“SDGs未来都市”豊島区の高野区長、水道がいらない手洗いスタンド「WOSH」実証実験に意欲

「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」のダブル選定を受けている豊島区にて11日、水循環型手洗いスタンド「WOSH(ウォッシュ)」の実証実験に向け、高野之夫区長のもとをWOTA株式会社の前田瑶介代表取締役CEO、豊島区SDGs未来都市推進アドバイザーの一木広治氏らが訪問した。

写真左より豊島区SDGs未来都市推進アドバイザーの一木広治氏、高野之夫豊島区長、WOTA株式会社の前田瑶介代表取締役CEO

 生活インフラとして欠かせない「水」だが、国内では水道の老朽化や維持コスト、人口減少による水道事業の赤字、世界的にも水不足や衛生環境などさまざまな問題を抱えている。「WOSH」とは独自の水処理自動化技術「WOTA CORE」により、水道管に接続せずに排水を98%以上循環させ、WHOの「飲料水水質ガイドライン」の基準を満たすろ過性能を持った循環型手洗いスタンド。同技術は英ウィリアム王子が創設した地球環境賞「アースショット賞」のファイナリストに選出されるなど、国内外で高く評価されている。

 前田代表は「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)でも紹介され、気候変動の影響で海水面が上がり、真水がなくなる可能性のある世界中の島国を中心に関心を持っていただいた」と語り、「世の中の多くのライフラインが小規模化する中で、小規模な水循環システムがあれば都市全体に水道を張り巡らさなくても水が使える未来が描ける」と説明。2016年の熊本地震以降は避難所の断水にも問題意識を持ち「さらにコロナ禍にあって、水道がなくてもどこでも手洗いができるよう、手洗いスタンドの開発に重点を置いてきた」と力を込めた。

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