すべての人がマイノリティ。障害と健常のあいだを探る500日間のドキュメンタリーで見えたもの

 重度知的障害の青年、余命宣告された難病者、元ひきこもり、LGBTQ、車いすのデリヘル嬢、無職、結婚だけを目標にする人――。さまざまな人たちがやってくる場所がある。東京・大田区にあるバリアフリー社会人サークル「colors」だ。ここに訪れる人々に密着したドキュメンタリー映画『ラプソディ オブ colors』が、5月29日より全国公開される。心温まる福祉映画とは一線を画す、「人間まるだし」要素たっぷりの本作について、また、映画を通して伝わる本当のダイバーシティについて、佐藤隆之監督とcolors代表石川悧々さんに聞いた。

左から、colors石川悧々代表、佐藤隆之監督(写真・蔦野裕)

「アンチ感動ポルノ」をテーマに

―佐藤監督がcolorsに注目したきっかけを教えて下さい

佐藤隆之監督(以下、佐藤):2017年の秋に、僕の前作をcolorsで上映してもらったことが始まりです。挨拶で訪れるうちに「なんだか面白い人たちだな」と。もともと次回作のために知的障害の男性を主人公にしたシナリオを書いていて、colorsに行けば色々な人がいるから参考になるんじゃないかなと、参加していました。そのうちに、参考にするのではなく、この人たちを撮った方が面白いじゃないかって。それで、colorsを中心にした映画を撮ると決めました。

―500日間の密着とのことですが、どんなことを描こうと、この映画を製作されたのでしょうか。

佐藤:障害者を感動の対象として描くような福祉映画・障害者映画にはしたくないと思っていました。つまり「アンチ感動ポルノ」がテーマです。世の中には、感動を誘うような見方がありますが、それらは事実のごく一部で限られた見方。きっと、当事者の中にもそうした見方が“胡散臭い、嫌だ”と思っている人はいると思って、そうじゃないものを作りたいと思いました。

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