新型コロナ・インフル同時流行に「キャンピングカー」導入 水戸市の病院で

 新型コロナウイルスの感染拡大「第2波」はようやく落ち着きを見せ始めたが、10月以降の「第3波」やインフルエンザとの同時流行が懸念される。こうした中で医療機関独自の対策として、医療用キャンピングカーのレンタルが注目を集めている。発熱外来患者向けに、ドライブスルー検査車両としてキャンピングカーを導入した丹野病院(茨城県水戸市)を取材した。
新型コロナ対策として注目を集める医療用キャンピングカー(撮影:辰根東醐)
 水戸市内では7月下旬から夜の街関連のクラスター、8月第2週から特定医療機関や有料老人ホームで新規感染者が発生したものの、9月第3週以降の新規感染者数は落ち着いているという。丹野病院の丹野英院長は、現状の新型コロナ対策を「これまで保健所で行ってきたPCR検査を、県の指導のもとで各地域医師会が主体となって実施することになりました。現在、新型コロナ疑いのある発熱者には、保健所、または水戸市医師会・県央医師会・笠間市医師会で構成する地域外来・検査センター(PCRセンター)を紹介しています」と語る。PCR検査数が増加したことで保健所の業務がひっ迫したため、地域医師会が連携してPCRセンターを設置したのだという。

 今回、丹野病院では新型コロナウイルスと、季節性インフルエンザの同時流行対策としてキャンピングカーを導入した。その理由を「今後、安心して病院を受診してもらうためには、外来で発熱者とそうでない患者さんの動線を分けなければいけません。そうした時のルートとして、可動性があって給水タンクや電源も備わっているキャンピングカーは、比較的スムーズに導入できます」と説明する。発熱患者は救急外来で受付後、臨時診療所となるキャンピングカーでドライブスルー方式により検体を採取。PCR検査とインフルエンザ抗原検査を同時に行うことが可能となった。インフルエンザの検査結果はその場で出るので確定診断や早期治療が可能に、新型コロナのPCR検査は救急室内の臨時検査室で行う。こうすることで、一般外来でほかの患者と接触する機会や医療従事者の負担を減らすことができるという。
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