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ハリルジャパン欧州遠征1敗1分け初代表の中島活躍もW杯に不安残る

2018.04.06 Vol.705

 サッカー日本代表(侍ジャパン)は3月の欧州遠征でマリ(23日)とウクライナ(27日)と対戦。1敗1分けに終わった。

 マリを仮想セネガル、ウクライナを仮想ポーランドに位置付けてのテストマッチだったが、6月に開幕する「ワールドカップ(W杯)ロシア2018」に大きな不安を残した。

 マリ戦では日本は前半からボールを支配するものの決定機を作ることもなかなかできない。前半終了間際にはPKを与え先制を許す苦しい展開となった。後半25分には久々に代表復帰した本田を投入するもなかなか得点には至らない。しかしW杯に向け秘密兵器と期待される中島が後半途中から代表デビュー。試合終了間際に三竿のクロスに合わせ同点ゴールを決め、チームの危機を救った。

 中島は得意のドリブルで再三相手ゴールまでボールを運ぶなど積極的な動きでメンバー入りをアピールした。

 ウクライナ戦ではマリ戦から先発を8人変更。本田と柴崎が昨年9月のサウジアラビア戦以来の先発を果たした。

 ウクライナは前半21分、ペナルティーエリアの左寄りでボールを受けたラキツキーがほぼノーマークの状態で放たれたシュートはDFの植田をかすめ、日本のゴールへ。日本はマリ戦に続き追いかける展開となる。

ハリルジャパン2連勝で2次予選トップ維持も課題山積

2015.11.20 Vol.655

 サッカー日本代表はワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア2次予選でともにアウェーでシンガポール(12日)、カンボジア(17日)と対戦。連勝し勝ち点16としてE組トップを守った。

 日本代表の次戦は来年3月24日のアフガニスタン戦(埼玉スタジアム)となる。
 シンガポールとは6月に行われた2次予選の初戦でスコアレスドローに終わっている。日本は序盤から攻勢に出て前半20分、久々の代表復帰となった金崎が国際Aマッチ初ゴールで先制。6分後には本田が4戦連発となるゴールを決め、試合終了間際には吉田が左足で決めてダメ押し。今回は3−0で快勝した。得点こそあげられなかったが、武藤が2アシスト。ボランチで先発した柏木も多彩なパスでゲームをコントロールするなど実りの多い一戦だった。

 続くカンボジア戦はスタメンを8人入れ替え、本田もベンチスタート。新戦力を試しながらの試合となったが、さすがにそれだけ選手を入れ替えると、コンビネーションもいまいちで、前半はもどかしい展開が続く。
 ハリルホジッチ監督は後半開始から柏木を投入。柏木は中盤の底からゴール前の絶妙な位置にロングパスを放り込み、PKを獲得する。ここで岡崎が蹴ったPKはGKの正面へ。一瞬嫌なムードが漂ったものの、その5分後、今度は柏木のフリーキックが相手DFのオウンゴールを誘い、日本が先制した。

 柏木一人入っただけでずいぶんリズムが良くなった日本だったが、なかなかフィニッシュにはつなげられない。後半17分には本田を投入。徐々に落ち着きを取り戻すと、後半41分には南野を投入。45分には左サイドからの藤春のクロスを本田がドンピシャのヘッドで合わせ、やっと2点目をあげた。試合は2−0で勝利したがハリルホジッチ監督は「何人かの選手にはかなり怒っている」と話すなど課題の残った一戦だった。

 なお本田は5戦連続得点となり、これは日本のW杯予選初の快挙。それまでは85年メキシコ大会の木村和司の4試合連続。また日本はW杯予選史上初の6試合連続完封を成し遂げた。

ハリルジャパン シリアを破りW杯アジア二次予選で首位に

2015.10.23 Vol.653

 サッカー男子の日本代表が8日、ワールドカップ(W杯)アジア二次予選でシリアと戦い、3−0で勝利を収め、E組で首位に立った。

 日本は前半こそ無得点に終わったが、後半10分に岡崎がペナルティーエリアで倒されPKを取ると本田がきっちり決めて先制。日本のPKは、1月のアジア・カップのイラク戦で本田が決めて以来。

 日ごろからPKが取れないことを「理解できない」と嘆いていたハリルホジッチ監督は試合後「ようやくそれが実現したが16メートルの中でまだまだアグレッシブさが足りない」と語った。

 そして同25分には香川が左サイドを切り込み、相手DFの股を抜くパス。それを岡崎が右足で押し込み2点目。43分には清武、本田とつないだボールを宇佐美が3月のウズベキスタン戦以来約半年ぶりとなる代表2点目で3−0とダメを押した。

 ハリルホジッチ監督は試合後「この勝利は良いものをもたらしてくれた」と取りあえず勝利し首位に立ったことは評価したものの、「前半は満足していない。まだまだ向上の余地がある」とし、反省点を口にした。

 そして日本は13日に国際親善試合でイラン代表とアウェーで対戦。1−1で引き分けに終わった。

 シリア戦から先発メンバー5人を入れ替え、FWは武藤が1トップに入り、宇佐美と本田という布陣。

 前半終了間際にペナルティーエリア内でDF吉田がシリアのMFトラビを倒してしまいPKを献上。MFデヤガが蹴ったボールは一度はGK西川が弾いたものの、詰めていたトラビにシュートを許し先制される。

 しかし後半3分、右サイドからの本田のクロスをGKがパンチングでセーブしたところ、相手DFと競り合っていた武藤の背中にあたりボールはそのままゴールへ。すぐに1−1の同点に追いついた。

 その後は互いに決め手を欠きドローに終わった。後半43分に今季からザルツブルグに移籍し、ここまで6得点を挙げていた南野拓実が代表デビューしたが、いかんせん出場時間が短く、戦況を打開することはできなかった。

 ハリルホジッチ監督は試合後「戦うシーンもあったが、前半は全く満足していない。PKを与えたのは集中が足りていなかったから。後半はずいぶんよくなって同点に追いついた。もう少し冷静さがあれば、2点目が入って、我々が勝っていたと思う」と試合を振り返った。

 今後の日本代表は11月12日にシンガポール、17日にカンボジアと、ともにアウェーで2次予選を戦う。

サッカーW杯予選 ハリルジャパンが2連勝で反撃ののろし

2015.09.11 Vol.650

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア2次予選で、日本代表は3日に埼玉スタジアム2002でカンボジア代表と対戦し、3−0で勝利を収めると、8日にはイラン・テヘランのアザディスタジアムでアフガニスタンに6−0で圧勝。2勝1分けの勝ち点7とし、E組で2位となった。

 6月のシンガポール戦でまさかのスコアレスドローとなり暗雲漂うスタートとなった日本代表。その後の東アジア杯でも勝利なしの最下位に終わり、ハリルホジッチ監督の采配にも疑問符がつけられる中で迎えた今回の2連戦だったがしっかりと結果を残した。

 しかしカンボジア戦の立ち上がりはやや硬さが見られ、チャンスは作るものの決められないという初戦を引きずった戦いとなる。前半18分に右サイドの展開からつながったパスを武藤が空振りした時には思わずハリルホジッチ監督もお手上げポーズを見せた。

 相変わらず引いて守る相手のゴールをこじ開けることができない。しかしこの窮地を救ったのはエースの本田。28分に相手のクリアボールを拾った山口が本田につなぐと、無回転のミドルシュート。GKの正面だったものの、手を弾いてボールはそのままゴールに吸い込まれた。

ハリルジャパンがイラクに4-0快勝 宇佐美初先発 原口が代表初ゴール

2015.06.12 Vol.644

 サッカーの国際親善試合「キリンチャレンジカップ2015」が11日、神奈川県の日産スタジアムで行われ、日本代表がイラク代表と対戦し4-0で快勝した。これでハリルホジッチ監督は就任以来3連勝となった。
 日本はGK川島、DF長友、槙野、吉田、酒井宏、MF長谷部、香川、柴崎、FW岡崎、本田、宇佐美という布陣。
 宇佐美は代表初スタメンで、会場に宇佐美の名がコールされると大歓声が起こった。
 日本は前半から数字に表れる支配率以上にゲームをコントロールする。開始早々に放った本田のファーストシュートはGKにクリアされたものの、その3分後の前半5分に柴崎がハーフウェーライン付近から放った浮き球のスルーパスに反応した本田がDFに競り勝ち左足でゴールを決め先制する。
 試合後「冒頭15分は失点なしで試合を進めたかった」とセルマン監督が語ったようにイラクは早くもゲームプランに狂いが生じる。
 そんなイラクに日本は攻撃の手を緩めない。前半9分には香川の蹴った左コーナーキックをファーに走り込んだ槙野が左足で押し込み2点目。槙野はうれしい3年ぶりの代表ゴールだった。
 積極的に少ないタッチでボールを前に前に運ぶ日本に、イラクDFは最終ラインを下げざるをえない状況が続く。
 32分には柴崎のパスを受けた宇佐美がドリブルで切り込み、DFを引きつけたところで、フリーになった岡崎にパス。岡崎のシュートはGKがなんとか手に当てたものの、ボールはゴール右隅に吸い込まれ3-0とリードを広げた。
 その後も岡崎、宇佐美、本田の素早いパス回しで相手DFを翻弄するなど、危なげない試合運びで前半を終える。

ハリルジャパン2連勝スタート

2015.04.10 Vol.640

 3月にサッカー日本代表新監督に就任したハリルホジッチ監督の初陣となる国際親善試合チュニジア代表戦(3月27日、大分・大分銀行ドーム)とウズベキスタン代表戦(3月31日、東京・味の素スタジアム)が行われ、日本代表は2−0、5−1で2連勝を飾った。

◆   ◆   ◆

 チュニジア戦は監督が戦前「たくさんプレーしてこなかった選手を使いたい」と語ったとおり、初代表のDF藤春、FW川又がスタメンに名を連ねた。FWも右に永井、左に武藤と若い世代が起用される。また大分トリニータで育ったMF清武がコールされると会場には一際大きな歓声が上がった。

 前半は両サイドのスピードのある永井と武藤がDFの裏を狙い、そこにロングパスを出すという決め事があったのだが、ボールを奪っても横パスや細かいパスを出す場面が見られた。しかしそんななかでも永井、武藤は積極的に裏を突く動きを見せた。川又は前半21分には清武のコーナーキックを頭で合わせるも惜しくもクロスバーを叩き、代表初ゴールを逃す。しかしその打点の高さに大きな印象を残した。藤春もフリーキックのキッカーを務め、フル出場を果たすなど、新戦力が期待を裏切らない動きを見せた。

初得点は岡崎のヘッド

 しかしなかなか点を取るには至らない。

 そんなムードを打破したのはこれまで代表を守ってきた選手たちだった。

 後半15分、永井と清武を下げ、本田と香川を同時投入すると試合が動き出す。27分には、武藤と川又を下げ、岡崎と宇佐美を投入。これで日本は完全に攻撃の主導権を握り。33分にはボールを持った香川がドリブルで切り込み、左の本田にパス。本田は倒れ込みながらクロスを上げると岡崎がドンピシャのタイミングでヘディングシュートを決め、先制。記念すべきハリルジャパンの初得点となった。

 押せ押せムードの日本は38分には、本田からのパスを宇佐美、岡崎、香川とつなぐ。そして香川がペナルティーエリア左から上げたクロスをGKがはじいたところゴール前に詰めていた本田が滑り込みながら決め、2点目をあげた。

 終了間際には香川のスルーパスに反応した宇佐美が右足でシュートを放つも、惜しくもポストに当たり、代表初ゴールを逃した。

 2−0で初陣を飾ったハリルホジッチ監督は試合後「選手を褒めたい。スタートから勇気とやる気を見せてくれた。彼らにブラボーと言いたい」と選手をねぎらった。そして前半のボールを奪った後のパス回しについて「ボールを奪ったあとのゲーム支配にはまだ満足していない。奪ってからの最初のパスがまだ十分ではない。奪ったあとに短いパスを使い過ぎ。もっと長いパスを使いたい。スピードを求めたので、速すぎたところもあった」と改善点もあげた。また本田と香川については「彼らは自分たちのクオリティーを見せてくれた。日本代表のキーとなる選手だと思う。彼らには厳しい要求をした。この2人が自分の能力をすべて出せば、ゲームが変わるというのを見せてくれた。テクニックだけでなく、規律、丁寧さ、勇気、守備のアグレッシブさも見せてくれた。チーム全員がこれを見せないといけない」と語った。

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