新型コロナの消毒液不足はいつ解消? 代替品は? 経産省で聞いた

経済産業省災害対策室の金井伸輔政策企画官
 有効性評価ではどのようなことを行うのでしょうか。

金井「まず、代替ウイルスとしてインフルエンザウイルスを使ってテスト方法を確認します。インフルエンザウイルスも、新型コロナウイルスと同じエンベロープウイルスですね。その後、実際に新型コロナウイルスを使って、有効かどうかを確認します。予想よりも早く4月末には代替ウイルスを用いたテストを終えて、新型コロナウイルスに対する結果は、5月下旬にも一部を発表するスケジュールになります」

 これらの有効性が確認された場合に何が期待できますか?

金井「界面活性剤は台所用洗剤や石けんなどに必ず含まれ、過炭酸ナトリウムは酸素系漂白剤の主成分です。これらで新型コロナウイルス対策を行えると『エタノールがないから消毒できない』ということではなく、普段の掃除などに使っているものがあれば良いのだ、と皆さんに安心していただけますよね。次亜塩素酸水は、生成する機械が食品を扱う場所、大手スーパーマーケットなどに設置されていることが多いですし、いらした方に配布を行っている事業者や役所もあるようです。第4級アンモニウム塩については、成分が含まれた手指消毒液や除菌シートが市販されており、こうしたものに効果があると言えるようになるかもしれません」

 経済産業省として消毒液不足に対して行っている取り組みを教えてください。

金井「厚生労働省と一緒に、身の回りの消毒方法の啓発活動なども行っています。『石けんやハンドソープを使って丁寧な手洗いを行ってください』というポスターでは、2回繰り返して洗うだけで残存ウイルスが約0.0001%まで減ることを説明しています。また、家庭でできる0.05%以上の次亜塩素酸ナトリウム液の作り方として、メーカーごとの希釈率をまとめています。エタノールそのものは、医療用の需要をようやく満たせる状態です。エタノールの製造設備を作る企業に補助金を出したり、食品添加物として市販されるアルコールやお酒を消毒液代替品にできるよう規制緩和を行う手伝いをしたりしていますが、エタノールが出回るまでには残念ながらもうしばらくかかりそうです」

(5月1日取材、本紙・後藤花絵)
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