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菅義偉首相が「コロナ対策に専念」と総裁選出馬の意向を伝えた翌日に不出馬表明

2021.09.10 Vol.745

 菅義偉首相は9月3日、官邸で記者団に「私自身、新型コロナウイルス対策に専念したい思いで出馬しないと申し上げた」と述べ、自身の任期満了に伴う自民党総裁選(17日告示、29日投開票)への不出馬を表明した。前日に二階俊博幹事長に出馬の意向を伝えたばかりだった。

 不出馬の理由については「首相になって1年間、新型コロナ対策を中心とするさまざまな国の抱える問題に取り組んできた。出馬を予定するが、新型コロナ対策と選挙活動には莫大なエネルギーが必要で両立できない。新型コロナ対策に専念すべきだ」と説明した。

 この菅首相の出馬見送りをきっかけに、3日の東京株式市場の日経平均株価は急伸し、前日比584円60銭高の2万9128円11銭で終えた。

 首相が不出馬を決めるまで、党内政局は混迷が続いた。

 8月26日に総裁選出馬を表明した岸田文雄前政調会長が二階氏を念頭にした「総裁を除く党役員の任期は1期1年、連続3期まで」との方針を明らかにすると、首相も30日には二階氏ら9月で任期が切れる党役員を刷新する方向で検討に入り、二階氏にも交代を検討していることを伝えた。争点つぶしの思惑もあったが、党内では「延命のために恩人を切るのか」など否定的な声も目立った。

 31日には総裁選の前に電撃的な衆院解散が模索されているという情報が流れたが、党重鎮からは反対論が相次ぎ、首相は翌9月1日には「今のような厳しい状況では解散できる状況ではない」と語り、党総裁選に関しても「先送りを考えていない」と明言。これで事実上、解散権を封じ込まれた。

 最後の望みは6日に予定していた党役員人事だった。だが、仮に首相が総裁選で敗れれば、新役員らは短命に終わる可能性があるためうまくいかず。調整能力にたけた二階氏にはすでに交代を伝達済みで、八方ふさがりとなった。

 そもそも交代する二階氏に2日に出馬の意向を伝えるというのも奇妙な話と受け止められた。

 この間、小泉進次郎環境相は5日連続で首相と会談し、総裁選不出馬も含め進言。首相への支持が日を追うごとに失われていくのを感じ、首相の推薦人になれないとの同僚議員の悲鳴を聴いた小泉氏は2日、「玉砕論は違う」と改めて不出馬を首相に迫った。

 小泉氏は3日夕、官邸で首相と面会。面会後には記者団の前で「首相が1年間やってきたことが新型コロナウイルスに対する批判一色で染まり、前向きな実績も覆い隠された。1年でこんなに結果を出した首相はいない」などと語り、涙を流した。

 首相は憲法改正に向けた手続きや安定的な皇位継承策など長年の難題にも道筋をつけたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い支持率は低迷した。衆院議員の任期満了を来月に控える中で、自民党内では選挙基盤が弱い議員を中心に「選挙の顔」として不安視する声が高まり、退陣を余儀なくされた。

 この1年で携帯電話の料金値下げ、不妊治療の保険適用など国民生活に直結する政策を矢継ぎ早に打ち出した。その一方で日本学術会議の会員任命拒否問題や首相の長男が絡む総務省の接待問題などについてはいまだあやふやなまま。また国会でも原稿の棒読みや野党の質問に対する答えがかみ合わない、会見でもメディアからの質問に対する答えがかみあわないといった場面が多くみられ、首相自身の資質には党内からも批判の声があげられていた。

人流は減っているのに感染拡大? 専門家の意見も聞かずに入院規制

2021.08.05 Vol.744

 東京五輪開催中の7月30日、菅義偉首相が会見し、東京都と沖縄県に出されていた緊急事態宣言について埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加し、北海道、石川県、京都府、兵庫県、福岡県に蔓延防止等重点措置を実施することを発表した。期間はそれぞれ8月2日から8月31日まで。東京と沖縄の緊急事態宣言も8月31日まで延長した。

 菅首相は東京都に4度目の宣言を発令する際「最後の宣言にしたい」としていたが、常に後手後手に回る緊急事態宣言にもはや効果はなく、人流はさほど減ることはなかった。

 しかし首相は30日の会見で東京都への交通規制、首都高の通行料の値上げ、テレワークにより人流は減少しているという認識を示した。人流が減少しているのに感染が拡大するのであれば人流以外の原因があるはずなのだが、首相は五輪が感染急拡大の「原因にはなっていない」と話した。

 また相変わらず人流を減らすための具体的な方法と目標については語らなかった。

「医療崩壊して救うべき命が救えなくなったときには首相の職を辞する覚悟はあるか?」と質問されると「私がこの感染対策を自分の責任のもとにしっかりと対応することが私の責任で私はできると思っています」と噛み合わない答えを返した。

 そしてその週末も感染拡大の勢いが衰えないと見るや、政府は今度は2日に医療提供体制に関する関係閣僚会議を首相官邸で開き、患者が急増している地域について、入院は重症患者や重症化リスクの高い患者に重点化し、それ以外の軽症患者らは自宅療養を基本とする新たな方針をまとめた。

 感染力の強い変異株(デルタ株)が猛威を振るう中、医療機関の病床が逼迫しつつあることを踏まえた措置。

 しかしこれには医療関係者から疑問の声があがり、立憲民主、共産、国民民主の3党の国対委員長は4日午前、この政府の新たな方針について、撤回を求めることで一致。与党からも撤回要求が出たが、首相は「撤回ではなく、しっかり説明するようにということだ。必要な医療を受けられるようにするための措置だから、丁寧に説明し、理解してもらう」と述べた。また適用先について「東京や首都圏など、爆発的感染拡大が生じている地域であり、全国一律ではない」と強調した。

 なおこの入院制限の方針について政府対策分科会の尾身茂会長は「政府とは毎日のように相談、連絡、協議をしているが、この件については相談や議論をしたことはない」と語っている。

【今月の一言】安倍晋三前首相、金正恩、松井一郎代表、菅義偉首相 他

2021.05.13 Vol.741

 安倍晋三前首相「菅義偉首相を一議員として全力で支えることが私の使命だ」(5月3日夜、BSフジの『BSフジLIVE プライムニュース』で)
→いや、モリカケの問題をちゃんとするのが使命やろ。

 安倍晋三前首相が東京五輪・パラリンピックについて「菅義偉首相や東京都の小池百合子知事を含め、オールジャパンで対応すれば何とか開催できると思う」(5月3日夜、BSフジの『BSフジLIVE プライムニュース』で)
→言うだけは簡単。

 日本維新の会の足立康史氏「立民や共産党に常識は通用しない」(5月3日、憲法改正を訴える公開憲法フォーラム「この憲法で国家の危機を乗り越えられるのか!-感染症・大地震・尖閣-」で)
→維新に言われてもなあ(笑)。

 菅義偉首相が憲法改正について「時代にそぐわない部分、不足している部分は改正していくべきではないか」(5月3日、憲法改正を求める団体が開いた集会へ寄せたビデオメッセージで)
→仕事のできない奴ほど権限を欲しがる。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長韓国で北朝鮮体制を批判するビラ散布が行われたことに対し「深刻な挑発と受け止め、相応の行動を検討する」(5月2日に談話を発表)→「南側のゴミども」「これ以上放っておけない」といった発言も…。

 日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)が新型コロナウイルスの感染拡大を受け「私権制限についても議論すべき」「要請だけでは一人一人の行動を止めていくということは非常に困難だと今回はっきりした」(4月30日、市役所での記者会見で)
→なに寝ぼけたこと言うてんねん。ちゃんとした補償がないからやろ。

 近藤真彦がジャニーズ事務所退所にあたり「ありがとうジャニーズ ありがとう素敵な後輩達 ありがとうジャニーさん」(4月30日、自身の公式サイトで発表したコメントで)
→メリーさんやジュリーさんには?

【今月の一言】文在寅大統領・菅義偉首相・竹下亘元総務会長・麻生太郎副総理兼財務相

2021.03.06 Vol.739

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領「韓国は東京五輪の成功的な開催のために協力する」(3月1日、「三・一独立運動」の式典での演説で)→五輪はできるということなんだな。

 麻生太郎副総理兼財務相が菅政権が2050年の脱炭素化社会の実現を掲げていることを踏まえ「2050年、一番生きている可能性が少ないのが私だ」(3月1日の衆院予算委員会で)→「○○な奴ほど長生きする」とはよく言いますけどね。

 

菅首相の長男らから接待発覚の山田真貴子内閣広報官が「体調問題」で辞職

2021.03.04 Vol.739

 菅義偉首相の長男・正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題で、総務省在職中に正剛氏側から7万円超の会食接待を受けた山田真貴子内閣広報官が2月25日の衆院予算委員会に参考人として出席した。

 山田氏は「私の総務省在職中の国家公務員倫理法違反にあたる行為で、公務員の信用を損なったことを深く反省している。申し訳なかった」と陳謝した。判明している以外の事業者との会食については「必要に応じ、ルールにのっとって行うことはあった」と語った。東北新社とは「1回が確認されているのみだ」と説明した。

 会食の場に行った時に正剛氏がいたかどうかについては「交流がなかったため、事前に認識していたかというと、そうではなかったのではなかったのではないか」などとあいまいな答弁。その後、会食時には正剛氏がいたかどうかについては
「会食していた時点では、認識していたのかなと思う」。また「会食していた時点では、(菅氏の長男だと)認識はしていたんじゃないかなと思う」とも答えた。

 話題となっている2020年に収録された若者に向けたメッセージ動画での「飲み会を絶対に断らない女としてやってきた」などという一連の発言については「若い方々にとって人脈をつくるのは大変重要だと思って申し上げた」と答えた。

 そして「女性の目線、みなさまの考えを踏まえながら、改めてよく反省し、自らを改善していきたい」と“女性の目線”という言葉を用い、辞職を否定した。

 しかし体調を崩したとして28日から入院し、「職務を続けるのは困難」という理由で3月1日付けで辞職。出席する予定だった1日の衆院予算委員会は入院を理由に欠席した。

 山田氏については22日に山田氏が接待を受けていたことが発覚後も菅総理は24日に「真摯に反省しているので、今後とも職務の中で頑張ってほしい」と続投させる意思を示していた。山田氏も自ら給与の一部返納を申し出る形で決着を図った。25日に山田氏が衆院予算委に出席後、26日に政府が新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の6府県での解除を決定したが、首相は正式な記者会見をせず、記者団の要望で同日に下がり会見を行った。これには「山田氏隠し」といった批判も出たが、首相は反論。しかし山田氏が週明けに体調不良を理由に辞任とあっては与党内からも判断の遅れを指摘する声も上がった。

【今月の一言】政府分科会・尾身茂会長、菅義偉首相

2021.02.09 Vol.738

 政府分科会・尾身茂会長「オリンピックのことは、私は特に答える立場じゃないと思うんで」(2月2日、記者会見で)
→東京オリンピック・パラリンピックについての質問に答えた菅首相に最後に「これも会長からお願いできますでしょうか」と振られ…。

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