花粉症の人に朗報!? 最新研究で分かった「酢酸菌」の可能性

 年々患者数が増加傾向にあり、もはや国民病ともいえる「花粉症」。特に季節を問わずに花粉が飛散し、種類も量も圧倒的に多いのが関東エリアで、都内では2人に1人が花粉症ともいわれている。26日に都内にてメディアセミナー、最新研究結果発表「花粉症対策にみる『酢酸菌』の可能性」が開催され、最新研究からお酢作りに欠かせない「酢酸菌」に症状の改善効果が期待できることが明らかになった。
東京農業大学の応用生物科学部醸造学科の前橋健二教授

そもそも「酢酸菌」とは?



「酢酸菌」とは、アルコールから酢の成分である酢酸を作る菌の総称。「お酢というのは世界各国で使われていて、お酒を持っている文化圏には必ずお酢があります」と説明するのは、東京農業大学の応用生物科学部醸造学科の前橋健二教授。

 近年ではお酢の持つ健康効果についての研究も行われ、

・腸内環境改善 ・内臓脂肪の減少 ・便秘改善 ・コレステロールの低下
・血流改善 ・カルシウム吸収効率の向上 ・血糖値上昇の抑制 ・塩分の過剰摂取を抑制


など、さまざまな健康効果が報告されている。微生物学的にみると、発酵菌の中でも細胞壁の構造で乳酸菌や納豆菌とは異なる特長を持っている「酢酸菌」。酢酸菌の特有成分である「LSP(リポ多糖類)」は免疫細胞(マクロファージ)を活性することが分かっている。

 ただし、現代の一般的なお酢作りでは、製造過程でろ過されて酢酸菌が含まれていないと明かす。「バルサミコ酢」、「香酢」、「黒酢」などの酢のほか、伝統的な製法であえて酢酸菌を残した「にごり酢」が注目されているのだとか。「一例を示しますと福岡県の庄分酢。300年の長い歴史があるお酢屋さんで、甕(かめ)に米と麹と水を加えて発酵させ、昔ながらの製法でじっくり時間をかけて作るお酢です。東北では青森県のカネショウさんでも、低温で時間をかけて熟成する作り方で、昔ながらの酢酸菌を含んだお酢作りに挑戦しているという話を聞きます」と前橋教授。
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