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小池百合子都知事に聞く 「困難がダブルで来た」2022年 東京の現在地、そしてこれから

2022.12.19 Vol.Web Original

 2022年も残すところあとわずかとなり、多くの人がこの1年を振り返るタイミング。小池百合子都知事にとってもそれは同じ。コロナとの戦いは続くなかで、新たな危機も発生。そんな1年を都知事はどう振り返るのか。また、東京の現在地は? 都知事に聞いた。

―― 2022年も残すところあとわずかとなりました。この1年を振り返って思うことは?

今年は何と言ってもコロナに加えてウクライナ危機と、困難がダブルでおしよせ、そこをどう乗り越えていくかを考える年になりました。70年代のオイルショックの時は、様々な技術が発展しましたし、エネルギー資源が少ないことをバネにいろんな技術や工夫も出て来ました。それは今も同じです。例えば食料の問題としては、小麦粉などの価格が高くなるなかで、日本にはお米があるじゃないかと気づかせてくれたりするわけです。今、東京では、JA全農にいがたとJA東京中央会と協力して米粉でパンを作っています。JAとパンで、JAPANで、「TOKYO JAPAN」キャンペーンを展開しています。都としては食料もエネルギーも、安全保障の問題として取り組んでいます。

―― 東京五輪を終えて1年が経ち、東京では“レガシー”の活用を進めてきました。現状について教えてください。

 本当にあっという間ですね。アスリートの皆さんはすでにパリ大会への準備をしている段階です。

   レガシーにはハードの部分もありますが、私はソフトの部分が一番重要だと考えています。

 ひとつはボランティアです。東京五輪を経て、ボランティアはより根付きました。「東京ボランティアレガシーネットワーク」(ボランティア募集情報、経験談などボランティア情報を提供するポータルサイト)を設け、現在1万人を超える方に登録していただいています。

 それからパラスポーツ。オリンピックとパラリンピックがセットになって開催されることを2回繰り返したのは東京だけです。そういうなかでパラスポーツへの関心は高まりました。特にボッチャについては、さらに定着が進みました。認知度は5割を超えています。共生社会がさらに根付いた、大きな一歩を踏み出せたのではないかと思います。

 9月には手話言語条例が施行されました。言語としての手話の普及、手話を用いた情報発信をしています。

 さらに、11月からは東京都パートナーシップ宣誓制度の運用も開始しました。マイノリティーの方々に暮らしやすい東京にする、そういうことを進めていきます。

 ハードの面でいうならば、地下鉄駅のホームドアの設置率が増加しました。大会が決まったとき、2013年は55.7%だったんです。それが今では85.5%となって、目に見えて改善してきています。

 また、ホテルのバリアフリーも進みました。パラリンピックを行うことで、いろいろな障がいを持った人が安心して泊まれるホテルの推進になり、バリアフリー客室は大会開催時までの3年間で、約460室から3200室以上と、7倍になりました。客室に車いすで入れるようドア空間の幅を広げたり、介助犬などと一緒に泊まれるようにしたり、耳の不自由な方にルームサービスを持ってきたときなどに音ではなく明かりを点灯させて知らせるシステムを備えるなどです。これは障がいを持った人だけでなく、高齢化社会で誰もが宿泊しやすくなってきたのだと思います。こうしたバリアフリー化は、滞在する人はもちろん、ホテルにもいろんな意味でプラスになっていきます。

 これまでお話ししたことは、障害のある人、ない人、LGBTと関連する性差をなくしていく意味で、「段差のない社会」に近づいたと思います。

 それと、大会の施設ですね。東京アクアティクスセンターを除いて、5つの新規恒久施設で利用が始まっています。都民のみなさんにレガシーのある施設でスポーツを楽しんでいただければと思います。有明アーバンスポーツパークでは、スケートボード、ボルダリング、3×3バスケットボールといったアーバンスポーツのプロモーションの拠点になっていくと思います。

―― スケートボードなどは、東京五輪まで練習するスペースがあまりなかったと聞いています。若者にとって素敵なレガシーになっていますね。

 残念なことに大会は無観客でしたが、動画での視聴はリオ大会と比べると139%増、再生回数は280億回にのぼり、パラリンピックのテレビ放送も過去最多となりました。コロナの最中にあれだけの大会を開けるのは日本以外ないよね、とはよく言われます。大会後も世界から注目が集まり、今年発表された「2021年旅行・観光開発指数レポート」では日本が世界で1位になりました。レガシーは着実に残り、花開くところにもっていけると思います。

有明聖火台がお台場・シンボルブロムナードに再設置 お披露目セレモニーで記念の炎灯る

2022.10.16 Vol.Web Original

 

 東京オリンピック・パラリンピック2020大会の有明聖火台がお台場のシンボルプロムナード公園、石と光の広場横に再設置されることになり、そのお披露目セレモニーが15日、同所で行われた。

 大人から未来を担う子どもたちへとトーチが手渡され、子ともたちがトーチを掲げると、聖火台がミストスクリーンを使用した演出の炎で点灯した。

 セレモニーには、小池百合子都知事を筆頭に、国際オリンピック委員会(IOC)委員で日本オリンピック委員会(JOC)会長の山下泰裕氏らが出席した。
 
 山下氏が、IOCのトーマス・バッハ会長のメッセージを代読。バッハ会長は「東京2020大会の1周年を迎えるにあたり、私はオリンピック・パラリンピック大会のレガシーが、今後何年にもわたって、東京と世界の人のために成長し続けることを確信しています。東京2020大会で灯したレガシーという光を守り、作り、伝えてまいりたいと思います」とした。

TOKYO MXが福岡の田川市などと包括協定 都民と東京、地域を “つなげる”

2022.07.15 Vol.Web Original

 東京メトロポリタンテレビジョン株式会社(TOKYO MX)は、14日、千代田区の同社で、福岡県の田川市、株式会社LOCAL2の3社で包括連携協定を締結した。障がい者スポーツの支援などSDGs関連において先進的な取り組みを行う同市の魅力を発信することで、同市の発展をサポートしようというもの。

 TOKYO MXは、企業メッセージである「つなげるテレビ。」のもとで、都民や東京都と全国をつなげようと、番組を通じて地方自治体の情報を都民に届けてきた。今回の包括連携協定においても、番組や同社のインターネット配信「エムキャス」、さまざまなイベントを通して、東京エリアや全国に向けて田川市に関連する情報発信を継続的に行う。

 田川市は、炭坑節発祥の地として知られる旧産炭地。昭和20年代から30年代は日本の経済を支える原動力となったが、昭和46年には市内の炭鉱は全て閉山。10万5000人程度だった人口も4万6000人程度まで激減している。

 同市の二場公人市長は市の発展には旧産炭地のイメージを変えることが必要と、東京2020年大会の際には海外チームの合宿を誘致。その際に整備した体育館や合宿所のレガシーを活用し、障がい者スポーツの支援や場所・空間づくりに力を入れている。民間企業と組んで提案した障がい者スポーツにおける「ローカル5G」を活用したリモートコーチングは、総務省の「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」に採択され、実証実験も終えた。

 二場市長は「TOKYO MXさんの発信力を活用することで、我々の取り組みが都市圏で紹介されていくことになります。SDGsに積極的に取り組んでいらっしゃる企業の皆さんが、田川市の取り組みに共感いただいて、(企業版)ふるさと納税という形の中で応援していただくという循環ができていくのではないか」と、期待を寄せる。さらに、田川市を知ってもらうチャンスとし、「田川市のシティプロモーションにもつながっていく。福岡の田舎町にもこんな元気な街があるんだということを知っていただく絶好の機会」と、熱っぽく語った。

 TOKYO MXの伊達寛社長は、「田川市の地方創生・多様性や共生社会、持続型循環型社会の実現というSDGs関連の先進的な取り組み、田川市のさまざまな魅力を広く伝えていきたい」とした。

 TOKYO MXは、12日にも同県の吉富町と同様な協定を結んでいる。

 

 

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