新型コロナ、メンタルヘルスへの影響を分析 都医師会

 公益社団法人東京都医師会が13日、都内で記者会見を行い、新型コロナウイルス感染症がメンタルヘルスに及ぼした影響について分析した。
新型コロナウイルス感染症がメンタルヘルスに及ぼした影響について語る公益社団法人東京都医師会の平川博之副会長
 平川博之副会長は「数え上げたらきりがないが、さまざまな影響が出ている」と言及。3月以来、メンタルヘルス相談は一貫して増加しており、主な相談内容は「感染したのではないか」といった感染の不安、「熱が続いている」といったコロナ症状に関するもの、「不安や孤立で自分がコントロールできない」といった精神症状の悪化、「仕事の形態が変わった」「生活リズムが崩れた」といった生活の変化に対する不安、「テレワークで家族が家にいて休まる間がない」といった家庭問題、「仕事がなくなった」「派遣切りにあった」といった仕事(失業)・経済問題などに分類されるという。

 相談件数の合算と都の感染者数を比較すると、緊急事態宣言後や不用不急の移動自粛要請、都の警戒レベルを最も高いレベルに引き上げた後に相談件数が急増しているといい、平川副会長は「相談の場面からもメンタルヘルスの動向が分かる」と述べた。

 また、全国の月別自殺者数を2017〜2019年の平均値と2020年で比較すると「8月に入って急増し、従来にない増え方をしている」とし、20代未満の自殺者が前年比で2倍以上増、さらに40歳未満の女性が前年比で76.6%増と大幅に増加していると指摘。東京都に絞ると全国より早い6月頃から自殺者数の増加が見られるという。女性の自殺者数増加の背景について「あくまで推測ではあるが」と前置きしたうえで①失職、②自粛生活、②リモートワーク・休校措置、④著名人の自死などの要因があるのではないか、とした。

 最後に、もしも身近な人から自殺念慮を打ち明けられたら①心配していることを明確に言葉に出して伝える、②自殺しようとしていることを感じたら、はっきりその点について訊ねる(真剣に正しく対応すれば、自殺を話題にすることは危険ではなく、自殺予防の第一歩となる)、③つい「それはないよ」「それは間違っているよ」など自分の言葉を挟みたくなるが、相手の気持ちをとにかく拝聴する。絶望的な気持ちを真剣に聞き、本人の気持ちにひたすら寄り添う(ただし、一人では抱え込まない)、④危ないな、目が離せないと感じたら、その人を決して一人にせず、安全を確保したうえで必要な対処をする(確実に相談機関、精神科等の専門医療につなげる)といった心構えも説明した。

 平川副会長は「聞いてはまずいのではないかと思うかもしれないが、真剣に話を聞くことにすればまったく問題はなく、反対に自殺を防ぐことができる。私も臨床経験の中で『あの時もっと踏み込んでおけば』『あの時、嫌われてももっと引き止めておけば』という経験はままある」と真剣な表情で訴えた。

 東京都等のメンタル関連の相談窓口は以下の通り。

・東京都自殺相談ダイヤル〜こころといのちのホットライン〜
対象 都内在住、在勤、在学
ナビダイヤル 0570-087478(14時~翌5時30分、年中無休)

・東京都夜間こころの電話相談
対象 都民
電話 03-5155-5028(毎日17~22時、受付は21時30分まで)

・東京都SNSによる自殺相談
対象 都内在住、在勤、在学のいずれか
LINE 相談ほっとLINE@東京(毎日15~22時、受付は21時30分まで)

・東京都精神科救急医療情報センター
対象 都民
電話 03-5272-0303(平日17~翌9時、土日9〜21時)

・港区新型コロナこころのサポートダイヤル
対象 港区民(区内在勤・在学者を含む)
電話 03-5333-3808(平日9〜17時)

・神奈川新型コロナウイルス感染症こころの電話相談
対象 宿泊療養施設および自宅待機の無症状、軽症の方
電話 0570-024302(平日9時から17時、祝日・休日・12月29日から1月3日を除く)

 この日は冒頭で、改めてインフルエンザ予防接種の実施、適切な医療機関の受診、自分のかかりつけ医を持つことなど、尾﨑治夫会長が今冬の新型コロナ対策を解説したWEB動画「この冬は、愛と、希望と、予防接種。」を都医師会のホームページとFacebookで公開していることも紹介した。

>>次ページは記者会見に登壇した東京都医師会メンバー
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