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線虫や蚊の能力でがん検査も 生物が持つ驚きの能力 医療・診断活用に期待

2022.12.09 Vol.web original

 

 第4回日本生物診断研究会「-すばらしい生物の能力-」が8日、都内にて行われ、国内外の研究者が、がん検査への活用などで注目が高まる線虫など生物の能力をテーマに講演を行った。

 冒頭、代表理事の瀬戸康之氏(東京大学 消化管外科学 教授)は「この研究会の目的の1つとして、生物を用いた診断や医療を広めていくことができれば」とあいさつ。

 続いて、中條信成氏(九州大学 生物科学部門 細胞機能学研究室)が座長を務める一般口演が行われた。

 森慎一郎氏(量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 量子医科学研究所)は「有象無象の線虫達をAIの力で自動検出する方法」と題し、線虫の数をAIで自動検出する際の、より精度の高い検出法について紹介。

 田中隆光氏(帝京大学附属病院 皮膚科学講座)は「線虫C. elegansを用いた皮膚癌スクリーニング評価」をテーマに、基底細胞がんや有棘細胞がん、悪性黒色腫の各ステージの患者を対象に行った線虫がん検査「N-NOSE」の実証実験の高い精度をリポート。「一般的ながん検診に皮膚がんは含まれず、発見しにくい面もある。こういったスクリーニングを補助的に活用できれば」と語った。

 原田良信氏(量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 人材育成センター)は「新規線虫走化性試験法(PASS法)の開発」と題し、試験時にゲルをくりぬいた中に試料を入れることによって、より線虫の感度が高まる方法を紹介。

 Eric di Luccio氏(Hirotsu Bio Science Shonan R&D Center)は「C. elegans as a powerful biosensor for early cancer detection: Current and future prospects」と題し、犬の嗅覚を活用したがん探知なども交え、線虫スクリーニングの精度の高さや、すい臓がんなど、がん種を特定できるスクリーニングについて語った。

 招待講演では、Eric di Luccio氏がオンラインで「The unstable genome - the driver of disease」をテーマに、竹内 昌治氏(東京大学大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 教授・神奈川県立産業技術総合研究所 グループリーダ)が「生物の能力を活かすバイオハイブリッドセンサ」をテーマに講演。生物を素材に利用するバイオハイブリットロボット研究を行う竹内氏は、蚊のレセプターを使った呼気によるがん検査研究などを紹介。

 最後に髙本眞一理事が「患者中心の医療をミッションに、こういった研究がさらに進めば」と閉会の挨拶で締めくくり、生物の能力のさらなる活用に期待を寄せた。

線虫など生物の可能性を国内外研究者が語る 第4回日本生物診断研究会を無料配信

2022.12.07 Vol.web original

 第4回日本生物診断研究会「-すばらしい生物の能力-」が12月8日に、会場とオンラインにて開催。今回は、がん検査への活用などで注目が高まる線虫など生物の能力をテーマに、研究者による講演が行われる。研究会のもようはTOKYO HEADLINE YOUTUBE『TOKYO HEADLINE Academyチャンネル』にて無料視聴できる。

【配信:TOKYO HEADLINE Academyチャンネル】

 

第4回日本生物診断研究会「-すばらしい生物の能力-」

第4回日本生物診断研究会「-すばらしい生物の能力-」
【開催日時】2022年12月8日(木)18時30分~20時10分
【配信】TOKYO HEADLINE Academyチャンネル
【会場】TKP市ヶ谷カンファレンスセンター  ホール6B
【参加費】1000円(WEB視聴は無料)

【登壇者】
代表理事・瀬戸康之
理事・髙本眞一

《一般口演》
一般口演座長:中條信成(九州大学 生物科学部門 細胞機能学研究室)
森慎一郎(量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 量子医科学研究所)
田中隆光(帝京大学附属病院 皮膚科学講座)
原田良信(量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 人材育成センター)
Eric di Luccio(Hirotsu Bio Science Shonan R&D Center)

《招待講演》
招待講演1座長:Eric di Luccio(Hirotsu Bio Science Shonan R&D Center)
Derek Richard(Cancer and Ageing Research Program, Queensland University of Technology, Professor, Faculty of Health School of Biomedical Science)

招待講演2座長:原田良信(量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 人材育成センター)
竹内昌治(東京大学大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 教授/神奈川県立産業技術総合研究所グループリーダ)

つんく♂「早くハワイでも検査できるようになってほしい」線虫がん検査「日本に帰国するたびにしている」

2022.11.17 Vol.web original

 線虫がん検査の新サービス「N-NOSE plus すい臓」発表会が17日、都内にて行われゲストにヒロミ、つんく♂、山本耕史が登壇。がん早期発見の大切さを語り合った。

「N-NOSE plus すい臓」は、HIROTSU バイオサイエンス(千代田区/代表取締役・広津崇亮)による、線虫の嗅覚を活用したがん検査「N-NOSE」の新製品。尿で行う、がんの一次スクリーニング検査「N-NOSE」の次世代検査として、がん種特定検査の研究開発を重ね、遺伝子操作によってすい臓がんの匂いにのみ特異的な反応を示す“特殊線虫”の作製に成功。すい臓がんを早期ステージの段階から特定可能とする。

 ヒロミは「(がんを)早く見つけたいんだけど、見つけるのも怖いという両方の気持ちがある(笑)」と苦笑。

 一方、2014年に咽頭がんが見つかり治療のため声帯を摘出、現在はハワイを拠点に活動するつんく♂は「N-NOSE」を発売当時から利用しており、検査回数世界一のヘビーユーザーとのこと。この日はパソコン筆記でトークに参加し「妻が線虫がん検査の記事を見つけて、こんなものがあるんだと(HIROTSU バイオサイエンス代表の)広津さんに会いに行った」と明かし「今でも日本に来ると、お医者さんにも診ていただき、自分のタイミングでN-NOSEに(検体の尿を)郵送しています。コロナの時期はなかなか来れなくて不安でした。早くハワイでもできるようになってほしい」と語った。

「どんな検査も100%ではない。セカンド、サードまで自分を見つめるセンサーを持っておくといい」と自らの経験を踏まえて語るつんく♂に、ヒロミも「僕は若いころに事故で脾臓を摘出してしまっているので、そのそばにあるすい臓のことを気にはしているんです」と明かし「これを知ったら調べずにはいられない。やっぱり本当に調べたほうがいいんだと思った。家族や仲間にも届けたい」と検査に積極的に。17日から放送される同製品CMに出演する俳優・山本耕史も「家族や仲間はもちろん、まだそこに意識が向いていない若い世代が受けることも意味があると思う」と語った。

 ガンサバイバーとして若い世代に伝えたいことは?と聞かれたつんく♂が「なんとなく不調が続くときでも頑張っちゃう、昭和の時代はそういうヤツがかっこよかったと思うんですけど、これからは勇気を持って休んで」と言うとヒロミも「ちょっと熱があろうが、現場で倒れろみたいな時代だった。コロナもあって今はもうそういう時代ではなくなった」。

「僕のように大事な声を失うことを考えたら…」と早めのケアや検査を訴えたつんく♂。早めに取り組んでよかったことは?と聞かれると「面倒くさいことから先にやる。作曲でも環境づくりを先に考えてしまうけど、不ぞろいでも始めちゃうのがいい」。ヒロミは「うちのまま(松本伊代)がああいう感じなので(笑)、早めに、オレがやれることはやるという意識に変えました」、山本も「早めに取り組んで悪いことってあまり無いですよね。僕はトレーニングもするのでケガが各段に減りました。若いころからやっているので。あと、子供のお弁当は前日に仕込みます」と、それぞれ“早めの行動”をアピールした。

「N-NOSE plus すい臓」は11月17日から2023年1月3日まで先行予約を専用サイトにて受付。検査料金は定価7万円(先行予約期間中の申し込みは3万5千円・各税込み)。

落語家・三遊亭鬼丸とフリーアナウンサー・森本智子が実体験をもとに“がん早期発見の秘訣”を語る

2022.10.04 Vol. Web Original

 がんを早期に発見し無事治療を終えた落語家でラジオパーソナリティーとしても活躍している三遊亭鬼丸とフリーアナウンサーの森本智子が「がんの早期発見の秘訣」について語る動画が10月3日から公開されている。

 鬼丸は今年6月に前立腺がんのステージ2であることを公表した。発覚のきっかけは、嗅覚に優れた線虫という生物が人の尿に含まれるがん特有の匂いを検知することを利用した、世界初のがんの一次スクリーニング検査「N-NOSE」を利用し、すい臓がんをステージ1で発見した知人から紹介されて、自らもN-NOSEを受検したところD判定(高リスク)という通知を受け、その後の病院での検査を通じ、ステージ2の前立腺がんを特定されたという。

がん検査のゲームチェンジャー目指す「線虫」。開発経緯と予防医療の未来を聞く

2021.10.27 Vol.Web original

 国民の2人に1人が罹り、3人に1人が亡くなるといわれる「がん」。予防のためには定期的な検診が鍵となるが、国民のがん検診受診率は全国平均で約40%と、半数にも満たないのが実情だ。

 そうした中、自宅で採尿するだけで受検可能な新たながん検査に注目が集まっている。世界初の線虫がん検査「N-NOSE(エヌノーズ)」だ。その技術を持つ株式会社HIROTSUバイオサイエンスと大阪大学大学院医学系研究科は先月、〝早期膵がん診断法〟に関する研究成果が米国科学誌「Oncotarget」に掲載されたことを受け、記者発表会を行った。開発者である株式会社HIROTSUバイオサイエンスの広津崇亮代表に、「匂い」を使ったがん検査の開発秘話や予防医療の未来について聞く。

「がんの匂い」を嗅ぎ分ける線虫で、新たな診断法。膵臓がんの早期発見に期待

2021.10.26 Vol.Web original

 がんの中で、肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がんに次いで死因の第5位に当たる「膵臓がん(膵がん)」。他の臓器に比べて腹部の奥まった場所にあるため、早期発見が難しく、発見されたときには手遅れとなることも多いことから、「サイレントキラー」とも呼ばれる。

 そうした中、「匂い」を感じる能力が高い「線虫」を使った膵臓がんの早期診断が注目を集めている。線虫とは、線形動物門の総称で、人と比較して「匂い」を感じる能力が優れているのが特徴だ。今年8月、米科学誌「Oncotarget」に公開された研究では、大阪大学大学院医学系研究科の石井秀始特任教授らの研究グループと、線虫がん検査「N-NOSE(エヌノーズ)」の技術を持つ株式会社HIROTSUバイオサイエンスが、産学連携で共同研究を行った。

たくさんの方に知ってほしい「線虫を使ったがん検診」広津崇亮さん (一般社団法人エンパワー・チルドレン)

2021.02.27 Vol.738

 一般社団法人エンパワー・チルドレン代表理事の広津崇亮さん。自身の研究を生かし「線虫」を使ったがん検診「N-NOSE」を実用化しました。線虫は嗅覚に優れた生き物で、その特性から尿の中のがんの識別ができるそう。従来のがん検診では種ごとに別々の検査が必要でしたが、N-NOSEでは一度に全身をカバーでき、尿だけで検査できることで外出しづらいコロナ禍にも魅力だといいます。近年はエンタメと医療がコラボレーションした小児がん治療支援チャリティーライブにも携わる広津さん。2月15日にはオンラインライブも開催予定で「たくさんの方に知ってほしい」と普及・啓発活動にも意欲的です。

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