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社会性は人間顔負け!『ゴリラのすべて』【TOKYO HEADLINEの本棚】

2020.08.16 Vol.732

どこをめくっても360度「ゴリラ」の本

 イケメンゴリラで有名なシャバーニを筆頭に、動物園の人気者「ゴリラ」。ギリシャ語で「毛深い種族」という意味の「gorillai」が語源と言われるゴリラは、人類との共通祖先から分かれ、人間に近い類人猿の仲間でもある。近くて遠い、知っているようで知らないゴリラの魅力を余すところなく紹介するムックが『ゴリラのすべて』だ。

 本書の大きな特長は、国内で暮らす全20頭のニシゴリラをプロフィール付きで紹介していること。さらに群れの中心となるオトナのオスゴリラの目印「シルバーバック」をアイコン表示。飼育員からの仔細なコメントもあって、1頭ずつの個性や表情の違いなどが理解できる。

 さらに日本のゴリラ研究の第一人者、山極寿一の監修による解説も充実。顔と顔を見合わせて対等な関係を築き、人間も顔負けの繊細な社会性を有するゴリラの生態をイラスト入りで解き明かす。アフリカの森で生きる野生のゴリラのグラビアも白眉。

 近年、野生のゴリラを取り巻く環境は特に厳しいというが、我々人間がゴリラから教わることは多い。

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