肥満と肥満症の違いとは? 肥満症は治療が必要な慢性疾患。専門家は「肥満は怠惰だけが原因ではない」と肥満の人への偏見や差別に警鐘

肥満症とは

 そして肥満症の治療については「肥満症と診断されたら、合併する他の疾患の治療の前、もしくは治療と一緒に肥満症の治療として減量治療を行うことが推奨されている。特定健診保健指導の結果では、体重が治療前から3%減ることによって先の多くの疾患、糖尿病、脂質異常症、高血圧、あるいは高尿酸血症、肝障害といったものが改善することが知られている。ただ、3%~5%体重を減らすことによって改善する疾患もあれば、睡眠時無呼吸症候群のように15%~20%以上の体重減少がなければ改善しない疾患もあるので、そのような治療のゴールを考えながら、我々は現在、肥満症の治療にあたっている。減量療法というのが肥満と肥満症の予防治療として大変有効」と減量の有効性を説明した。もっとも「体重が減ると生物の体は体重を元に戻そうという生物学的反応が働く。これをできるだけ防ぐことが肥満症治療の重要な課題になっている」とリバウンドの防止の重要性についても言及した。

 そのうえで「我々が現在、大変重要な課題として考えているのは肥満の人への偏見や差別。一般的に偏見や差別というものはスティグマと言われているが、肥満への偏見や差別は『オベシティ・スティグマ』と呼ばれている。“肥満は自己管理の問題である”という社会の誤った認識が肥満症を有する人が適切な治療を受ける機会を奪っていることが現在大変問題になっている」と肥満の人は怠惰、大食い、自制心が足りないといった世間の認識の誤りを指摘した。

 そして「肥満症は肥満と違い、リスクの高い病気。肥満症は“自己管理の問題”と誤認されがち。肥満症は保険診療で治療が可能。はじめの一歩は“話してみること”」とまとめた。