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天才・ニッポンの社長に、1ミリグラムでも責任を感じさせた自分をぶん殴りたい〈徳井健太の菩薩目線 第171回〉

2023.05.30 Vol.Web Original

“サイコ”の異名を持つ平成ノブシコブシ・徳井健太が、世の中のあらゆる事象を生温かい目で見通す連載企画「徳井健太の菩薩目線」。第171回目は、ニッポンの社長について、独自の梵鐘を鳴らす――。

 お笑いの世界には、「天才」がいる。俺が何億光年生きたとしても、まるで思いつかないようなことを、瞬時に作り上げてしまうバケモノのような存在。

 たとえばニッポンの社長。どこからどう見ても天才のソレ。ことあるごとに俺は、「ニッポンの社長は面白い」なんて持ち上げ、彼らが作り出す世界観に感心していた。

 少し前、俺とトレンディエンジェルのたかしがMCを務めるライブに、彼らが参加したことがあった。大阪に拠点を置く彼らだったが、以前から辻とケツとは話をする機会がそこそこあり、大阪の若手とほとんど接点を持たない俺にとって、彼らは妙な親近感を抱いてしまう気になる存在でもあった。

 その日、二人とはあまり話す機会がなく、物足りなさを感じながらエンディングを迎えた。舞台から降り、帰ろうと踵を返すと、辻が俺を呼び止めた。

「すみませんでした」

 そのライブは、『キングオブコント2022』が終了して間もない頃に行われたものだった。この年、彼らは暗転を多用するコントで挑んだものの、結果は最下位に沈む。天才に似つかわしくない順位だったと思う。

「徳井さんがあんなにほめて応援してくれていたのに、ふがいない結果で申し訳ないです」

 そう辻は続けた。

 彼の言葉を聞いて、自分の浅はかさに恥ずかしくなった。ずば抜けた才能がある人間に対して、プレッシャーになるようなことを知らず知らずのうちにしていたんだと思うと、こちらが彼に謝りたい気持ちでいっぱいになった。たった1ミリグラムでも重石になってしまっていたのだとしたら、なんてことをしてしまったんだろうと、後悔の念が押し寄せてきた。

 今年4月に行われた『敗北からの芸人論 トークイベント vol.4 』、そのゲストにニッポンの社長が来てくれた。お互いに、あの日のことを覚えていた。「すみませんでした」。今度は俺が、二人に謝った。

 あらためて彼らと話をしてみると、「余計なことは言うまい」と誓ったはずなのに、やっぱり天才コンビだな――なんて思ってしまうから、人間というのは都合の良い生き物だなと思う。

 一見すると、ケツがギフテッドなキャラクターに見えてしまうけど、いやいやどうして辻の方が狂気に包まれていた。いや、ケツもおかしいんだけれども。

 ケツは20代前半まで作曲をしていたそうだ。ところが、25歳を境にピタリと曲が浮かばなくなり、「枯れた」と苦笑していた。しきりに、「サザンオールスターズはすごいんです! 桑田佳祐さんはすごいんです」と訴えていたけれど、そんなことは日本国民のほぼ全員が思っていることであって、あらためて主張することでもないだろうと、俺は思った。

 辻は辻で、ロングコートダディの堂前やマユリカの阪本らと『ジュースごくごく倶楽部』というバンドを組んでいる。ニッポンの社長は音楽的な側面も持つ……ということは、意外に知られていないかもしれない。

 辻は、突然メロディが降りてくるらしく、思いつくとそのメロディーを録音し、その音源をもとに堂前たちに伝えて作曲するそうだ。ドラムの打ち方まで鮮明に刻まれているといい、完成された曲が頭の中に浮かぶ、と説明してくれた。

 だからなのか、「ネタも台本がない」という。練習をしてしまうと飽きてしまうため、ぶっつけ本番でネタをしながら完成度を高めていくと教えてくれた。ケツは、辻が頭に描いている完成系に、本番の中で近づけ、舞台を降りると「あそこはちゃうなぁ」と辻からディレクションが入ると笑っていた。本番の最中に、調律と限界突破を同時にこなす。映画『セッション』みたいなことを、辻とケツはしているということになる。なんだ、やっぱり天才じゃないか、この二人。

 この春から、ニッポンの社長は東京に進出した。彼らに加え、ロングコートダディ、紅しょうが、マユリカ、シカゴ実業、マルセイユ……大阪漫才劇場の第一線で活躍してきた錚々たるメンバーが、大挙、進出してきた。

 辻は、トークイベント vol.4 でその理由を教えてくれた。

「僕らは漫劇の中で一番上にいますけど、下の勢いがすごすぎる。あと3~ 4年はいけると思っていたんですけど、このままだと賞味期限が1 ~2年に早まってしまう。下から突き上げられて、大阪で仕事がなくなって東京に出てきたと思われたくなかった。東京に進出するなら今年しかないと思ったんです」

 大阪には、一体どれだけ天才がひしめいているんだろう。と同時に、そういうことをさらっと隣の兄ちゃんみたいなテンションで話してくれるニッポンの社長に、やっぱり俺は夢を見てしまう。

 

※「徳井健太の菩薩目線」は毎月10・20・30日の更新です

三代目 JSB 山下健二郎の山フェス、EXILE TRIBE、お笑い芸人らのパフォーマンスに沸く

2022.03.05 Vol.Web Original

 人気ラジオ番組『三代目 J SOUL BROTHERS 山下健二郎のZERO BASE』(ニッポン放送、毎週日曜21時40分~)のイベ ント「山フェス 2022~YAMASHITA GREATEST SHOW CASE~」が5日、東京・国際フォーラム ホールAで開催された。山下健二郎が”ショーマン“として、後輩グループや芸人、DJなどさまざまなゲストとコラボレーションした豪華なショーでリスナーを楽しませた。

 イベントは、番組パートナーのBALLISTIK BOYZの松井利樹、FANTASTICSの澤本夏輝、 THE RAMPAGEの岩谷翔吾、山下健二郎で、映画『グレイテスト・ショーマン』の「The Greatest Show / ザ・グレイテスト・ショー」に乗せてた大迫力ダンスでスタート。山下は「気持ちいいね。会いたかったよー!久々―!」と第一声。約2年ぶり、通算3回目の開催を喜んだ。 

 山下は出演者としてステージを盛り上げるのはもちろん、オーガナイザーとして考えた出演者やイベントの企画が登場。

 最初のテーマ「Comedy」では、5GAP、ニッポンの社長、コロコロチキチキペッパーズがネタを披露したほか、山下がニッポンの社長とコラボ。‘ヒーローインタビューで何でも答えてくれる野球選手に、だんだん記者からの質問が野球と関係ない質問になっていく’という漫才に挑戦した。その後のトークでは、5GAPのクボケンがかつてLDHのボーカルオーディションを受けていたことも発覚した。

 山下の夢を叶えるテーマ「Dream」では、山下が番組で話していた「相席居酒屋とメイド喫茶に行きたい」という夢を実現するために、ステージ上にメイドカフェが登場。秋葉原のメイドカフェからメイドが駆けつけ、メイド喫茶通のトレンディエンジェルのたかし、そしてナダルの3人でサービスを体験。メイドから名前を付けられたり、美味しくなるおまじないをかけたり、猫耳をつけてチェキを撮ったり夢のような時間を堪能した。

 

M-1準決勝進出者が決定!ぺこぱら昨年のファイナリスト含む25組

2020.11.18 Vol.Web Original

 漫才日本一を決める「M-1グランプリ」の準決勝進出者が18日、発表された。進出者は12月2日に東京・NEW PIER HALLで開催される準決勝で戦い、その日、ファイナリストが決まる。

 準決勝進出を決めたのは以下の通り。

キュウ
ダイタク
カベポスター
オズワルド
ロングコートダディ
コウテイ
ニッポンの社長
ニューヨーク
タイムキーパー
ゆにばーす
おいでやすこが
滝音
マヂカルラブリー
学天即
からし蓮根
ランジャタイ
東京ホテイソン
アキナ
インディアンス
祇園
錦鯉
ウエストランド
見取り図
金属バット
ぺこぱ

 今年も準決勝のライブ・ビューイングを映画館、COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールの全国47都道府県107会場で実施する。白熱の準決勝はもちろん、ファイナリスト決定会見の模様を、ノーカットで届ける。

 決勝は12月20日。当日は例年通り敗者復活戦も行われる。「M-1グランプリ2020」の、ABCテレビ・テレビ朝日系列24局で放送。決勝は18時34分から。敗者復活戦は14時55分から。決勝の1週間前の13日には事前特番(12時55分~)を放送する。 またラジオ番組もある。

 審査員は、オール巨人、上沼恵美子、立川志らく、富澤たけし(サンドウィッチマン)、中川家・礼二、塙宣之(ナイツ)、松本人志(ダウンタウン) ※50音順

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