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永山瑛太「言葉にしづらい」、安藤サクラ「ホラー映画かと聞かれた」映画『怪物』熱い反応に感激

2023.06.19 Vol.web original

 

 公開中の映画『怪物』の大ヒット御礼舞台挨拶が19日、都内にて行われ、俳優の安藤サクラ、永山瑛太と是枝裕和監督が登壇。一同が作品の反響の大きさを語った。

『怪物』は大きな湖のある郊外の町を舞台に、2人の少年が周囲の大人や社会に波紋を投げかけていく物語。坂元裕二が脚本を、今年3月に亡くなった坂本龍一が音楽を手掛けている。

 今週にも動員100万人を突破する勢いの本作。この日も会場には5回見たという人も。

 安藤が「聞いているラジオで次々と『怪物』の話をされるのですごいんだなと思いました。ラジオでも皆さん、あまり細かいことは言いませんとおっしゃっていて。私よりもご覧になった皆さんのほうが細かいことをご存じなのでは」と言えば、永山も「皆さん、それぞれ感じ方や受け取り方が違うと思うのですが、“言葉にならない、会って話したい”という連絡が来たり、僕の周りでも5回見たという感想があったり」と、2人の周辺でも、本作について言葉にならない思いを語り合いたいという声が伝わっていることを明かした。

 一方、是枝監督は「あまりSNS向きじゃないっていう。もっと長い言葉で感想を伝えたいという感じ。僕の周りにいる仲間の若い監督たちからは、いつもよりも演出に迷いがない、編集のキレがいい、自分で脚本を書かないほうが良いのではという温かい言葉をいただいています(笑)」と苦笑。

 国内での大ヒットに加え海外でも190以上の国と地域での展開が決定し感激する一同。ところが最後の挨拶で安藤がふいに「質問が1個あって…。この間、喫茶店で隣にいた奥様が『怪物』を見たいんだけど怖そうで行けてない、と。私のインスタにもホラーですか?という質問が来て。ホラーじゃないですよ、怖くないですと返しかけて、ある意味怖いかな、と。そういうときなんて言ったら…」と是枝監督に尋ね、監督から「ホラーじゃないですよ、で(笑)」との返事をもらい納得した様子。「皆でまた『怪物』について考えたら面白そうだなと思います」と、本作について語り合う機会に期待を寄せていた。

 

是枝監督 東京03角田を絶賛「お笑いをされている方の中でときどきいる、すごくお芝居の上手な1人」

2023.06.02 Vol.web original

 映画『怪物』の初日舞台挨拶が2日、都内にて行われ、俳優の安藤サクラ、永山瑛太らキャストと脚本の坂元裕二、是枝裕和監督が登壇。是枝監督が角田晃広(東京03)の演技をたたえた。

 大きな湖のある郊外の町を舞台に、2人の少年が周囲の大人や社会に波紋を投げかけていく物語。

 

 第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞(坂元裕二)とクィア・パルム賞を受賞した本作。カンヌでの滞在について聞かれた是枝監督は「最高の滞在でした。今回はオープニング上映だったこともあり、まるまる15日間滞在した。こんなに長くいたのは初めて」と言い、会期中に本作が口コミで広がっていく様子を実感したと振り返った。

 坂元をはじめ、映画祭に参加した安藤や永山、少年たちを演じた黒川想矢、柊木陽太がそれぞれにカンヌでの思い出を振り返り、さらには、北野武監督作『首』で参加していた中村獅童も、同作共演の大森南朋と過ごした現地の思い出を披露。

 その中でただ一人、カンヌに参加していなかった角田は残念がりつつも、カンヌ出品を聞いたときは「東京03の3人で一緒に仕事をしていたんですけど、飯塚(悟志)さんは“改めて、すごい作品に出させていただいたね”と言ってくれて、豊本(明長)さんも“…”となっていたので、同じ思いでいてくれているんだろうと」と振り返り、是枝作品への出演に改めて感激。「無駄な緊張感を持って現場に入ったんですけど、雰囲気が穏やかで。是枝監督は口調とかも優しくて逆に怖い(笑)」と振り返った。

 そんな“俳優・角田晃広”について聞かれた是枝監督は「お笑いをされている方の中で、全部じゃないんだけど、すごくお芝居の上手な方がときどきいる。角田さんはその一人」と言い「セリフの間合いの取り方も素晴らしいですけど、画面の中のポジション取りがすごく上手なんです。すごく的確なところに動くし、タイミングよくフレームに入ってくる。天性のものがある。素晴らしかったです」とべたぼめ。

 角田も「もったいない。その質問をしてくださってありがとうございます」と感激していた。

 この日の登壇者は安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、角田晃広、中村獅童、坂元裕二(脚本)、是枝裕和(監督)。

「自分が加害者だと気づくのはとても難しい」カンヌ脚本賞受賞の坂元裕二が凱旋会見で思いを語る

2023.05.29 Vol.web original

 

 第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した映画『怪物』(6月2日公開)の是枝裕和監督が29日、フランス・カンヌから帰国。羽田にて迎えた脚本家・坂元裕二とともに凱旋会見を行った。

『怪物』は大きな湖のある郊外の町を舞台に、2人の少年が周囲の大人や社会に波紋を投げかけていく物語。ドラマ『東京ラブストーリー』(1991年)や映画『花束みたいな恋をした』(2021年)などで知られる坂元裕二が脚本を、今年3月に亡くなった坂本龍一が音楽を手掛けている。

 コンペティション部門の公式上映後には9分半ものスタンディングオベーションで称えられ、坂元裕二の脚本賞と、独立部門「クィア・パルム賞」と合わせて2冠を獲得。

 会見の2時間ほど前に帰国したという是枝監督は、授賞式の前に帰国していた坂元に脚本賞のトロフィーを手渡し「無事に坂元さんにお渡しすることができてほっとしています」と笑顔。

 受け取った坂元は「実感は正直ありません。受賞したと初めて聞いたときは寝ていたものですから、第一報を聞いた瞬間、夢を見ているのかな、と。今もまだ夢の中にいるような思いと、この重み自体が作品への責任感。私自身の手にも背中にも乗った大きな責任だと思っています」と語り「ご覧のように、あまり感情の起伏がないものですから…」と報道陣の笑いをさそいつつ、静かに受賞の感慨を語った。

「たくさんの人からおめでとうという言葉を頂いたことが一番うれしかった」と言う坂元。「(クィア・パルム賞審査員長の)ジョン・キャメロン・ミッチェル監督から昨日、脚本賞受賞おめでとうございますというメッセージを頂きまして、タクシーの中で涙が出ました」と明かしつつ、どこを評価されたと思うかという質問に「自分ではなかなか評価しづらいですが、ミッチェル監督は、人の命を救う映画になってくいるとおっしゃってくださったので、誰かの心に届くならこんなにうれしいことはないなと思います」とコメント。

 物語の背景について「以前に車を運転していて、横断歩道で青になったのに前のトラックが進まず、クラクションを鳴らしてしまったが、そのトラックが車いすの方が渡り切るのを待っていたのが私には見えず、それ以来クラクションを鳴らしてしまったことを後悔していまして」と自身の経験を語りつつ「自分が加害者だと気づくのはとても難しい。どうすれば加害者が被害者に対してしていることを気づくことができるかなと10年近く考えていて、それを今回書くことができました」と振り返った。

 坂元の脚本について是枝監督は「何が起きているのか、半分過ぎても分からないのに読むのを止められない。自分にはない物語の語り口でしたし、読み進めているうちに、自分が作品に批評されている、いい意味で居心地の悪さがエンターテインメントとして面白く、チャレンジしがいがあると思った理由の一つ」と絶賛し、再タッグについて聞かれると「チャンスがあればお願いしたいけど坂元さんがもうこれで…ということだと困っちゃうけど、周りの人に声かけられてやってきたとおっしゃっていたので、声かけ続けようと思います」。

 一方の坂元も「脚本家・是枝裕和さんをとても尊敬していて見上げている存在なので、そんな方がまた僕に脚本を依頼するということがそうそうあると思いませんが、二回目という必然があったらこんなにうれしいことはないです」と再タッグへの意欲を見せていた。

 カンヌ国際映画祭での日本映画の脚本賞受賞は、2021年の第74回カンヌ国際映画祭にて濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が受賞して以来2年ぶり。是枝監督作品のカンヌ映画祭でのコンペ部門での受賞は2022年の『ベイビー・ブローカー』に続き2年連続となる。

是枝裕和監督「タケシ!と声が」、坂元裕二「お腹壊した」“ぼやき”のカンヌ凱旋会見で報道陣大笑い

2023.05.29 Vol.web original

 

 第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した映画『怪物』(6月2日公開)の是枝裕和監督が29日、フランス・カンヌから帰国。羽田にて迎えた脚本家・坂元裕二とともに凱旋会見を行った。

『怪物』は大きな湖のある郊外の町を舞台に、2人の少年が周囲の大人や社会に波紋を投げかけていく物語。ドラマ『東京ラブストーリー』(1991年)や映画『花束みたいな恋をした』(2021年)などで知られる坂元裕二が脚本を、今年3月に亡くなった坂本龍一が音楽を手掛けている。

 コンペティション部門の公式上映後には9分半ものスタンディングオベーションで称えられ、坂元裕二の脚本賞と、独立部門「クィア・パルム賞」と合わせて2冠を獲得。

一足先に帰国していた坂元は、帰国直後の是枝監督から脚本賞のトロフィーを受け取り「実感は正直ありません。今もまだ夢の中にいるよう」と語りつつ「30年近く前、カンヌ国際映画祭に観光で行ったことがありまして。いつかここで自分の作品を上映出来たらどんなに幸せだろうかと遠巻きにレッドカーペットを見ながら考えていました」と念願だったカンヌでの作品上映を振り返った。

 一方で、カンヌ滞在の思い出を聞かれると「3日間いたんですが、お腹を壊しまして3日のうち2日寝込んでいました。映画のスタッフさんがクッキーとウエハースを持ってきてくれて、そのウエハースがとてもおいしくてカンヌに来てよかったと思いました」と苦笑。さらに、今後の作品作りについて聞かれると「私はけっこうなベテランで、もうカスカスなんです。絞っても何も出ないような状態で、日々周りの方に助けられながら書いているんですが、これから何が書けるのか」、「インスピレーションももうない」とぼやいて、報道陣も大笑い。

 すると、レッドカーペット登場時にかかった音楽が、北野武監督作『菊次郎の夏』の久石譲によるテーマ曲だったことを聞かれた是枝監督も「事前に、何の曲をかけますかと聞かれたので今回の坂本龍一さんの『怪物』の音楽をお願いしますとお伝えしたんですが、かかったら久石譲だったんですよ。大好きなんですけど、せめて坂本さんの音楽にしてほしかった。でも授賞式で歩いていても“タケシ!”と声をかけられたので、もしかしたらどこかで何かが間違って伝わっていたのかも(笑)」と明かし、さらなる笑いをさそっていた。

 カンヌ国際映画祭での日本映画の脚本賞受賞は、2021年の第74回カンヌ国際映画祭にて濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が受賞して以来2年ぶり。是枝監督作品のカンヌ映画祭でのコンペ部門での受賞は2022年の『ベイビー・ブローカー』に続き2年連続となる。

カンヌ国際映画祭 坂元裕二が是枝裕和監督作『怪物』で脚本賞を受賞

2023.05.28 Vol.web original

 第76回カンヌ国際映画祭で授賞式が27日(日本時間28日未明)、フランス・カンヌにて行われ、是枝裕和監督作『怪物』が脚本賞(坂元裕二)を受賞。是枝監督が檀上で喜びのスピーチをした。

『怪物』は大きな湖のある郊外の町を舞台に、2人の少年が周囲の大人や社会に波紋を投げかけていく物語。ドラマ『東京ラブストーリー』(1991年)や映画『花束みたいな恋をした』(2021年)などで知られる坂元裕二が脚本を、今年3月に亡くなった坂本龍一が音楽を手掛けている。

 授賞式の檀上に上がった是枝監督は「ありがとうございます。一足早く日本に帰った坂元裕二さんに、すぐ報告します」と笑顔を見せつつ「僕がこの脚本の基になったプロットを頂いたのが2018年の12月なので、もう4年半前になります。そこに描かれた2人の少年たちの姿をどのように映像にするか、少年2人を受け入れない世界にいる大人の1人として、自分自身が少年の目に見返される、そういう存在でしかこの作品に関わる誠実なスタンスというのを見つけられませんでした。なので、頂いた脚本の1ページ目に、それだけは僕の言葉なんですけども、“世界は、生まれ変われるか”という1行を書きました。常に、自分にそのことを問いながら、この作品に関わりました」と作品への思いを語った。

 また、現地メディアの中継で是枝監督は、受賞後すぐに坂元に報告したところ「夢かと思った。たった一人の孤独な人のために書きました。それが評価されて感無量です」と喜びを寄せたことを伝えた。

 カンヌ国際映画祭での日本映画の脚本賞受賞は、2021年の第74回カンヌ国際映画祭にて濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が受賞して以来2年ぶり。是枝監督作品のカンヌ映画祭でのコンペ部門での受賞は2022年の『ベイビー・ブローカー』に続き2年連続となる。

 他にも日本映画では、役所広司がヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS(原題)』で『誰も知らない』(是枝裕和監督・2004年)の柳楽優弥に次いで2人目の受賞となる男優賞を受賞している。

 映画 『怪物』 (配給:東宝、ギャガ)は6月2日より公開。

安藤サクラ 2度目のカンヌを「しっかり味わう」現地拍手が大きいのは『万引き家族』より「今回?」

2023.05.18 Vol.web original

 第76回カンヌ国際映画祭 「コンペティション部門」に正式出品した映画『怪物』の是枝裕和監督、脚本・坂元裕二、出演者の安藤サクラや永山瑛太らが日本時間18日、現地でのレッドカーペットや公式上映に出席。上映後、日本の報道陣の取材に応え感激を語った。

 公式上映後、9分にもわたるスタンディングオベーションを受けた『怪物』チーム。安藤が「地響きのような拍手で圧倒されました」と言えば、是枝監督も「トップバッターだったんで責任重大だなと思いながら現場にいましたが、上映後の見てくれた方達の顔がとても輝いていたので良かったなって思いました」と手ごたえを語った。

『万引き家族』以来のカンヌ参加に、安藤は「私自身が二度目ということで、前回の初めての興奮じゃない状態でしっかりと味わおうという気持ちで、前回はあっという間に終わってしまったのですが、今回は「これがカンヌか」というのを噛み締めながら過ごしてます」と語り、最高賞パルム・ドールを獲得した『万引き家族』とどちらが拍手が大きかったかと聞かれると「今回? それは私の感じ方?」と現地での高評価をしっかりと感じている様子。

 公式上映後、音楽を手がけた坂本龍一への追悼文が流れると、会場からも万雷の拍手。是枝監督は夜の湖のシーンで「ロケハンに行ったとき、ここに坂本龍一さんのピアノが入ると確信しました。ご体調のことはありましたが、一回自分の好きな坂本さんの曲を仮当てし、それをお手紙と共に送って見てもらいました。お返事が来て、映画全体を引き受ける体力はないのだけど、1、2曲閃いたから書いてみます、気に入ったら使ってくださいと返事のお手紙をもらいました」と明かし「(坂本が本作を)見た直後に、音楽室のシーンがすごく好きだと言ってもらい、あのホルンとトロンボーンの音を邪魔しない音楽を作ろうと思ったという意見をもらいました」と振り返っていた。

 コンペティション部門の最高賞となるパルム・ドールをはじめ各賞はフランス時間の5月27日の授賞式で発表される。

『怪物』は6月2日から公開。

カンヌで坂本龍一を追悼 映画『怪物』是枝裕和監督や安藤サクラに9分のスタオベ

2023.05.18 Vol.web original

 第76回カンヌ国際映画祭 「コンペティション部門」に正式出品した映画『怪物』の是枝裕和監督、脚本・坂元裕二、出演者の安藤サクラや永山瑛太らが日本時間18日、現地でのレッドカーペットや公式上映に出席。スタンディングオベーションを巻き起こした。

 レッドカーペットで熱烈な歓迎を受け是枝裕和監督、脚本・坂元裕二、安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太の6名。その後、是枝監督や安藤らは公式上映にも出席。上映終了後、エンドロールが始まると盛大な拍手が鳴り響き、最後に、本作の音楽を手がけた坂本龍一への追悼文が流れると、会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれ9分にもわたるスタンディングオベーションが巻き起こった。

 今年のレッドカーペットには、ペドロ・アルモドバル監督やイーサン・ホーク、ロマン・デュリス、ヴィオラ・デイヴィス、ジェンマ・チャン、世界的人気K-POPグループBLACKPINKのロゼら豪華な顔ぶれが登場。その中でも熱烈な歓迎を受けた『怪物』チーム。是枝監督はアルマーニ、永山はグッチのタキシード、安藤はシャネルの白いドレスに身を包み、大きな注目を集めながら報道陣や現地ファンの声に応えていた。

 コンペティション部門の最高賞となるパルム・ドールをはじめ各賞はフランス時間の5月27日の授賞式で発表される。

『怪物』は6月2日から公開。

イ・ジウンとイ・ジュヨン 是枝裕和監督の「にわかファンです」告白に「気分がいいです(笑)」

2022.06.26 Vol.web original

 

 映画『ベイビー・ブローカー』来日記念舞台挨拶が26日、都内にて行われ、キャストのソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジウン(IU)、イ・ジュヨンと是枝裕和監督が登壇。是枝監督が「韓国ドラマにハマって…」とイ・ジウンとイ・ジュヨンのオファー理由を語った。

 赤ちゃんポストをきっかけに出会った人々の一風変わった旅路を描く、衝撃と感動のヒューマンドラマ。第75回カンヌ国際映画祭では、主演のソン・ガンホが韓国人俳優初となる「最優秀男優賞」を受賞。また「エキュメニカル審査員賞」も受賞し、カンヌで2冠を達成した。

 アーティストIUとしても活躍し、日本でもファンの多いイ・ジウンは「久しぶりに日本に来れてうれしいです。前のほうに、泣いてらっしゃるファンの方もいて…」とファンの熱い歓迎に感激しきり。

 ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナのキャスティングはプロット段階から決めていたという是枝監督。一方「イ・ジウンさんとイ・ジュヨンさんは、コロナ禍で家にいて、韓国ドラマにハマりまして、ドラマを見ていて“うわっ”と思った2人にお声がけした。IUさんの昔からのファンの方には申し訳ない。にわかファンなんですけど。夢が叶って、本当にありがとうございますという気持ち。思い描いたキャスティングが実現してしまいました」と、2人のドラマのファンとになりオファーしたとすまなそうに話し、会場の笑いをさそった。

 そんな是枝監督からのオファーに、ジウンは「(オファーをもらう)以前に、実は食堂で是枝監督をお見かけしたことがあるんです。私はすでに監督のファンで、ご挨拶したかったんですけど、監督はこちらをご存じないだろうと思って、そのまますれちがってしまったんです。その1年後にこんなお話を頂けるとは。不思議な気持ちで、気分がいいです(笑)」。ファンになる前に、気づかずすれ違っていたというエピソードに是枝監督も「そうなんだよねー」と苦笑。

 一方『梨泰院クラス』でブレイクしたイ・ジュヨンは「私は大学で映画を学んでいたときから釜山国際映画祭に是枝監督の作品を見に行くような学生でした。数年後、その是枝監督が、私の作品を見たとおっしゃってくれるなんて。私という女優を知っているということ自体、不思議で、それだけでも幸せな気落ちになります」と感激していた。

 映画『ベイビー・ブローカー』は公開中。

ソン・ガンホとカン・ドンウォン 成田空港の出待ち人数で張り合うもまさかの少なさに会場爆笑

2022.06.26 Vol.web original

 映画『ベイビー・ブローカー』来日記念舞台挨拶が26日、都内にて行われ、キャストのソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジウン(IU)、イ・ジュヨンと是枝裕和監督が登壇。久しぶりの来日となったソンとカンが空港で待つファンの人数で張り合い笑いをさそった。

 赤ちゃんポストをきっかけに出会った人々の一風変わった旅路を描く、衝撃と感動のヒューマンドラマ。第75回カンヌ国際映画祭では、主演のソン・ガンホが韓国人俳優初となる「最優秀男優賞」を受賞。また「エキュメニカル審査員賞」も受賞し、カンヌで2冠を達成した。

 是枝監督は「さかのぼると15年ほど前、釜山で取材を受けたときに“もし韓国で撮るなら誰を起用したいか”と聞かれソン・ガンホさんと答えたんですが、その帰りのエレベーターの扉が開いたらソン・ガンホさんがいたんです」と運命的な遭遇を明かした。

 以前から是枝作品のファンだったと口をそろえるキャスト陣。カン・ドンウォンは「是枝監督の作品はすべて拝見していてファンだったので、その是枝監督の新作ということでワクワクしました。どんな役でもやらせていただきたいとお伝えしました」とオファーを受けた感激を振り返った。

 そんなカンは、撮影中に是枝監督の誕生日を一緒に祝ったといい「いいことなのかどうなのか(笑)、誕生日に監督が1人でお過ごしになるというので、お誘いして一緒にお祝いさせていただきました」。すると是枝監督が「実は2年連続で、ドンウォンさんと韓国で誕生日を過ごしているという…(笑)」と明かし、会場もビックリ。

 ソンは『パラサイト 半地下の家族』でのプロモーション以来約2年ぶり、カンは『ゴールデンスランバー』のプロモーション以来約3年ぶりの来日。ソンは「日本にはかなり頻繫に来ているほうだと思います。日本も好きだし、日本食も好きなのでいつも楽しみ」。

 昨日、成田空港に着いたというソンは「イ・ジウンさんは日本でもファンが多いので空港にもたくさん来るだろうという話で、実際に100人を超えるファンが来た。一方、カン・ドンウォンさんには3人、私には5人来てくれたので、とても気分のいい1日になりました!」と、空港の出待ち人数がカンより多かったとご満悦。

 カンが苦笑しつつ「昨日、この話題でガンホさんと長いこと話しました。ファンの皆さん、頑張ってください!」とファンに呼びかけ会場の笑いをさそうと、さらにソンが「ドンウォンさんは“韓国からではなくパリから来たから3人しかいなかったんだ”と言い訳していました。いずれにせよ、私はとても気分が良かったです」と勝ち誇った笑み。カンは「昨日、夕食の席で“空港で何人待っていた?”と聞かれたんですよ。僕が“3人です”と答えたら“オレは5人だ!”って」と明かし、会場も大爆笑。

 是枝監督も「撮影現場でも大体、いつもこんな感じでした。ガンホさんがドンウォンさんを少しイジって楽しむという(笑)。僕も大好きなんです」と、2人のやり取りに笑顔を見せていた。

 映画『ベイビー・ブローカー』は公開中。

是枝裕和監督 カンヌから直行した韓国から帰国し凱旋会見「韓国の監督たちには少し申し訳ない気持ちもある」

2022.06.13 Vol.web original

 

 映画『ベイビー・ブローカー』の凱旋記者会見が13日、都内にて行われ、是枝裕和監督がフランス・カンヌから帰国後、公の場に初登壇。カンヌでの受賞や韓国での大反響を振り返りつつ、日本映画界との違いなども振り返った。

 是枝裕和監督がソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナら韓国を代表する俳優を迎えて初めて挑んだ韓国映画。“赤ちゃんポスト”をきっかけに出会った人々の風変わりな旅路を描くヒューマンドラマ。第75回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門に正式出品され、最優秀男優賞(ソン・ガンホ)とエキュメニカル審査員賞を受賞した。

 韓国でのプロモーションを終え今日帰国。そのまま会見に登壇した是枝監督。受賞の瞬間について聞かれると「ソン・ガンホさんの名前が呼ばれたとき、これはこの作品にとって最高のゴールなんだと気づきました。やっぱり役者をほめられるのが一番うれしいんですね。(『誰も知らない』で主演男優賞を)柳楽優弥くんがもらったときは柳楽くんがもう日本に帰っていたので、受賞した役者さんと抱き合って喜ぶというのは特別な経験でした」と振り返り、韓国映画初の主演男優賞受賞に「(これまでの出品作の)パク・チャヌク監督やポン・ジュノ監督作など、どの作品で受賞してもおかしくなかった。僕は幸運だったんだと思う。でも韓国の監督にとっては“僕らのソン・ガンホを…”という思いがどこかにあるのではと思うので、少し申し訳ない気持ちもあります(笑)」と笑いを交えて語った。

 撮影ではソン自ら毎日映像を確認し、細かなセリフのニュアンスの違いなどを伝え、編集ではダビングルームまで来てアドバイスをくれたといい、是枝監督は「最後の最後まで一緒に走ってくれた」とソンに感謝。「日本ではなかなかあそこまでしてくれる俳優はいない」と言う監督は司会の笠井信輔アナウンサーから「もし日本の俳優がダビングルームまで来たいと言ったら…」との問いに「人によるかな(笑)」。

韓国映画史上初のカンヌ最優秀男優賞を是枝裕和監督最新作『ベイビー・ブローカー』主演ソン・ガンホが受賞

2022.05.29 Vol.web original

 第75回カンヌ国際映画祭授賞式が現地時間28日に行われ、「コンペティション」部門に出品していた是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』が最優秀男優賞(ソン・ガンホ)とエキュメニカル審査員賞を受賞した。

 是枝裕和監督が、主演ソン・ガンホをはじめカン・ドンウォン、イ・ジウン、イ・ジュヨン、ペ・ドゥナといった韓国映画界の実力派を迎えて挑んだ自身初の韓国映画。

 26日(現地時間)に行われた公式上映では、今回の映画祭出品作史上最長の12分にわたるスタンディングオベーションを受けていた。

「最優秀男優賞」に見事選出されたソン・ガンホは、隣に着席していたカン・ドンウォン、是枝裕和監督らと熱い抱擁を交わした後、登壇。「偉大なる芸術家、是枝裕和監督に深く感謝申し上げます」と、監督や共演者、スタッフらに感謝。「今、2階にいると思いますが、愛する家族と共に来ました。本当に大きなプレゼントになりました。とてもうれしいですし、このトロフィーの光栄と永遠なる愛を差し上げます。多くの映画ファンにこの栄光を差し上げます」と目をうるませながら喜びのスピーチをした。

 カンヌ国際映画祭において、韓国人俳優が最優秀男優賞を受賞するのは初。また、是枝裕和監督作品がカンヌ国際映画祭で同賞を受賞するは、2004年に『誰も知らない』で柳楽優弥が受賞して以来2度目となる。

 なお監督賞は『DECISION TO LEAVE』(英題)のパク・チャヌク監督が受賞。最高賞となるパルムドールはリューベン・オストルンド監督、ウディ・ハレルソン出演の『Triangle of Sadness』(原題)が受賞。
また「ある視点」部門に出品していた倍賞千恵子主演、早川千絵監督作『PLAN 75』はカメラドール スペシャル・メンション(特別賞)を受賞した。

『ベイビー・ブローカー』は6月24日より公開。

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