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【2019年振り返り 8月編】「表現の不自由展・その後」中止。渋野日向子がメジャー初優勝。あおり運転の宮崎文夫容疑者を逮捕。

2019.12.26 Vol.Web Original

 8月は「表現の自由」について考えさせられる出来事が起こる。

 もっとも批判する側はその内容についてあまり調べもせずにものを語る人が多く、あまり実のある議論がなされたとは言い難いのだが…。

 3日には1日から開催された『あいちトリエンナーレ』の中で行われていた「表現の不自由展・その後」の展示が中止となった。

「表現の不自由展」というのは2015年に組織的検閲や忖度によって表現の機会を奪われてしまった作品を集めて開催された展覧会。今回の「-その後」は文字通りそこで扱われた作品の「その後」と、2015年以降に新た同じような理由で展示不許可となってしまった作品を集めたもの。

 韓国の慰安婦を表現した「平和の少女像」や昭和天皇をモチーフにした作品がネット上で炎上し、「ガソリン携行缶持って館へおじゃますんで」と書かれた脅迫状がFAXで届き、名古屋市の河村たかし市長が「日本人の心を踏みにじるもの」などとしゃしゃり出るなどし、結局展示中止に。

 しかし昭和天皇をモチーフとした作品においては「天皇の肖像を焼くとはけしからん!」と言っている側に、そもそも焼いたのはかつてその展示を不敬として拒否した富山県立美術館であるという認識をもって批判していた人がどれくらいいるかといった疑問が残るところ。

 その後、中止を決めた実行委員会の大村秀章愛知県知事と津田大介芸術監督に「表現の不自由展・その後」実行委員会が抗議したり、大村氏と河村氏の間で表現の自由をめぐる論争的なものが起こったり、とさまざまな話題を振りまいた。最終的には会期終了が迫った10月8日から展示は再開された。

 ちなみに当初は「捜査が難しい」などといわれた脅迫犯については7日に愛知県警が会社員の堀田修司容疑者を威力業務妨害容疑で逮捕。わりとすぐにつかまった。

 4日(日本時間5日)にはゴルフの全英女子オープンで渋野日向子がメジャー初優勝。樋口久子さん以来42年ぶり日本人史上2人目のメジャー制覇を果たした。渋野はそのさわやかな笑顔で一気にブレイク。その後も活躍は続き、2019年は最終的に国内4勝を挙げ、賞金女王争いを繰り広げ、最終的に2位となった。渋野は2020年東京オリンピックへの出場を目指すといい、一気にゴルフへの注目度が高まった。

 8月には昨今問題となっている「あおり運転」で、ラスボスともいえる強烈なキャラが登場した。

 あおり運転をした揚げ句、車を降りるなり怒鳴りながらあおられた車に近づき、空いた窓から運転者を殴る。そしてその間、その様子をガラケーで撮影する同乗女性という異様な光景が被害者のドライブレコーダーには記録されていた。

 茨城県警は16日に傷害の疑いで宮崎文夫容疑者を指名手配し、18日逮捕。ガラケーの女こと喜本奈津子容疑者も犯人隠避などの疑いで逮捕された。喜本容疑者は9月に罰金30万円の略式命令を受けて釈放。宮崎容疑者については水戸地検が9月25日に、刑事責任能力を判断するため、12月23日までの鑑定留置を始めたと明らかにした。

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