5類移行後、新型コロナにかかったら?医療機関受診のポイントを東京都医師会が解説

 東京都医師会は9日、5類移行後の課題と対策について定例記者会見を行い、5類移行後の医療機関受診のポイントを解説した。

疾病対策を担当する東京都医師会の鳥居明理事

 疾病対策を担当する鳥居明理事は、5類移行後の医療機関へのかかり方について「ポイントは4つ」として「①抗原検査キット、解熱薬を自宅に準備していただきたい、②電話で連絡してから医療機関を受診してほしい、③医療費の一部が自己負担になります、④若い人でも後遺症(罹患後症状)が持続する方がいる」と挙げた。

 鳥居理事は、東京都福祉保健局が制作した5類移行後リーフレット「発熱などの症状が出たら」を提示してそれぞれ説明。

「検査キット、解熱薬を自宅に常備して、もし熱が出たら使っていただく。いくつか種類があるが『体外診断用医薬品』または『第1類医薬品』を使っていただきたい。鼻腔ぬぐい液のキットでおよそ1200円程度、唾液のキットでおよそ1800円程度で購入できます。検体の取り方も大切で鼻咽頭から確実に取っていただき、唾液の場合は30分程度はうがいや歯磨きを避けていただきたい」

「辛い場合には医療機関を受診してほしい。外来対応医療機関(発熱患者への診療・検査を行う都内の医療機関)と、困ったらかかりつけ医に相談していただく。適切な方法できちんと対応するか、医療機関を紹介してくれます。医療機関を受診する前には必ず電話で連絡していただきたい。高齢者や重病の方にうつしてしまってはいけないので、入り口や動線、時間帯を分けているところもある。どういうかかり方をしたらいいか聞いて、マスクをしてから来院していただきたい」

 それでも困った時には「東京都では新型コロナ相談センター(0120-670-440、毎日:24時間)を開設しています。救急相談センター(#7119)、小児救急相談(#8000)という窓口もある」と案内。

 また、検査キットなどで陽性が判明した時は「5日間、自宅療養をしましょう。できるだけ外出を控えることが推奨され、やむを得ず外出する場合はマスクを着用していただきたい。10日間はウイルス排出の可能性があるので、そのことを十分考えて行動していただければ」、療養後に後遺症が疑われる場合は「コロナ後遺症対応医療機関というのが公表されています。都立病院ではコロナ後遺症相談窓口があり、医療以外の生活全般の相談には各種相談窓口リストも公表されている。リーフレットにも掲載されているので、ぜひ利用していただければ」と述べた。

 5類移行後の医療費は、健康保険が適用されて1~3割の自己負担が発生。急激な負担の増加を防ぐため、入院、外来の医療費の一部を公費支援(移行期間は9月末まで)。特に高額なコロナ治療薬(抗体薬、抗ウイルス薬)は公費支援の対象となる。外来でのコロナの検査には自己負担が生じ、初診抗原検査は3割負担で2271円、初診PCR検査は3割負担で3489円。高齢者施設や障害者施設での集中検査は行政検査として無料。ワクチンは引き続き公費支援され、自己負担はない(令和5年度)。

 解熱薬、鎮咳薬には自己負担が生じるため、医療機関を受診するとおよそ4000~5000円程度となるが「困った場合はぜひかかりつけ医に相談して医療機関を受診することをおすすめします」と結んだ。