SearchSearch

韓国人観光客9割減は対馬観光再生のチャンス?

2019.12.16 Vol.725

 昨今の日韓対立の影響により韓国からの観光客が激減し長崎県の対馬が大きなダメージを受けている。どれだけ減ったのかというと…「9割です。今年6月までは前年比1割超えで増えていたんですが7月で4割減、9月で約9割減という状況です」と観光誘客チームのスタッフは語る。そもそも、なぜ対馬観光の大多数を韓国人観光客が占めていたかというと「もとは国内向けにPRしていましたが、なにぶん日本より韓国のほうが近い島ですから、地理的な難しさもありまして、一方、韓国の人にとっては日帰りも可能な“安近短”で楽しめる日本の観光地。それが近年、プサンの旅行社が増えて業界内で競争が生まれ、こちらがPRしなくてもどんどん韓国の旅行客を送ってくれるようになったんです。韓国の旅行社が宿泊施設を通年で押さえるケースも出てきて、気づけば国内の観光客が宿泊しようと思ってもなかなか予約が取れないという状況が続いていたんです」。対馬の観光業界でも韓国人観光客に依存する状況を危惧していたという。「いつかはこういう日が来るだろうと思っていましたがこれほど急に来るとは…。ですが、近年ややオーバーツーリズム気味でしたし、おもてなしが手薄になっていたところもあったのではと省みまして、これを機により厚くおもてなしできる態勢で、国内外のお客様をお迎えしよう、と考えています。こんな状況でも来てくれる韓国の個人旅行者はわずかながらいらっしゃいますし、関西関東圏からのお問い合わせも少しずつ増えてきています」

 ツシマヤマネコなどの動植物、食文化、自然や文化遺産と対馬ならではのものが満載。

「アナゴを刺し身で食べられるのは対馬くらいでは。これからの季節はノドグロや寒ブリを楽しめます。大陸との交流の歴史も色濃く残っており、他にも貴重な文化遺産が数多くあります。現在、宿泊料が3000円引きになるキャンペーンも行っておりますので、ぜひ国内のお客様に数多く来ていただければ」。関東からの直行便がない対馬だが、実は安いパックなどを利用すれば成田からプサン経由で行くと2万~3万円に押さえることも可能。この機に話題の“国境の島”対馬を探訪してみては。

Copyrighted Image