音が見え、歌が見えた「体験型写真展」を体験〈寺尾聖一郎の「SDGsなライフシフト」〉

「歓喜」を手話で表現してみました。©Mariko Tagashira Photography

 東京竹芝のダイバーシティーミュージアム「対話の森」で開催中の『第九のきせき』というアートエンタテインメントを体験してきました。

 タイトルだけでは、よくわかりませんでしたが、いざ体験すると、写真から伝わる光の表現力に感動しました。薄暗いミュージアムで観る写真からは、まるで音楽が聞こえてくるような迫力。一言で言うと「音が見えてくる」「歌が見えてくる」感覚が体験できます。

 この写真展は、対話の森と写真家の田頭真理子さんとホワイトハンドコーラスNIPPONのコラボレーションで実現しました。ベートーベン作曲の「交響曲第九番合唱曲付き」に合わせて、光の手(発光するホワイトハンド)をはめたコーラス隊の数秒の動きを1枚の写真が捉えていて、どの作品も写真なのに動きのある躍動的な作品ばかりでした。

フォトセッションで撮影した参加者の作品が展示される ©Mariko Tagashira Photography
ろう者の少年が演じた第九の手歌©Mariko Tagashira Photography

ダイバーシティ&インクルージョンの写真展

 

 ここに表現されている光の作品は「ことば」であり、切り取られた時間の流れは音楽を想起させてくれます。参加しているメンバーは、視覚障がい者、聴覚障がい者などダイバーシティに富んでいますが、聞こえる・聞こえない・障害がある・無しに関係なく、文化や国境の壁を超える事が出来る音楽とは何か?を気づかせてもらいました。

 

写真展「第九のきせき」が対話の森で開催されるきっかけ

 

 2021年11月に東京芸術劇場にて4日間開催された写真展「第九のきせき」は、聴覚を失っていたベートーヴェンと同じ世界に生きるろう者が、音楽の流れを想像しながら手話に訳した「手歌展」の評判が良かったことで、写真家の田頭真理子さん、ホワイトハンドコーラスNIPPONのコロンえりかさん、対話の森の志村季世恵さんのコラボレーションが決まり、この4月から「ダイアログダイバーシティミュージアム 対話の森」でよりバージョンアップした展示会が開催されることになりました。この写真展開催に合わせて、真っ暗闇のソーシャルエンタテインメント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」でも「第九」を題材した特別プログラムが開催されていますので多くの方に体験していただくことをお勧めします。

 

特別フォトセッション開催も決定

 

 今回の開催では特別に一般の方もフォトセッション体験も可能です。私(1枚目の写真)も早速第九に合わせた光の表現にトライしましたが、とても楽しい体験ができました。

体験型写真展「第九のきせき」
【日程】2022年4月29日~5月29日
【会場】ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」
【入館料】中学生以上1000円、小学生以下無料 ※保護者の同伴が必要

★フォトセッション開催概要】
【日時】5月5、21、22、28、29日 それぞれ11~12時/ 14~15時(各回定員10名)
【参加費】1人2000円(税込)
【内容】写真家の田頭真理子氏が参加者を撮影。参加者が光る手袋をはめて表現した「歓喜」の軌跡写真を最後の展示室に増やしていき、訪れた人々の歓喜を重ねていきます

【URL】https://daikunokiseki.dialogue.or.jp/

■プロフィル 寺尾聖一郎 ソーシャルコンテンツPRプロデューサー
1964年東京都生まれ。(株)リレーションズ代表取締役
エンタテインメント&コンテンツビジネスを中心に31年間勤務した広告会社を2020年に早期退職。パーソナルトランスフォーメーション(PX)を志し、人生100年時代のライフシフトを実践中。”アイデアで世界を繋ぐ”を目指すPRクリエーティブ会社(株)リレーションズを設立。同年ニューホライズンコレクティブ社のプロフェッショナルパートナーとなる。東京浜松町に2020年8月に開業したダイアログ・ダイバーシティーミュージアム”対話の森”の企画プロデュースなどを担当。趣味は料理、テニス、ゴルフ。資格:障がい者スポーツ指導員、行政書士、宅建、調理士。「クイズに答えてお米を寄付するサイトハッピーライス」( https://happyrice.org/ )の運営。 一般社団法人防災キャンパー協会プロデューサー。Twitter:@recommendertera