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マラソン 鈴木健吾 『最後のびわ湖』【アフロスポーツ プロの瞬撮】

2021.03.10 Vol.web original

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。

鈴木健吾が初の2時間4分台の日本新記録も1億円はもらえず

2021.03.05 Vol.739

「びわ湖毎日マラソン」(2月28日、大津市皇子山陸上競技場発着)で鈴木健吾(富士通)が2時間4分56秒の日本新記録で初優勝した。

 従来の記録は昨年3月の東京マラソンで大迫傑(ナイキ)がマークした2時間5分29秒だった。

 鈴木は序盤からハイペースの先頭集団でレースを進め、36キロすぎに3人の集団から抜け出し、終盤も加速した。

 25歳でまだマラソンは5戦目の鈴木は「日の丸を付けて戦えるように少しずつ力を付けていきたい。マラソンでもう一度、上の記録を狙いたい」と話すなど3年後のパリ五輪へ大きな期待が膨らんだ。

 日本実業団陸上連合は2015年から「男女マラソンの日本新記録に1億円」などの報奨金制度を設けていたが、男子は2018年の東京で設楽悠太(ホンダ)、同年のシカゴで大迫、2020年の東京で再び大迫、と日本記録の更新が相次ぎ、同連合の資金が減った影響もあって、昨年3月で制度は終了。今回は支払われない。日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは「本当なら1億円をあげたいけど…」と悔しがった。

 今大会では鈴木だけでなく、4人が2時間6分台をマーク。長距離界で主流になっている厚底シューズが後押しした側面もあるだろうが、コロナ禍で大会が限られ、びわ湖に選手が集中。瀬古氏は「同じぐらいのタイムの選手が切磋琢磨して走ったことも記録につながった」と分析した。

 また、びわ湖毎日マラソンは76回目を迎える今回で滋賀での開催は最後となり、来年は大阪マラソンに統合されることが決まっている。

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