魚種転換、磯焼け…海の課題が食フェスに!二子玉川ライズ「海のごちそうフェスティバル」

 世田谷区玉川の二子玉川ライズにて10月21日、22日に開催する食イベント「海のごちそうフェスティバル2023」を前に、都内で報道陣に向けてトークセッションと試食会が行われた。

二子玉川ライズ「海のごちそうフェスティバル2023」にて販売する「函館ブリ塩ラーメン」

「海のごちそうフェスティバル」とは、2021年から開催する海と食の一大イベント。今年は「知れば知るほど、海はおいしい。」をテーマに、過去最多の12ブースが出展する「海のごちそうキッチン」や全国の海産物、特産品などを販売する「海のごちそうマルシェ」など、背景やストーリーのあるシーフードを提供する。

 冒頭のトークセッションでは、海のごちそうプロデューサーの國分晋吾さんとYahoo!Japan SDGs編集長の長谷川琢也さんがイベントで販売するフードメニューの背景を解説。まず、近年の海の課題のひとつに「魚種転換(魚種交代)」=海の環境変化で漁獲できる魚が変わり、漁業者に魚種や漁法の転換を勧めることを挙げる。

 2012年から宮城県石巻市を拠点に活動する長谷川さんは「移住当時はタラやブランド魚の金華サバなどが獲れていたが、近年は魚体が小さく、漁獲量も少なくなった。さらにこれまで獲れなかったノドグロ(アカムツ)など、暖水性の赤い魚が増え始めている」と指摘。

 北海道函館市が拠点の國分さんも「北海道のブリの漁獲量はここ10年で30倍以上に増加した。昔から定置網に入っていたけど、近年は1回の定置網で1トン全部ブリという状況。函館近海のブリは脂が乗っておらず、北海道にブリ食文化もないのでなおさら値がつかない」とうなずき「今まで獲れていた魚が獲れなくなる一番の問題は、地域の食文化が成り立たなくなること。函館ではイカが全然獲れなくなって、海外からイカを輸入しないと加工会社がやっていけない」と警鐘を鳴らした。

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