が揺れる本命彼氏の松田くん(小関裕太)と、女性心を理解しているレズビアンの聖羅さん(ルウト)との間で揺れる。

 第4話では圧倒的なポジティブさで場を荒らしてくれた聖羅さんと、松田くんの元カノ・華ちゃん(筧美和子)。四角関係の4人はどうなるのか。

 

男に依存した人生を卒業させてくれるのは……女?

 職場恋愛中だというのに、気まずい空気が流れている桃江と松田くん。喫煙所で久しぶりに話すと、松田くんは元カノがいま暮らしているところへ戻るという日に空港に見送りに行くという。思わず、つらそうにその場を離れる桃江。こういうのもあるから職場は……と思わず頭を抱えてしまう。

 どっちにしろ元カノが海外に行くにあたって、元カレが見送りに行くことなんて普通あるものか?と疑問を感じざるを得ない。これが現実の話なら「元カノとの距離感がおかしい男にロクなやつはいない、そんな男辞めておけ」と桃江に進言したいところだが……。桃江のこれまでのセフレたちに比べれば、松田くんはまだちゃんと話し合える方のキャラなので何も言えない。

 松田くんが元カノとグレーになっているショックで、第4話で久々に登場したレズビアンの聖羅さんに会いに行ってしまう桃江。聖羅さんは女性だからこそ、同性である女性に対する扱いがうまく、桃江の自己肯定感を上手に満たしてくれる。

 桃江の方はレズビアンの自覚はない状態だが……男に頼らず幸せになると決めたのに、聖羅さんになら……とほだされそうになる桃江。どっちつかずに揺れる桃江に、心の中で「大丈夫、男の代用にされるのは慣れっこだから」とつぶやく聖羅さん。不思議な魅力がある聖羅さんだけど、きっとこれまでにつらい思いをしてきたこともあるはず。でも、だからこそ、傷ついてきた者の気持ちを理解し、包み込むこともできるのだ。聖羅さんと付き合ったら、これまでとは全く違う生活が待っていそう。でも、桃江の選択は……。

元恋人との間に揺れる思い。「性依存系男子」の選択は…

 一方の松田くんは、会社を休んで元カノの見送り。職場恋愛しておいて、会社を休んでまで元カノを見送りに行くなんて、ぶっちゃけありえないが……。仕事が終わって、屋上で1人泣く桃江のもとに、遅れて登場した松田くん。「住む世界が違うことを実感した」と、元カノを振ったことを桃江に伝えた。

 このセリフも、聞きようによっては「やっぱり元カノのがレベルが上なんだ」とも聞こえるセリフだけど、不安定になっていた桃江には十分すぎる“ただいま”の言葉。その後、2人は……。来世ちゃんにはこれまでなかった「純愛」シーン。これで2人は、幸せになれるのだろうか。

 第4話では自己肯定感が高くポジティブに見えた松田くんの元カノ・華ちゃん。元カレに振られて、1人で異国へ帰路に着くのは、どんな気持ちだろう。聖羅さんも華ちゃんも、志と意思のある女性に見えるが、今回は「強くあろうとする女性」の苦悩も見えた。態度には出さなくても、誰しもがんばっていること、つらいこともある。

 自分の夢のために、元カレを振り回してきた華ちゃん。でも、心のどこかには「自分で決めたことなのだから、道半ばで諦められない」という思いがあるはずだ。松田と別れた後1人泣く華ちゃんには、聖羅さんと重なる部分も。

 桃江の前で弱い部分を見せない聖羅さん、そして松田くんには涙を見せない華ちゃん。強い女性にも苦悩があるし、彼女たちのことも、包み込んでくれる人がいるといいなと思った。立場の違い、志の違い、セクシャリティの違い。居心地のいい人をパートナーに選びたいだけなのに、この世には見えない障壁が多すぎるなとも思った。

 

(文・ミクニシオリ)

弱さを理解できる「性依存系女子」か、ポジティブになれる「自己肯定系女子」か? 内田理央主演『来世ではちゃんとします3』第4話〈ドラマでしゃべりたい〉

2023.01.27 Vol.Web Original

 内田理央主演のドラマ『来世ではちゃんとします3』(テレビ東京、毎週水曜0時30分)。1月25日に放送された第4話では、主人公の桃江(内田理央)がトランスジェンダーの凪(ゆうたろう)とラブホ女子会に。後半は凪の姉でレズビアンの聖羅(ルウト)、松田くんの元カノ・華ちゃん(筧美和子)が登場。優柔不断でなかなか幸せを掴めない桃江とは裏腹に、どんな環境でも自分の意見をしっかり持つ、強い女性たちも登場。その違いはどう描かれていくのだろう。

悩みや弱さを人と分かち合う、マイノリティなふたり

 桃江と凪のラブホ女子会シーンから始まった第4話。ウキウキでラブホ女子会に向かう2人だけど、受付女性は「ラブホ女子会コース」を予約する凪の顔を見て、一瞬固まってしまう。そんな対応にも慣れている様子の凪だけど……やっぱり、傷ついていることも確かなのだ。「未だに男性2人じゃ入れないラブホもある」と凪。

 考えてみれば、同性同士でラブホテルに入れないのって、なんでなんだろう。インターネットで調べると「犯罪を防ぐため」「掃除に時間がかかるらしい」などという不明瞭な理由が出てくる。もちろんホテル側にも事情があるのだろうけど、同性愛者への偏見の目線がある現状も否めない。今は「同性OK」と明記しているホテルも増えているようだけど……。

 至るところで自分に向けられてきた不利な目線に不安がる凪。「将来も自分を殺して普通に男として社会人になっていかなきゃいけないのかな」「僕がもし普通の女の子だったら今までの男性を全員メロメロにできるのにな」。マイノリティであることで、色々と生きづらさを抱えてきている凪。しかし桃江もまた、手に入らないものばかり欲しくなって、性的マイノリティとはまた違う生きづらさを抱えてきた。

「私たちって似てるよね」と、固く手を握り合う2人。お互い絶対幸せになろうね、と誓い合う2人を見ていると、生きづらさや悩みを抱える人に必要なのはお互いに共感しあえる友人なのではないかとも感じる。2人の悩みは同じではないけれど、悩んでいるのは自分だけではないという安心感は大切だ。1人きりで悩み続けるよりは、きっと心強い。

一方…自己肯定感高く、強く生きる女性たち

 その一方で、今回「来世ちゃん」では珍しい強い女性たちも登場した。桃江の彼氏・松田くんは、凪ちゃんの想い人・林くんちに連泊中。元カノへのモヤモヤが晴れず、気を紛らわすかのように友人宅へ転がり込んでいる松田くんだったけど、とうとう「元カノ精算」の決意をする。

 松田くんの元カノ・華ちゃんは、派手ではないけど自己肯定感の高い女性。ピアニストとしての目標が高く、単身海外で活動している華ちゃんちゃん。松田くんとのデートに遅刻してきて「いい女って遅れてくるものでしょ?」とバッサリ言える自己肯定感の高さ。ドラマでは耳にするこのセリフだけど、異性に向かって堂々と言える女性はなかなかいない。だからこそ華ちゃんは、松田くんの心にも残っているのだろう。

 華ちゃんと話す松田くんの心中は、ぶっちゃけ未練たらたら。そんな松田くんに「一緒にフランスに行こうよ!」と誘う華ちゃん。忙しい日常を忘れるべく、女性とは都合のいい関係を作ることで自分の心を守ってきた松田くん。フランスで働いたらどんな感じかな、と想像する彼だけど……。

 日本より働きやすい海外で、個人事業主として働く想像をするも、あまりピンとこない様子。向上心のある人に憧れはするけれども、自分はより想像のつきやすい、日常生活に満足してしまうその気持ち、すごく分かる。華ちゃんのことも憧れの目線は持っているようだけど、どこかで「自分とは違うすごい人」という一線を引いているのかもしれない。だって、肯定感の強い人と一緒にいるには、自分も肯定感を高く持っていないといけない。そうではないと、劣等感で押しつぶされそうになるからだ。

 そんな松田くんに「今の彼女はあなたにとって、将来を共にするパートナーなの?」と持ちかける華ちゃん。なんでもないような顔をしても意外と食い下がってくるあたり、スタジオデルタメンバーにはない意思の強さを感じる。もちろん、桃江とは真逆と言ってもいい行動力と安定した情緒を感じる。

 華ちゃんだってきっと、自分の好きなことを仕事にするために頑張っていて、その夢を叶えるために強くなった部分もあるはず。そう思うと憧れる気持ちも分かるけど、果たして松田くんの決断は……?

 3話の最後には凪の姉・聖羅さんも登場。聖羅さんはなんと、桃江とはレズビアンバーで出会ってワンナイトラブしたこともある。……つまり、聖羅さんはレズビアンなのだ。

 通勤時間にオフィスカジュアルの服装で、颯爽と現れた聖羅さん。凪と似た境遇ではありながらも、社会に順応して生活していることが伺える。しかも、彼氏がいる桃江に対しても「それってつまり、女枠は空いてる?」と強気の姿勢だ。凪と同じ性的マイノリティではありながらも、自身のキャラクターを上手にコントロールしている聖羅さん。聖羅さんの強さの理由はまだ描かれていないが、凪と同じような悩みを抱えたこともあるはずだ。聖羅さんはなぜ、強く生きることができているのか……今後、聖羅さんの生き様がどう描かれるのかも注目ポイントだ。

 来世ちゃんの見どころはやっぱり、どの登場人物についてもその人がなぜ悩み、どんな人生を送ってきたのかを、コミカルながらにしっかり描いてくれるところだ。新しくスポットがあたった登場人物たちの人生も気になるが、松田くんと桃江はどんな選択をしていくのか……来週が待ちきれない。

(文・ミクニシオリ)

整形女子と都合のいい女の苦悩…内田理央主演『来世ではちゃんとします3』第3話〈ドラマでしゃべりたい〉

2023.01.22 Vol.Web Original

 内田理央主演のドラマ『来世ではちゃんとします3』(テレビ東京、毎週水曜0時30分)。18日に放送された第3話では、ソープ嬢に恋する兼業漫画家・檜山くんのアシスタントである整形女子の蜜柑ちゃんが登場。「美しさとはなにか」を考えさせられるとともに、後半では主人公の桃江(内田理央)が、過去のセフレたちを精算すべく大奮闘。色々な人がいる都会で、自分らしくあろうと頑張る女性たちの姿に胸打たれた。

「美しさ」ってなんだろう?

 

  前半では、お気に入りのソープ嬢・心ちゃんのためにスタジオデルタでの本業の傍ら漫画家としても働く檜山くん(ラバーガール・ 飛永翼)と、そのアシスタントのコスプレイヤー女子・蜜柑ちゃん(岬あかり)が登場。

 心ちゃんがソープを連続欠勤しているのを見て、不安そうにLINEで高額のお布施を送金してしまう檜山くん。それでも心ちゃんから返信はなく、寂しそうに肩を落とす。そしてアシスタントの蜜柑ちゃんは、檜山くんが密かにソープ嬢に想いを寄せていることに気づいていた。

 蜜柑ちゃんは檜山くんに恋愛感情があるわけではないが、コスプレイヤーとして男性ファンを抱えていることもあり、小さな自己承認欲求を檜山くんに向けている。決してかっこよくはない檜山くんだけど、自分とは釣り合わないと分かっていてもカワイイ女の子が好きで、蜜柑ちゃんのことはまさに「アウトオブ眼中」と言ったところなのだ。

 承認欲求のコントロールは難しい。蜜柑ちゃんは檜山くんに好意を持っていないので、恋愛的に好意を持っているかどうかに関わらず、自分を認めてほしいと思ってしまうことが分かる。

 美容整形で小さなアップデートを重ねてきた蜜柑ちゃんだけど、それでもまだ他人の美しさと自分を比較してしまう。「非イケメン」であるはずの檜山くんも、ナチュラル美女の心ちゃんにはご乱心なのに、可愛くなったはずの自分のことを性的に見ないことにどこか納得がいかない様子だ。

 美容整形はここ数年でポジティブな認知が広がり、若者の間では「人生を前向きに楽しむための1つの手段」として捉えられている。コンプレックスがなくなって人生を楽しめるなら素敵だけれど、整形を重ねても自分を認められず、醜形恐怖症などの心の病にかかってしまう人もいる。

「美しさ」とは、誰が決めるものでもない。本来、自分が美しいと思えればそれでいいはずなのだが、ルッキズムにあふれた社会の中では、悪意なく他人から美しさをジャッジされることもある。面食いの檜山くんが蜜柑ちゃんに興味を示さないことも、蜜柑ちゃんからするとジャッジされていることになるのかもしれない。

 美しさを人と比べるなといっても、今の社会では難しいことかもしれない。でも美の基準が自分の中にないと、流行りの芸能人や流行の顔によって、自分を変えていくことになってしまうかもしれない。蜜柑ちゃんの今後が心配だ……。

「都合のいい女」の苦悩

 

 後半では、相変わらずスタジオデルタの同期・松田くん(小関裕太)とイイカンジの桃江が、シーズン2まで引きずってきたセフレたちを全員精算することを決意した。「彼氏ができたから、もう会えない」と送ると、セフレたちからは様々な反応が。寂しがる人、軽い返事で終わらせる人……。中でも、シーズン2で同棲までしたEくん(おばたのお兄さん)からは意外な反応が。

 家まで押しかけてきて「浮気してごめん。お前がいなきゃだめなんだ」と迫るEくんに、桃江がこれまでにないほどの怒りを見せる。元恋人という関係はグレーで、その分都合よく戻ったり離れたりもしやすい。失ったものほどもったいなく感じるのは、人間として当たり前の心理だ。でも、都合よく済ませてしまってきた関係の相手は、その楽さに慣れてしまっている。だからこそ、また都合よく扱われるかもしれない……そんな不安が桃江の胸にもあるはずなのだ。

 その状況を、彼氏である松田くんに偽りなく話す桃江。松田くんは冷静だったけど、人によってはかなり怒られてもおかしくない。その話を聞いて、彼自身も引きずっていた元カノを精算すべきか悩んでしまう。そんな彼に、桃江は「きちんとその子に会って、その上で私たちがどうするか決めて」と言い放つ。

 昔の異性を引きずっているなんて、現実でもよくあるシチュエーション。だけど、元恋人に会って考えておいで、なんて普通は言えない。だって、今自分が好きだと思っている人が、自分以外の要因で自分から離れていくかもしれないのだから。

 心に残ったわだかまりは、そのままにしておけば消えるとは限らない。1年、2年と時を過ごした後に心変わりされるくらいなら、今すぐ精算してもらった方が時間的にも、心的にもダメージは少なくて済む。

 それでも付き合いたての絶頂の時期には、なかなか言い出せることではない。桃江の人間的な成長を感じることができた回だった。今まで都合よく扱われていた相手に「ナメるな

」と言い放ち、やっとできた健全な恋ともまっとうに立ち向かおうとしている。松田くんの心が、今後どう動くのかが気になる。

(文・ミクニシオリ)

ジェンダーで起こる問題と、ジェンダー社会に生きる私たちの幸せって?内田理央主演『来世ではちゃんとします3』第2話〈ドラマでしゃべりたい〉

2023.01.15 Vol.Web Original

 内田理央主演のドラマ『来世ではちゃんとします3』(テレビ東京、毎週水曜0時30分)。1月11日に放送された第2話では、主人公・桃江の働くデザイン会社「スタジオデルタ」を取り巻く個性豊かな登場人物たちが勢揃い。無性愛、トランスジェンダー、特殊性癖など……多様なジェンダーを持つ人々が登場し、それぞれ悩み、苦悩している。

人とは違うジェンダーに苦悩する登場人物たち

 第2話は、主人公の大森桃江の周囲の人間関係が一気におさらいされた。付き合った彼女の浮気で深く傷つき、セカンド童貞となってしまった上に処女信仰を持ってしまった林勝(後藤剛範)。そして、そんな林に想いを寄せる、トランスジェンダーの凪(ゆうたろう)が登場。

 恋愛経験が少なく、異性に対して正直な態度を取ることしかできない林は、外見の整った凪に好意を抱きつつも、自分の中にある違和感を許せない。その結果、いつも凪にどっちつかずな態度を取ってしまい、いつも結果的に傷つけてしまう。処女信仰と恋愛経験の少なさゆえに、女性の本質を見抜くことのできない林。その恋愛遍歴は、林をセカンド童貞に追い込んだ最初の彼女と、別れたばかりのお隣りさん、ソープ嬢・梢……のみだ。

 セクシャリティゆえに傷ついた経験も多い凪は、林に再三「異性で傷ついた心は、異性で癒やす」ことを勧めてきた。しかし、正直者で不器用な林は、2人の元カノのことを引きずったまま、凪に頼ることを怖がってしまう。

 来世ちゃんは、とにかく一方通行の恋愛が多い。実際に男性に受け入れてもらったこともある凪も、今はストレートの林を好きになったしまったからこそ、苦しんでいる。主人公の桃江も、自身の外見に自信がなく、風俗嬢にガチ恋している檜山トヲル(ラバーガール・飛永翼)も……片想い地獄だ。

 もしかしたら現実世界も同じなのかもしれない。心に秘めている人がいても、周りにはそれを打ち明けない人もいる。好きな人が自分を好きになってくれるなんて、ある意味奇跡的なことであって……その上自分のジェンダーを受け入れてくれることは、さらに奇跡なのかもしれない。

 後半では、無性愛者(アセクシャル)の高杉梅(太田莉菜)のところに、親友がやってくる。梅ちゃんの友人のりんごちゃんは、グロテスクさに興奮を感じる「リョナラー」。現実にはできないことに性的興奮を覚える自分のことを「異常性癖持ち」と自称するりんごちゃんは、彼氏にそのことをカミングアウトしていない。

 気づいた時には血や肉片に興奮を覚えていたりんごちゃんだが、現実でそんなことをすれば大変なことになってしまう。だから彼女は彼氏には自身の性癖を伝えず、実際の情事では脳内で妄想することで終わりにしている。

 性癖も性自認も単なる「趣味」ではなく、ひとつの個性だ。それが人と違うというだけで、周りに打ち明けられなかったり、人から理解されなかったりして傷つく人がいる。

 今日本では、急速にジェンダーへの理解を進める動きがある。しかしそれはまだ発展の途上で、今もまだ自身のジェンダーで苦しむ人がいる。人の生活から、恋愛を切り離すことは難しい。そして、恋愛からジェンダーを切り離すことも難しい。だからこそ、彼女たちの悩みはなかなか尽きない。

 シーズン1からずっと、林に好意を持っている凪。たとえソープ嬢であっても、元カノの梢ちゃんを忘れられない林くん。そして彼氏とのわざとらしいほどのラブラブぶりを見せてくれたりんごちゃん。彼女たちの幸せは、今後どのように描かれていくのだろう。

自分らしい幸せの見つけ方って、なんだろう

 性の問題は自分だけで解決しづらいことも多く、根の深い悩みに発展しやすい。しかし、今回はちょっと明るい話題も。

 桃江の同期・高杉梅は無性愛者で、人を好きになるという気持ちが分からない。取引先の男性に言われる「御社の女性はみな美人で仕事もできて」「そういえば、〇〇さんが高さんのことタイプって言っていましたよ」など、相手は褒め言葉のように伝えてくることが、異性に女性として見られることが苦手な梅ちゃんにとってはセクハラなのだ。

 そんな梅ちゃんだけど、イラストを描くのが趣味で、SNSで漫画を投稿して、いいねを追うことが密かな楽しみ。ボーイズラブが好きで、恋愛漫画にもトライしている梅ちゃんの最近のブームは、漫画のために他人の恋愛や情事を想像してみることだった。

 妄想を繰り返した末に、まずは自身の経験をエッセイ漫画にして投稿してみることにした梅ちゃん。すると、漫画がネットで大バズ!無性愛者であるということを親にカミングアウトできておらず悩んでいた梅ちゃんだけど、彼女は「自分らしい喜び、幸せの見つけ方」を自分で模索している。

 性の問題はどこまで行っても私たちにまとわりついてくるけれど、性やジェンダーとあえて関わろうとせずとも、幸せになる方法を模索している人もいる。ジェンダーだけでなく、幸せのカタチだってそれぞれだ。来世ちゃんの登場人物たちは、周りと自分を比べてしまう人も多い。けれど、小さな夢を叶えた梅ちゃんを見ていると、なんだか元気になる。

 来世ちゃんを見ていると、それぞれの悩みに事情があるということが分かる。そのものが、悩みを抱えるのは自分だけではないというエールにも聞こえるし、頑張り方、人生の進め方もそれぞれなのだということが分かる。

 あなたは登場人物のうち、誰に共感しましたか?共感した登場人物がどうやったら幸せになれるのか、客観的に考えてみると、あなたの目指すべき「人生のゴール」も見つかるかもしれない。

 

(文・ミクニシオリ)

今どきの「こじれ世代」性依存系女子は都会で幸せになれるのか? 内田理央主演『来世ではちゃんとします3』第1話〈ドラマでしゃべりたい〉

2023.01.06 Vol.Web Original

  内田理央主演のドラマ『来世ではちゃんとします3』(テレビ東京、毎週水曜深夜0時30分)の放送がスタート。いつまちゃんによる同名の人気漫画が原作のドラマも、話題が話題を呼びシーズン3に突入した。

 内田演じる主人公の大森桃江は、デザイン会社で働く普通のOL……と見せかけた、セフレ5人持ちの”性依存系女子”。主人公を中心に、デザイン会社で働く仲間や、主人公のセフレたちの「性から来るこじれ」にスポットライトを当て、性の多様性をポップに描いたことで話題を集めてきた。シーズン3は、桃江が性依存からの脱却を目指すべく性行為断ちするシーンから始まる。登場人物たちが性に対するコンプレックスや歪みを垣間見せるシーンも多く、彼らが「いかにしてこじれたか」が細かく描写されることも本作の見どころ。赤裸々なのに、どこか優しくて哀しい令和のラブコメディをレビューしていく。桃江たちはこれから、東京で幸せに暮らしていくことができるのだろうか。

日々のストレスを性で解消してきた若者は、性依存から脱却できるか?

 1回30分、2話編成で構成されることが多く、テンポのいい展開でどのシーズン、どの話から見始めても楽しめるのも魅力の本作。各話で様々な登場人物の性における多様性やコンプレックスが開示されていくが、第1話は主人公の桃江と、桃江の職場の同僚である松田健(小関裕太)にスポットが当たった。

 2人はこれまで、タイプの違う性依存に苦しんできた。2人とも、性行為の経験は多くともまっとうな恋愛経験は多くない。桃江の場合は、性交渉に発展すると相手に対して好意をいだきやすい。しかし相手から本気の好意が返ってくることはなく、性行為でジャンキーに承認欲求を満たしながらも、誰かに本気で愛されるという経験の乏しさから、結果的に自己肯定感を下げてしまう矛盾に苦しんでいた。

 一方、松田くんは、これまで「誰かを本気で好きになる」という経験があまりなかった。ルックスの良さを理由に女性に言い寄られることは多くとも、彼自身が本気になれないことで、結果的に女性から怒りを買うこともしばしば。ファストな性行為で一瞬満たされても、関心が続かないことで女性を傷つけることに罪悪感を持っていた。

 そんな2人がお互い別の理由でセフレ断ちを決意し、シーズン2で急接近。交際を始めるも、これまでの性行為のトラウマから「性行為なしの交際」を約束する。第1話はその約束から3カ月以上が経過し、未だ触れ合うことをガマンしている2人の様子から始まる。2人はこのまま、性依存から脱却できるのだろうか?

 

主人公の新しいフェーズに喜びの声も。幸せになってほしい

 とはいえ、前シーズンでは「誰かから愛されたい!」と号泣していた桃江。その頃から考えれば、職場で本命彼氏ができたことは彼女にとって大きなステップだ。1話では、桃江が身近な環境に彼氏が存在する喜びを噛みしめるシーンも。SNSでは、一般的なラブコメドラマのような展開に「安心した」という声も上がっていた。

 しかし2人はまだ、緩すぎた異性関係の副作用に苦しんでもいる。性行為をしたら、また前のような失敗を繰り返してしまうのではないかという怯えから、なかなか関係を進展させられない。それでも、過去のセフレたちから連絡が来ると、気軽だった頃の思い出が蘇る。忙しい2人にとっては、性行為はエナジードリンクのような効果を持っていたのかもしれない。日常的にパートナーに気を使い合う時間と余裕が、ブラック気味に働くビジネスパーソンである彼女たちにはない。だから、気兼ねなく責任もないセフレ関係に甘んじてしまっていたのだ。1話では桃江と同僚が「今年もお正月休みなかったね……なんか、毎年同じことを繰り返しているよね」とため息をつくようなシーンも。

 物語の舞台となるデザイン会社・スタジオデルタのブラックさはかなりリアルで、だからこそプライベートの人間関係が希薄でジャンクになっていく様子も、都会で働く若者から見ると共感性が高い。今や、職場や学校で恋愛する人と同じくらい、マッチングアプリなどで知り合いではなかった人と恋愛する人もいる時代。普通の恋愛を知らないまま性の価値観や恋愛観が歪んでしまう若者も増えているため、登場人物の誰かしらに共感を持ってしまうのも、本作に引き込まれていく理由の1つだ。だからこそシーズン3で始まった、桃江と松田くんのピュアなようでピュアではない、若干いびつな恋愛関係に注目が集まっている。

 

ピュアな恋愛シーンに紛れた過激シーンでひと笑い

 第1話では結局、ボディタッチ的な進展がなく終わってしまった2人。最後は松田くんに、元カノからのメッセージも舞い込んできて、今後また波乱が起こりそう。2人の幸せを願う平和主義な視聴者にとっては、ハラハラする展開が予想される。しかし、性に頼って生きてきた男女が性関係なしでどう人生を充実させていくのかが、シーズン3の最たるテーマであると想像できる。2人は誘惑に打ち勝って、自分を犠牲にしないで済む恋愛関係を作っていけるのだろうか。

 シーズン3は桃江たちが奔放な性生活を改善していく意思を持ったタイミングからのスタートとなったが、回想シーンではこれまで通りの「過激シーン」も。桃江のセフレたちにはそれぞれの性癖があり、10人いれば10通りある性的指向の多様性にも触れてきた同作。今回も、桃江の回想でクセの強いお色気シーンは健在だった。

 特に、シーズン2で実質お別れを告げたはずのAくん(塩野瑛久)との回想は、今回もかなり衝撃的だった。ハイスペイケメン商社マンのAくんは、厳しい家庭で親の期待に答え続けたことで性的嗜好をこじらせてしまっている。しかしお別れしてもなお、夢に見るほどの好意をAくんに持つ桃江。桃江がAくんのことを忘れない限り、松田くんとのピュアな恋が続いても、ハードな性癖に答える桃江のいじらしさを感じる回想も続きそうだ……。

 

魅力的な登場人物の今後にも注目

 桃江の働くデザイン会社は曲者揃い。無性愛者の高杉梅(太田莉菜)、処女厨でセカンド童貞の林勝(後藤剛範)、風俗嬢に恋する檜山トヲル(ラバーガール・飛永翼)……彼らもまた忙しい日々の中で、自分らしい幸せ、自分らしい恋愛との向き合い方を模索している最中だ。主人公とはまた違う、性の悩みを抱える登場人物たち。あなたは、誰に一番共感するだろう?ドラマを見ながら、今どきの若者の多様性、自分とは違う価値観にも触れていける良作ドラマ『来世ではちゃんとします3』。今週から毎話レビューしていく。

 次回更新もお楽しみに!

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