新型コロナ今後の対策は?都医師会が会見 GoTo追加、インフルエンザと同時流行も

 一般社団法人東京都医師会が17日、今後の新型コロナウイルス感染症対策について記者会見を行った。
段階的なGoTo東京追加を提案する東京都医師会の尾﨑治夫会長
 冒頭で、尾﨑治夫会長は16日に発足した菅内閣に「新しい厚生労働大臣の田村憲久さんは大変医療に詳しい方。今後の新型コロナ対策についても大いに期待しているところ」としたうえで、政府で特別措置法や感染症法の議論がなされていないと言及。そうした中で「東京都と都民ファーストの会から新型コロナ対策の条例案が出ている。十分に議論し、東京がどう対策を取っていくのかしっかり考えていただきたい」と注文した。また、新規感染者数は依然3ケタ台が続くなど、決して油断できない現状に「これからの4連休、10月からのGoToトラベル追加で全国に人が移動することになると、せっかく収まった感染拡大が再び増加する可能性も考えられる」と警鐘を鳴らした。

 続いて、猪口正孝副会長がメリハリのある医療提供体制の確立に関して説明。都のモニタリング会議のメンバーでもある猪口副会長は「症状のある陽性者を軽症・中等症・重症、症状のない陽性者を無症状と分類しているが、それだけでは病態を表現できない。糖尿病や肥満、高血圧など重症化リスクを伴っている人は、軽症であっても特別な扱いをしなければならない」と危機感を募らせる。モニタリング会議では、こうした重症化リスクの高い感染者の受け入れルールも示しているが「たとえば特別区(23区)と都下でも方策を徹底しきれていない。今後の条例改正で、都と区市町村が一体となってメリハリのある医療提供体制を展開できたら」と期待を込めた。

 全国的には感染拡大が収束しつつあるが、都は「収まりきらないところで増加に転じ、インフルエンザと同時流行する可能性が高まってきた。都、医師会、保健所に統一された基準がないと効率性が失われる。医療提供体制が長期化し(従事者が)疲弊する中で、このままインフルエンザの流行に突入し、効率的でないともたなくなってしまう。ぜひ条例改正して統一した基準を設け、次の感染拡大に臨みたい」と強調した。
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