自主性を重んじるSDGs開発目標で課題となる「意識格差」を作らない人材育成を

「BEYOND 2020 NEXT FORUM 総合セッション—SDGsピースコミュニケーション—」イベントリポート~第2部「SDGsと人材育成」

 SDGsをテーマに、各界識者による活発な意見が交わされた「BEYOND 2020 NEXT FORUM 総合セッション—SDGsピースコミュニケーション—」。3月19日に開催されたフォーラムの様子を3回にわたってリポート。

 第2部「SDGsと人材育成」では、ファシリテーターとして堀潤氏(ジャーナリスト)、パネラーとして中山泰秀氏(防衛副大臣兼内閣府副大臣)、笹谷秀光氏(PwC Japanグループ 顧問)、所千晴氏(早稲田大学理工学術院教授)が登壇。



堀潤氏、笹谷秀光氏

 冒頭、堀氏は「企業のSDGs担当者と話すと“自分も担当になるまではSDGsと向き合うことが企業にどんな利益になるのかと思っていましたが、実際に関わってみるとその必要性や、我々の知見がこのように生かされるんだということに気づきました、でも社内ではまだまだ理解されないんですよね”という声を聞くことが多いのです。SDGsの担い手の育成を今後どう行っていけばいいのか」と、パネラーたちの意見を求めた。


 資源循環を専門とし、学内ではダイバーシティ推進室長も務めるなど、日々さまざまな場でSDGsと向き合う所教授は「SDGsは表面的に見ると聞こえの良いアピールポイントになる言葉が並んでいるように見えるが、実際には169のターゲットがある非常に奥深いものだと、活動に携わってみるとよく分かる。しかしそれを実感できている教育者がまだ少なく、教育者が自分も学びながら人材を育成しなければならないという状況。私自身もそこに難しさと面白さを感じています」と話した。またミャンマーで視察した資源開発にともなう環境破壊の現場の様子と伝えた所氏は「我々が課題だととらえていることも、現地の人には彼らの正義、必要性がある。そういう人たちにどうSDGsを考えてもらうかはとても難しい」と、SDGs人材育成の難しさと課題を指摘した。


 SDGsにも企業として積極的に取り組むPwC Japanグループの顧問を務める笹谷氏は「SDGs目標は、世界全体でこれまでの様式を“グレートリセット”しなければならない時代の、共通の羅針盤として非常によくまとめられたものだと思います。SDGsには多種多様な目標がありますが、つまり“People(人々)、Prosperity(繁栄)、Planet(地球環境)、Peace(平和)、Partnership(協調)”という“5つのP”が危機にあると考えると良いと思います」と話し「日本には、売り手よし、買い手よし、世間よしという近江商人の精神“三方よし”という概念がありますが、企業においても、SDGs活動は、自分たちの活動を広く発信していく“開示型三方よし”だととらえれば推進しやすいのでは」と提案。さらに「これまでは産官学連携と言われてきたが、今後は金融やメディア、労働の分野も加え“産官学金言労”が連携して、SDGsに取り組むべき」とし、「SDGsの感度の高い人材をいかに育成していくか。例えば目標4“質の高い教育”を真ん中にすえ、全員が学んでいくという意識を持つようにしてはどうか。PwCでは“新たな世界、新たなスキル”を掲げ、新たに学ぶ姿勢を重視しています」と話した。



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