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無条件に愛されてもいい【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第26回】

2019.02.22 Vol.Web Original

 レズ風俗。

 永田カビさんの「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」や、関西のレズ風俗店である「レズっ娘クラブ代表御坊さんの「すべての女性にはレズ風俗が必要なのかもしれない。」、どちらも読んでいたし、レズ風俗というものの存在は知っていました。

 前者はとても共感できる話だし、後者は女性向けサービスを運営する者として非常に興味深い内容のつまった本でした。

 でもまさか自分が行くことになるとは。

 女性が苦手だし、女体に性的興奮を覚えることもないし、自分は完全にノンケである認識があったので、抵抗のある世界でした。

 でも会社命令ならば……。

 せっかくなので信頼できそうな相手がいいと思って、お店のプロフィールやキャストさんのTwitterなどをいろいろ見て、「この子なら信頼できるかもしれない」という方を選びました。

 私が選んだコースは、デートコース+ヘルスコース、最初は二人でカフェに行きました。

 友達も少なくだいたい一人で行動している私にとっては、もうこの時間も苦痛でした。

 何話せばいいのか、どうしたらいいのか、客だからソファ側に座るべきなのか椅子でもいいのかとか、本当にしょうもないことを悩みながら。

 女性を目の前にして、自分の気持ちよりも相手が何を求めて何をすべきなのかを考えている自分、というのを改めて認識して、すごく嫌になりました。

 とはいえ、相手はプロ、当たり障りのないことから、利用した理由など会話をつないでくれて、一時間のデートはあっという間でした。

 その後ホテルへ向かい、入室。

 シャワーを浴びてベッドへ。

 正直、したいこともないしどうしたらいいのか全然わかりません。

 なんとなく性感帯など伝えて、相手にお任せにしてました。

 レズ風俗のキャストっていうと、「女しか知らない快感を教えてあげるわよ!」という中性的なイメージだったんですが(勝手にすみません…)、私が出会った彼女はふんわりしていてとても女性的で、デートのときもプレイのときもいつも同じ目線にいてくれた。

 そんな彼女の、まっすぐ目を見て話してくれるところ、私としっかり向き合ってくれるところ、自分に自信があって生き生きしているところに私は惹かれていたようです。

 だから、私に対して気持ちよくしてくれようとしている彼女に、触れたい、と素直に思ってしまいました。

「彼女もしてくれてるから私も応えなきゃ」という気持ちではなく、自分からしたくなった。

 ヘルスの時間はあっという間で、正直物足りなさも感じましたが、このレズ風俗での経験を通して、私は全女性が苦手というわけではないということを知りました。

 母に愛されたことがない、だから、女性に愛されるということを知らなかった。

 愛されないから自分から遠ざけていたけど、本当は愛されたかった、母に、女性に、人間に。

 彼女との出会いで、私は人に愛されてもいいのかもしれないと少しだけ思うことができて、でも同時に今までの生きづらさを思い出し、嬉しさと悲しさでいっぱいになりました。

 そして、多分私はバイです。

 相手に対しての「好き」という気持ちが、男性に対しても女性に対しても変わらなかった。

 ただその好きの形式が私の場合、「付き合いたい・結婚したい」ではなく、「触れ合いたい・セックスしたい」ということだというだけで。

 一般的とされているルートとはそれているけど、私自身の「好き」が確認できて、年明けから世界がひっくり返るような体験をしてしまったのでした。

毒親に育てられて【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第25回】

2019.02.08 Vol.Web Original

 年末年始、皆さんはどう過ごされましたか?

 私は毎年実家へ帰って、母親と弟とテレビを見ながら過ごします。

 とはいえ特別仲が良いということもなく、会話はほとんどありません。

 私に至っては、リンスの在りかがわからないのにそれが聞けず、数日間リンスなしで過ごしました。(ロングヘアなのに)

 父親とは別居して20年以上、離婚が成立して10年以上たつので、年末年始に会うことはありません。

 母方の実家へも前は顔を出していましたが、教師家系で、良い学校に行く、良い会社に就職する、結婚して子供をもうけて幸せな家庭を築く、ということを無言で求められる空気感に苦しくなり、昨年は熱を出して行かず、今年も行きませんでした。

 実家に帰るのは本当に嫌なのですが、「そんなに嫌なのになんで実家に帰るの?」と友達に聞かれて、「そういうものだと思っているからそうしている」というだけだったことに気が付きました。

 親の期待に応えないと見放されるという恐怖から、親の顔色を窺い、自分の意思や感情よりも、親の求めるものを達成することが何よりも大事だと考えて育ってきました。

 だから、自分が帰りたいかどうかにかかわらず、年末年始は実家に帰るものだと思っていて、そういう行動をとっていたのでしょう。

 親元を離れ東京に来て、社会人になってからも同じで、会社の求めることに全力で応えることが、社会生活に参加する上で必要不可欠だと考えていました。

 なぜなら、会社の求めることにすぐさま対応できないと、不要な人間だと判断されると思ったからです。

 恋愛関係においてもそうでした。

 恋人のいうことに反論したら不要な人間だと思われる、意図に反する行動をしたら見放される、と。

 幸いこれまで付き合った人は常識人ばかりで、暴力をふるったりお金をせびったりする人はいなかったので、それほどつらい目にあうことはありませんでしたが。

 奇しくも体調を崩したことで自分の育ち方や考え方に問題があることに気づき、それからはどうすれば自信が持てるか、どうすれば自分の感情に気づくことができるか、どうすれば自分の感情をもとに行動することができるか、ということを考えて、少しずつ変化してきました。

 それでもやはりふとした瞬間に、もともとの考え方に支配されそうになるときがあります。

 特に1月なんて、年末年始の実家暮らしでその考え方を一番意識する時期です。

 そんなときに私は、ひとりの女性と出会いました。

 その女性は、レズ風俗の女の子。

「話題になっているから、一度どんなところか潜入してきて」と会社に言われて行くことになったのですが、そもそも私は女性が苦手です。

 理由は、母と同じ性別だから。

 母に似たようなことを言う人、似たような行動をする人、同じ背格好の人、すべてが苦手です。

 だからレズ風俗も本当は行きたくありませんでした。

 ましてや女性相手にエッチなことをしようという気持ちも全くないし、できれば避けて通りたかった。

 しかしこの体験が、2019年早くも、私にとって大きな変化をもたらす出来事になったのです。

 次回に続きます。

女性向け動画サイト「GIRL’S CH」の人気の秘密とは!?

2015.06.07 Vol.644

 草食系男子とか肉食系女子という言葉をよく耳にする。そんな世相もあってか最近では女性向けの動画サイトが人気なのだそうだ。そのなかでも最大手ともいえるのが「GIRL’S CH」。

「オープンから2年半弱でのべ1500万人の方に視聴いただいています」というのは立ち上げからの中心メンバーである田口桃子さん。結構な数の人が見ている。

「女性向けのアダルトコンテンツは2009年くらい、ananのセックス特集が定期的に組まれるようになってからぼちぼち出始めてはいたんですが、ここ2〜3年、女性の中でスマホが普及してから一気に加速しました。それまで家のパソコンでは怖くて見られなかった人が気軽にこっそり、自分の手のひらの中で見られるようになったというのが後押ししていると思います」

 サイトを見ると、アダルト以外にもサブカル的なコンテンツもたくさんある。

「アダルト動画以外にもオリジナルの動画を1日1本作ってアップしています。それを2年くらいやっていますので、けっこうな本数にはなっていますね」

 女性スタッフの意見を踏まえ、動画が編集制作されている?

「私も立ち上げ時で入社して6年目。他のスタッフも含め結構長い期間をAV界で過ごしてしまったので、私たちが考えるようなものは世間の女性にはまだ過激だったようです。ですので“コレ好きボタン”、視聴回数。レビューがつきやすいもの、といった基準で判断しています」

 昨今の女性の生態についてコメントを求められたり、トークイベントに出演することもある田口さん。最近の女性の恋愛観とかセックス観にはどんな印象を?

「いわゆる肉食系といわれるような人は昔からいて、それを表現する言葉がなかっただけ。キャラとして認められるようになってきて、人前で言える人が増えてきたということなのではないでしょうか」

 女性が興味の持ちそうな話題でアンケートを取ったりと、コミュニケーションスペースとしての側面もある。TOKYO HEADLINE WEBではGIRL’S CHと連携して、女性のためのコラムを6月末からスタート予定!

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