「平和のためのダイアログ・イン・ザ・ダーク」が7月5日から開催。戦後80年の今、戦争と平和は「語り継ぐ」ものから「語り合う」ものに

ガラスに書かれている文章は「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」発案者アンドレアス・ハイネッケの言葉
東京でのプログラムでは参加者は暗闇の中にある電車に乗り、2025年から1945年の広島に向かう。電車の中には本物の千人針の玉止めがあり、それに触れることで出兵する人たちや見送る人たちの心情に思いを馳せる。広島に着いたらまだ原爆が落とされる前の民家に行き、当時の家の中を触感やにおいなどで感じることになる。そんな静かな時間が過ぎる中で「もしかしたら今は8月6日ではないのか」と思わせる場面が突然やってくる。
プログラムは案内役の視覚障害者の導きのもと8人で行われるのだが、暗闇の中、杖と互いの声などを頼りに前に進む中で否が応にも「他者との共存」や「他者への思いやり」といったものの大切さを認識させられる。最後はこの経験を経たうえで平和について考え、何ができるかといったことを全員で「対話」をして90分のプログラムが終了。ここでは戦争と平和は「語り継ぐ」ものから「語り合う」ものとなっている。
広島でのプログラムは会場がまさに被爆地であることから、そこで暮らす人々の経験が中心となったものになる。