新型コロナ「第2波」に備え健診・予防接種で対策を 東京都医師会

 公益社団法人東京医師会は10日、都内で記者会見を行い、新型コロナウイルス「第2波」に備えた対策を説明した。
東京都が感染拡大の警戒を呼びかける独自の「東京アラート」
 東京都が感染拡大の警戒を呼びかける独自の「東京アラート」に対し、尾﨑治夫会長は「大きな原因となっているのは夜の街クラスター」と明言。新規感染者のうち4割は無症状の感染者からうつされていること、発症の2日前から発症から5日後のおよそ1週間の感染力が高いこと、唾液から検出されるウイルス量が多いことなどから「三密空間の中でマスクを外しての飲食、飲酒、大声でしゃべり合うことなどに最も気をつけなければならない」と警鐘を鳴らした。また、感染対策で健康診断や予防接種などが延期されている現状に「乳幼児やお子さんは新型コロナ以外の感染症を予防していくことが大事。大人や高齢者も秋から冬にかけて新型コロナとインフルエンザが同時に流行することも考えられる」とし、新規感染者数が小康状態である今の時期に健康診断・予防接種・医療相談などを受診するよう呼びかけた。

 現在の医療体制について、都内のPCRセンターは5月末時点で36カ所稼働しており、今後の課題に救急外来での抗原検査を挙げ、正確な検査結果の把握が重要だと説いた。さらにかかりつけ医のトリアージ(患者の重症度に基づいて、治療の優先度を決定すること)体制の拡充、新型コロナ専門病院の設立、宿泊療養施設の充実、地域の医療機関への財政支援、日本版CDC(疫病対策センター)の導入などを提言。

 さらに、社会的な偏見や差別の問題にも触れ、感染者や医療従事者、医療機関への理解を求めた。
「新型コロナ以外の感染症を予防していくことが大事」と語る尾﨑会長