腸内で善玉菌を増やす注目物質「短鎖脂肪酸」とは?美容・健康イベントで医師が解説

 人の腸には約100兆個の細菌が生息し、腸内細菌のバランスを整えることが心身の健康に重要だと言われている。そんな中でにわかに注目を集めているのが「短鎖脂肪酸」と呼ばれる物質の働きだ。

「短鎖脂肪酸」をテーマにプレゼンテーションを行った近藤慎太郎院長

「短鎖脂肪酸」をテーマにしたプレゼンテーションが9月27日、東京ビッグサイトにて開催のイベント「ダイエット&ビューティーフェア2023」にて行われ、「近藤しんたろうクリニック」の近藤慎太郎院長が登壇した。

 近藤院長は腸内細菌について「口から食事を摂ると食道、胃、小腸、大腸を順に通って消化されていきますが、その消化の中で大きな役割を持っているのが大腸」と解説。大腸の中には腸内細菌が1000種類以上、腸内細菌を全て合わせると約100兆個と言われ、大腸の表面積は約200㎡、遺伝子数は数百万個だという。

「つまり、体の中で共生している腸内細菌はものすごく大きな情報を持っていて、その情報を人体と日常的にやり取りしている。腸内細菌はいろんなものを消化、吸収、分解しながら人体に役立っていて、その影響力はものすごく大きいということ」

 腸内細菌は作用によって善玉菌、悪玉菌、日和見(ひよりみ)菌という3種類に分類され、これらのバランスが乱れると潰瘍性大腸炎、メタボリックシンドローム、心疾患、脂肪肝、免疫異常、糖尿病、認知症、食道がんや大腸がん、過敏性腸症候群などさまざまな影響を及ぼすという。

「では、どうすれば善玉菌を増やせるかを生活習慣に限って説明すると野菜や果物、食物繊維、植物性タンパク質を摂ること。和食や地中海食のほか、母乳栄養は赤ちゃんの腸内環境をよくすると言われ、糖尿病の治療に使うメトホルミン、あとは運動ですね」

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