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避難場所以外の災害時の代々木公園の使い方とは

2019.01.31 Vol.Web Original

「渋谷未来デザイン」が4回目のクロストークを開催
 渋谷区にある代々木公園B地区にスポーツとエンターテインメントの聖地として3万人規模のスタジアムパークを造るという構想を持つ一般社団法人「渋谷未来デザイン」が1月30日、4回目のクロストークを行った。

 昨年9月に行われた第1回では、日本トップリーグ連携機構 代表理事 会長の川淵三郎氏らが参加。この構想についてさまざまな意見が飛び交った。

 その後、第2回ではスポーツをテーマにJリーグのサポーターや代々木公園利用者、第3回ではエンタメ業界の有識者が参加。ここでは実体験をもとにしたさまざまな意見が出された。

 今回は「防災」に視点をあて「都市防災と公園づくりの未来」をテーマに防災のスペシャリストである首都大学東京の市古太郎氏、専修大学の佐藤慶一氏、国土交通省都市計画課課長補佐の一言太郎氏が参加した。

 市古氏は災害復興と都市防災研究のスペシャリスト。東日本大震災や熊本地震の時に町がどういう防災機能を担ったか、そしてそこで何が起こったかといった事例を多く研究してきた。

 そんな市古氏は「都市防災の視点から都市運動公園を考える」というテーマで大震災時の公園の役割について時間の経過と合わせて説明。発生時は避難場所としての役割を果たすが、時間の経過とともにボランティアの活動拠点、がれきの集積所、仮設住宅の建設用地というふうに変わっていくことを説明。こういった視点からの代々木公園に関する防災スキームを解説した。

 その一方で、「代々木公園は避難所とか仮設住宅や自衛隊の支援基地になることが、東京が復興を目指すうえで本当にいいことなのか。ストレスを抱えてしまっている人たちを元気にする機能が代々木では可能なのではないか。東日本大震災の時に自粛という行動パターンに違和感を感じた。本当にあれでよかったのか。ああいうムードを突破できるのはこの渋谷区か代々木公園なのではないか」といった新たな視点も提示した。

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