肥満と肥満症の違いとは? 肥満症は治療が必要な慢性疾患。専門家は「肥満は怠惰だけが原因ではない」と肥満の人への偏見や差別に警鐘

肥満症について説明する宮崎氏

 そして肥満や肥満症の発症については「よく指摘されるように個人の環境、あるいは生活習慣の乱れから起きてくるものももちろんあるが、それ以外に遺伝的因子、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、生活リズムの乱れ、心理的因子といったものがある。この環境因子と遺伝因子は現在の研究ではほぼ半分ずつと言われている。一概に肥満の方は生活習慣の乱れだけで起きているものではないということを、はっきり申し上げたい」と肥満=怠惰という見方を否定した。

 そのうえで肥満をきっかけに脂質異常症、脂肪肝、痛風高尿酸血症、高血圧症、糖尿病、肥満腎臓病、月経異常、睡眠時無呼吸症候群、変形性関節症、心筋梗塞、脳梗塞といった11の健康障害が起こり得る可能性を示唆したうえで「肥満はさまざまな病気を引き起こしたり、悪化させたりする。200以上の健康障害を引き起こすと考えられているが、正直な話、肥満が関連していない病態は特にないと言い切れるほど、肥満というのは多くの病気の発症であったり、また病状が悪化することに関連している」と警鐘を鳴らす。

 また欧米に比べて日本人を含む東アジア人は肥満の人が少なく、肥満の程度も軽いにも関わらず糖尿病や高血圧の発症頻度は欧米と同じか高いというデータを紹介したうえで「内臓脂肪をためやすいということに起因していると考えられている」とその原因を説明した。