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ユーモラスかつスリリング『荒れ野』穂の国とよはし芸術劇場PLATプロデュース東京公演

2019.12.13 Vol.725

「穂の国とよはし芸術劇場PLAT」は2013年に愛知県豊橋市に開館した劇場で、豊橋市ばかりではなく東三河エリアの芸術文化交流に大きな役割を担っている。

 初代芸術文化アドバイザーを務めた平田満のもと、穂の国とよはし芸術劇場プロデュース公演『父よ!』(2013年、2015年)を上演した。そして、2017年には劇団KAKUTAの主宰である桑原裕子が作・演出を務め、プロデュース公演第2弾として『荒れ野』を上演。同作は第5回ハヤカワ『悲劇喜劇』賞、第70回読売文学賞を受賞するなど高い評価を得た。

 2018年4月、平田に代わり桑原裕子が2代目芸術文化アドバイザーに就任。そして2019年12月に『荒れ野』をオリジナルキャストで再演する。

 物語は郊外の古びた団地の一室が舞台。そこには奇妙な共同生活をする疑似家族が暮らしていたのだが、ある日、ニュータウンのショッピングセンターから火災が発生し、近接した一戸建てに住む3人家族がその部屋に避難してくる。偶然にも一つ屋根の下で過ごすこととなった人々の一夜の物語がユーモラスかつスリリングに描かれる。

 最初はバラバラに存在していた登場人物たちの関係性や、彼らの抱えている問題が、物語が進むにつれ徐々につながっていき、どんどん物語に引き込まれて行く。

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