SearchSearch

天然水のラベルに書かれた「ウォーター・ポジティブ」とは?

2023.10.09 Vol.web Original

 今年の夏も記録的猛暑と言われるほど暑い夏となり、日常的な水分補給として清涼飲料に手を伸ばし、喉を潤した方も多かったはず。さまざまな飲料が売れる中で、水分摂取の代表格である「ミネラルウォーター」の消費は、今年も例年以上に伸びたそうだ。

「ミネラルウォーター」と言えば、5年連続で清涼飲料市場No.1(サントリー調べ)となった「サントリー天然水」が有名だ。誰もが一度は見たことがある、と言っても過言ではない商品だが、昔からCMなどで見てきた山梨県の「南アルプス」以外にも、熊本県の「阿蘇」、鳥取県の「奧大山」、長野県の「北アルプス」と4つの水源にて製造されており、パッケージには、水源ごとに異なる山並みや植物、鳥のデザインが描かれていることは、ちょっとした蘊蓄だ。

20代はミネラルウォーターネイティブ世代!? ミネラルウォーターはあえて買う存在に

2022.12.12 Vol.web Original

「南アルプス」「富士山」「六甲」「安曇野」…この名称を聞き、ミネラルウォーターを思い浮かべる人はきっと多いはず。今でこそ日本のいたるところで、誰もが手にすることができるミネラルウォーターだが、実は飲み水として浸透し始めたのは、そこまで古くないということをご存じだろうか?

 先ごろ飲料大手のサントリーが発表した「サントリー ウォーターレポート( https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF1318.html )」によると、ミネラルウォーターが日本で普及し始めたのは1970年代ごろバーなどでお酒の割材やチェイサーとして扱われるようになった“瓶入りのミネラルウォーター”がきっかけらしい。

 1980年代に入り、自然・健康ブームの中で「ミネラルウォーター」を手にする人が増え、飲食店だけでなく家庭でも「ミネラルウォーター」を飲む文化が生まれ始めた。

 その後、1990年代には輸入水が流行、また、当時マンションの貯水タンクの汚れや水道水の問題が報じられるにつれ、安心・安全を求めて「ミネラルウォーター」を家庭向けに購入する機会も増えていった。

 さらに、2000年代以降は健康志向の追い風に加え、度重なる自然災害、特に2011年の東日本大震災を契機に、家庭内に備蓄する志向が高まり、ミネラルウォーターは普段の生活の中で当たり前の存在となっていった。

 日本は水道から流れる水が衛生的で水質がよく、水道水をそのまま飲むということも一般的なものと捉えられている。少し昔であれば家の水道水だけでなく、公園や学校などで喉が渇いたら水道の蛇口をひねり、ぐびぐびと水道水を口にする子供や学生を目にしたものだ。

 一方で、このリポートによると、現代の若年層、例えば20代は物心ついたころには家庭内にミネラルウォーターが存在し、意識せずとも飲み水として「ミネラルウォーター」に触れている人が多く、いわば、“ミネラルウォーターネイティブ”世代といえるそうだ。20代の7割近くは、飲み水と言えばミネラルウォーターを思い浮かべ、8割近くが、ミネラルウォーターを買うことは普通のことだとも回答している。

さらに、昨年夏にLINE株式会社が運営するLINEリサーチが発表した「全国の高校生を対象にしたカフェ(飲み物)に関する調査( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003179.000001594.html )」によると、女子高生が“ふだん自分で買う飲み物TOP10”で、なんと、ミネラルウォーターが堂々の1位に輝いていたのだ。この結果からも、若い世代にとって、ミネラルウォーターは、あえてお金を出してでも買う飲み物の1つとなっており、その存在感は大きなものとなっているようだ。

 日本においてミネラルウォーターが飲み水として定着していったこの40年、ミネラルウォーターネイティブなる世代も出現し、ますますミネラルウォーターは無くてはならない存在になるのだろうか。

 冬が本格化したこの時期に、ミネラルウォーターの話を聞くと寒々しく感じるかもしれない。そんなときは、今、巷で話題となっているミネラルウォーターの“白湯”を手に、身体を温めてみるのもいいかもしれない。

コロナ禍で変わる「ミネラルウォーター」との付き合い方

2021.10.18 Vol.web original

 今月3日、和歌山市の水道水を送る橋が崩落し、およそ6万世帯で断水が発生した。いつも当たり前にあると思っていた「水」が突如使えなくなる…という事態に、ネットやSNS上では、近隣の店舗などで「ミネラルウォーター」などの飲料水が一時的に品切れになったという声もあり、ニュースに触れた方の中には、こういった万が一のために、「ミネラルウォーター」などの生活必需品を備えることの重要性を改めて感じた方もいるのではないだろうか。

 さて、「ミネラルウォーター」は、ここ30年ほどで市場規模が30倍近く膨れ上がったと言われている。健康志向の高まり、水質に対する不安など、さまざまなきっかけを受け、「ミネラルウォーター」は人々の生活に浸透していったが、2011年の東日本大震災をきっかけに、「ミネラルウォーター」を備蓄する人が増加したことで、さらに成長を加速させたようだ。

 そんな「ミネラルウォーター」だが、ここ1~2年のコロナ禍の生活の中で、どのような変化を受けたのか。このほどサントリーから発表された「サントリーウォーターレポート」を参考に、その変化を見てみたいと思う。

参考)サントリーウォーターレポート URL
https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF1183.html

 コロナ禍の生活の中で起こった意識・行動の変化として、コロナ禍以前と比べ、6割以上の人が「在宅時間」が増加した。次いで「ストレス」、「健康への不安」などの意識が増加し、行動制約の原因でもある感染を避けるために、「インターネットでの買い物」、「食料品などの備蓄」が3割程度増える結果となった。

 そういった生活変化の中で、人々が飲む「ミネラルウォーター」をはじめとする「水」の摂取量は19年と21年を比較すると約3割弱も増え、「ミネラルウォーター」だけでみると、4割も増えていることがわかった。さらに、飲用時の意識としては、「健康を気にして飲用する」という人の割合が7割を超えており、長引くコロナ禍の生活で、体調管理や、健康不安に対する対応として、「水」を飲む量が増えていると見てもいいのかもしれない。

 また、「ミネラルウォーター」の買い置き状況を見ると、6割超の人が実施しているという結果が出た。防災備蓄意識が高まっていることに加え、コロナ禍で食料品の買い置き・まとめ買いを意識するようになったことで、日常的な利用のために「ミネラルウォーター」を買い置きする人が増えたのが特長だ。さらに、買い置きやまとめ買いが増えたことで、ミネラルウォーターの価格に対する意識も、19年と比較すると更に高まっていることがわかった。

 ただ、一方で日常的な飲用機会が増えた「ミネラルウォーター」だからこそ、その中味に目を向ける人々も増えていると見え、「ミネラルウォーター」を製造・販売するメーカーに対する要望としては、価格以上に「おいしいこと」・「安全であること」を求める声が高いことが分かった。

 以上のように、コロナ禍の生活の中で、「ミネラルウォーター」はより一層、生活の中に浸透していったことがうかがえる。もしもの事態に対する備えとして、また日常的な飲用水として、「ミネラルウォーター」は、もはや人々の生活の中でインフラ的な存在になったと言えるのかもしれない。

Copyrighted Image