花粉症シーズン到来!2020年最新事情

いまや国民病の花粉症。今年の対策は?(写真:長田洋平_アフロ)

さまざまな治療選択肢


 現在、花粉症治療には、薬を飲んだり点眼薬を使って症状を抑える「薬物療法」、花粉症の原因であるアレルゲンを注射や舌の裏から投与する「アレルゲン免疫療法」、レーザー治療などの「手術療法」の大きく3つがある。花粉症治療の第一人者である日本医科歯科大学付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授の大久保公裕氏によれば、これらの治療は、症状の度合いやライフスタイルによって選択したり、組み合わせたりするのが良いという。

 たとえば、すでに花粉症シーズンに突入している場合、すぐに症状を抑える薬物療法が適しているし、症状の軽い人はそれで乗り切れるだろう。長年、花粉症に悩まされている重症患者や幼少期の発症であれば、2〜3年以上の長期間の治療が必要になるが、約7割の有効性が確認されているアレルゲン免疫療法で体質自体を改善するのが良いかもしれない。また、薬が飲めない妊婦や鼻づまりが特に重い人には、鼻の粘膜を切除するレーザー治療の選択肢もある。大切なのは、自分のQOLや環境に合わせて最適な治療法を選ぶことだという。