豊島区の「子ども食堂」で「ピザーラ」が支援の輪 応援プロジェクトの一環で宅配ピザ提供

 地域の子どもやその保護者などを対象に無料、または低料金で食事を提供する「子ども食堂」。宅配ピザ事業「ピザーラ」を手掛ける株式会社フォーシーズでは、自社のSDGsの取り組みの一環として、豊島区で7月よりスタートした「としま子ども若者応援プロジェクト」に賛同し、「企業や団体からのコト・モノ支援」として区内の子ども食堂に宅配ピザで支援を行っている。8月下旬に「みんなのふくろう食堂」で行われた宅配ピザ提供の様子を取材した。

「みんなのふくろう食堂」でピザを提供する福井友洋さん(写真左)と牧野斉子さん(同右)(撮影:堀田真央人)

 隔週火曜日の夕方、池袋近隣に住む子育て中の親子や独居高齢者などを対象に開催される「みんなのふくろう食堂」。NPO法人ワーカーズコープ本部の社員食堂とフリースペースの一部を開放し、2016年から子ども食堂や絵本の読み聞かせ(現在は休止中)などの活動を行っている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨年3月以降は食品と弁当を提供するフードパントリーに形を変え、利用者は地域の親子やその友人、希望者と面談するなどして37世帯86人。活動資金には豊島区の補助金などを充て、感染症対策のために現在は法人スタッフ有志で運営しているという。同所の理事である牧野斉子さんは「新型コロナウイルスの影響で経済的に困窮すると、一番最初に削られてしまうのが食費です。今回のように企業や行政、地域の方がつながって“自分たちの出来ること”を持ち寄り、地域全体で子どもの食を支えて成長を見守ることは大切だと思います」と語る。

 16時15分頃、「ピザーラ」の制服を着たスタッフが保温バッグを持って「みんなのふくろう食堂」に到着し、会場はチーズの焼ける香ばしいにおいに包まれた。この日のメニューはモントレー(トマト)・シーフードイタリアーナ・ピザーラチーズラバー・プルコギポテトのLサイズを各5枚。それぞれが1ピースずつの個包装で、イベントのケータリングや災害時の炊き出しなどで使用する特製ケースに入っている。次々とやってきた利用者は、ピザがあることを告げられると目が輝いて笑顔が広がり「ピザ大好き!」「どれにする?」と楽しそうに好みのピザを選んだ。スタッフが希望のピザを袋に詰めて手渡すと、子どもたちから「ありがとう」「うれしい」と感謝の声が。

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