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1・11修斗 斎藤裕が世界ライト級王座獲得

2016.01.12 Vol.658

 プロフェッショナル修斗の2016年最初の公式戦が11日、東京・後楽園ホールで開催され、メーンで行われた世界ライト級チャンピオン決定戦で、同級環太平洋王者の斎藤裕(世界1位)が中村ジュニア(世界3位)を5R3-0の判定で破り、第10代王者となった。

 斎藤は1R序盤にハイキックでダウンした中村に襲いかかり、パウンドからバックに回ってのスリーパーで、あわやの場面を演出する。なんとかしのいで組み付いたままスタンドに戻した中村だったが、その後も斎藤はテンカオ、左ロー、ミドルと追撃。立て直してプレッシャーをかけていく中村だが、斎藤の左ジャブが効果的でなかなか距離を詰めることができない。
 2R以降、中村は斎藤のパンチに合わせてタックルを敢行。何度かテイクダウンに持ち込むが、斎藤の堅いディフェンスの前に効果的な攻撃を繰り出せない。斎藤はしのいで立ち上がっては打撃で反撃。判定の難しいラウンドがあったものの、アクションの割にポイントを稼げない中村に対し、斎藤は後半のラウンドでテイクダウンを奪う動きも見せ、着実にポイントを稼いだ。
 前王者・日沖発が2011年に返上して以降、長く空位の状態が続いた同王座。過去にはアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ、リオン武などそうそうたる名前が並ぶ。
 斎藤は試合後「修斗の歴代チャンピオンは素晴らしい人たちが並んでいる。自分もみんなに認められるように、これからもっと厳しい相手と激しい試合をして頑張っていきます」と話した。

プロ6戦目井上が日本選手最速で世界王座獲得

2014.04.11 Vol.615

 世界ボクシング評議会(WBC)ダブルタイトルマッチが6日、東京・大田区総合体育館で行われ、ライトフライ級4位の井上尚弥(20歳=大橋)が王者のアドリアン・エルナンデス(メキシコ)を6回2分54秒、TKOで破り、日本選手最速となるプロ6戦目での世界王者となった。これまでの記録は井岡一翔の7戦目。

 井上は1Rから右ボディー、右ストレート、左アッパーなど多彩なパンチにコンビネーションで王者を圧倒。4R終了時の途中経過ではジャッジ三者とも40−36で井上がフルマークで獲得した。

 しかしこれまで経験したことのない危機が井上の体を襲う。3Rが終わろうとしたころ、厳しい減量の影響で左足太もも裏がけいれんし始めていたのだ。

 インターバルで「足が死にそうです」とセコンドに訴えた。直後の4Rはそれまでの軽いフットワークが影をひそめ、足を止めて打ち合うことに。
「井上が仕留めにかかった」と会場は沸いたが、エルナンデスも5度の防衛を重ねた強豪。井上の異変を察知し、激しい打ち合いとなった。
 足の状況から逃げ切ることはできないと考えた陣営は「倒しにいくしかない」と井上にゴーサイン。

 あえて相手が得意とする接近戦で勝負をかけた井上は左右の連打で動きを止め、6回終了間際に右の打ち下ろしでエルナンデスをリングに沈めた。

八重樫は3度目の防衛

 フライ級王者の八重樫東(31歳=大橋)は同級8位のオディロン・サレタ(メキシコ)に9回2分14秒でKO勝ちし、3度目の防衛を果たした。
 前半はサレタにリードを許した八重樫だったが、最初から勝負所は後半と決めていた。9Rに右フックからの左アッパーを放つとサレタはリングに崩れ落ち、10カウントを聞いた。

 この勝利で八重樫の次戦は39戦無敗の怪物ローマン・ゴンサレスとのビッグマッチとなる。「ロマゴン」の愛称で呼ばれるゴンサレスは第16代WBA世界ミニマム級、元WBA世界ライトフライ級スーパー王者。「軽量級最強」と言われる男だ。

 試合後、リングに上がってきたゴンサレスに抱擁で祝福された八重樫は「きょうは力が入ってしまった。楽勝だとか言われるより、どっちが勝つか分からない状況のほうがいい。次はやりますよ、死にものぐるいで」と語った。

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