「とにかくいろいろな人に話を聞いて出来上がった」昨年発表された豊島区の基本構想・基本計画の中身を高際みゆき区長に聞く
一番の肝は防災
ここまでいろいろとお話をうかがいましたが、区長が考える一番の肝はなんでしょうか?
「やっぱり防災ですね。今まで皆どこか他人事だったかもしれない。区も企業も昼間に地震があったら職員・社員は豊島区にいますから、日中の自分がやるべきことをもっとリアルに考え、準備する必要がある。区民一人ひとりにも、いかに“自分事”になってもらうか。いつ大地震が来てもおかしくないので、そこが肝ですね」
子どもが小学生くらいになると区外に転出してしまう人が多いとのことですが、それについての対策などは考えていますか?
「子どもの進学時などに転出してもまた戻ってきてもらえるよう、多世代近居・同居支援事業を始めたんですよ。親が豊島区にお住まいで、その近くに引っ越して来られる際の費用への支援です。 子育て支援には引き続き力を入れますが、来年度は特に、福祉に力を入れていきます。一つひとつは小さい事業でも、障害者・障害児の支援、高齢者の支援といったことをしっかりやろうと思っています。“弱者”と言われがちな方々に光を当てるのが基礎自治体の役割。区市町村は、目の前に、ここで暮らす人がいますので」
前区長に比べて高際区長は区民が身近な存在に感じられているのではないでしょうか。たくさんの声が寄せらるというのはそういうことかと。
「先日、新年会ですごくうれしかったことがありました。ある方に“うちの区長はAKBですから”って言われまして(笑)。それは、会いに行ける区長だからっていうことらしいんです。確かに自分のことを考えると、私は西東京市の生まれ育ちなんですが、市長は遠い人で生まれてから一度も顔を見たことないし、名前も分からないって感じでしたから(笑)」
区民の意見をすくいとるための施策としてはどういうことをやっていますか?
「子どもの声を聞こうと、子どもレターというものをやっています。子どもがいるところ区内120カ所にかわいい便箋を置いていて、私に直接届きます。これまで900通届き、全部返事を書いています。子どもだからこそ変な返事は書けない。“二度と大人になんか話すものか”と言われちゃうから(笑)。“お手紙ありがとう”から始めます。“なんで公園ではボールが投げられないんですか?”とか、5歳の子からも“どうして街がこんなに汚いんですか?”といったものが送られてくる。“ごめんね。もっと一生懸命やるね。喜んでもらえるように頑張るよ”と、本気で思いながら書いています。これからも、宝物である子どもたちの思いに応えたいと思っています」
昨年12月に住宅宿泊事業法の条例を改正されました。いわゆる民泊についての規制ですね。
「民泊は条例改正をしまして、多分日本一厳しい規定です。事業者の方々からSNSですごく叩かれましたが、街に出ると区民の皆さんの“頑張れ”という声があって、実際に日々困っている人たちの生活環境を守ることを最優先に、との思いで何とか頑張ることができました」

