あの定番ブランドも機能性表示食品に!コロナ禍での健康ニーズが後押し

各社の機能性表示食品

 いまやスーパーやコンビニエンスストア等、あらゆるお店でよく見かけるようになった機能性表示食品。特定保健用食品(トクホ)のような国の審査はなく、事業者(企業・団体など)の責任で消費者庁に届け出ることで販売が可能になるため、そのハードルの低さもあってか、2015年に機能性表示食品制度が施行されて以来、その届出数は年々増加傾向にある。

機能性表示食品の届出数推移(出展:消費者庁発表情報より作成)

 機能性表示食品というと従来は飲料やサプリメントが多かったが、驚くのは近年になって、バナナやブロッコリー、鯛などの食材にまで広がっていることだ。スーパー等に買い物に行くと「いつの間にかこんなものまで機能性表示食品になっている!」と気づくことが多くなった。それはひとえに、消費者の健康意識の高まりと共に、より明確な機能感を求めるニーズが多様化しているからであり、トクホの代表格である体脂肪・中性脂肪のみならず、目や記憶力、体温などに注目したヘルスクレームを掲げる機能性表示食品が続々と生まれている。

 今回は、なじみのあるあの定番ブランドから誕生した、さまざまなヘルスクレームを身にまとった機能性表示食品を紹介する。

inゼリークリア(森永製菓)

 まずは、この9月に新発売されたばかりの、「inゼリークリア」。おなじみの「inゼリー」ブランド初の機能性表示食品だ。

「ゆずレモン味」(写真左)は、一時的な脚のむくみの軽減が期待できる、レモン由来モノグルコシルヘスペリジンを配合。コロナ禍による在宅ワークの浸透により、足がむくみやすくなったと感じる女性が多い中、むくみを解決したくてもなかなか対策ができていないことに着目して開発されたようだ。

「パッションフルーツ味」(写真右)は、脂肪消費・肌のうるおいが期待できるパッションフルーツ種子由来ピセアタンノールを配合。コロナ禍でのマスクによる肌荒れ、コロナ太りの悩みに対して、肌のうるおいを守る機能、日常生活(安静時や日常活動時)のエネルギーとして、脂肪を消費しやすくする機能が報告されているパッションフルーツの素材を活用したそうだ。

 どちらも、女性の悩みの解決に期待が持てそうだ。手軽においしく、しかも機能付きならば、こんなにありがたいことはない。

ほっとゆずPlus(アサヒ飲料)

 次に紹介するのが、冬の定番「ほっとレモン」シリーズから9月に新発売の「ほっとゆずPlus」。ハーブの一種であるウィンターセイボリーエキスに含まれる成分(カルバクロール、チモール)が、冬場の低温な環境で手足の温度の低下を軽減し、からだの温かさ(体表温)を保つことが期待できるという。

 コロナ禍での運動不足による冷えに着目し開発されたようだが、柚子ならではのイメージも相まって、からだが温まりそうだ。

サントリー烏龍茶OTPP(サントリー)

 中身が変わっていないのに、気づけば機能性表示食品になっていたというパターンのものもある。「サントリー烏龍茶OTPP」だ。1981年から40年以上も続くロングセラーブランド「サントリー烏龍茶」だが、今年7月に、中身はそのままに機能性表示食品化され、「サントリー烏龍茶OTPP」として生まれ変わったようだ。

 従来より含まれていたウーロン茶重合ポリフェノール(ウーロンホモビスフラバンBとして)が、おなかの脂肪を減らすという具体的なヘルスクレームを掲げられるようになり、リニューアルした。コクがあるのにスッキリとキレのある美味しさはそのままに、機能性表示食品化したならば、食事のお供に飲んでみたい。

 以上が、ここ最近登場した機能性表示食品の飲料だ。続々と付加価値のついた商品が登場するのはうれしい一方で、届出数が増える中、商品の特徴を理解したうえで自分に合った上手な選び方が必要にもなってくるだろう。また、手軽だからといって食品だけに頼りすぎず、バランスの取れた食事、適度な運動も実践することで、健康に役立てていきたい。