「緊急事態宣言」から2週間、医療現場は今 東京都医師会語る

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府の「緊急事態宣言」発出から2週間が経過した。都道府県別感染者数が全国最多となる東京都で、医療現場は今どのような状況なのだろうか。公益社団法人東京都医師会の感染症担当である角田徹副会長に聞いた。
東京都医師会の感染症担当、角田徹副会長
「緊急事態宣言」発出から2週間が経過しました。医療的に見て外出自粛の効果はいかがですか?

角田徹(以下、角田)「ここ数日の新規感染者数は非常に重要だと思います。というのも、土日は検体を採取する場所の規模が縮小してしまうので、お休み明けはどうしても感染者数が減る傾向にあるんですよ。そのうえで新規感染が判明して、およそ1週間程度の無症状や軽い症状を経て重症化してくる場合が多い。そういう方は今後医療にアクセスしてきますので、自粛の効果が医療機関に及ぶのはもう少し後だと思います」

 感染者数の増加で医療現場がひっ迫していると聞きます。実際に医療現場から寄せられている声があれば教えてください。

角田「私自身も開業医なのですが、地域の基幹病院で新型コロナ外来がパンクしていて、徒歩で直接受診してしまう患者さんもおり、とてもじゃないけれど対応できない、という現実があります。基幹病院の数が少ない地域で、元々三次救急(高度な救急医療を行う医療機関)の中心として患者さんを搬送したりお願いしていた病院に、軽症や不安な人たちが来てしまう。今、一番負荷がかかっている二次、三次救急の医療機関に、いかに軽症の人を行かせないかが、僕らの現場の重要な役割だと思います」

 東京都が発表した「宿泊(ホテル)療養」とはどういった取り組みですか?

角田「新型コロナウイルス感染症の8割の方は軽症か症状がなく、2割の方が重症化します。重症化する場合は急激に悪化しますので、その人たちを見極めてしっかり治療しなければいけません。本来は軽症者でも入院するのが原則ですが、感染者数が増加すると受け入れ態勢を超えてしまうため、回復してきた軽症者の方に病院から宿泊施設へ移動していただいています。ここでPCR検査を2回行って、どちらも陰性ならば自宅に戻ることができる取り組みです。もう一カ所の宿泊施設では、新規の感染者のうち症状がないかごく軽度の人たちを経過観察します。新規感染者は2割が重症化しますから、医療の監視体制を強化しないといけないので、これまでの宿泊療養とは大分意味合いが違います」
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