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本作をもって劇団を「変態」サンプル『ブリッジ』

2017.06.12 Vol.692

 青年団の若手自主企画公演を経て2007年に劇団として旗揚げした「サンプル」が今回の公演をもち、いったん劇団としての活動を休止。今後、その名称は主宰を務める劇作家で演出家、そして俳優の松井周の個人ユニットを指すこととなる。

 サンプルは結成当初は通常の演劇公演を中心に活動してきたが、時が経つにつれ、劇場ではない場所での作品作り、サンプル・クラブに代表されるコミュニティー作り、そして松井の好奇心を形にした雑誌作りなど活動が多岐に渡ってきた。

 劇団という枠ではくくり切れなくなった今、劇団の展開を試行するなかで10周年の節目を契機に劇団を「変態」させ、第二形態を目指すこととなったという。

 今回の作品のテーマは「宗教」。コスモオルガン協会という架空の新興宗教団体の信者たちを描く宗教劇。彼らを通じて集団と宗教、現代という時代に宗教に何ができるのか、といった問題があぶり出される。

 今後、サンプルに所属していた劇団員たちが松井の作品に出演することもあるだろうが、多分今まで通りではない。また過去の公演は1つとして映像化はされていないだけに、これまでのサンプルを感じる最後のチャンスとなる。

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